「ざっくりひと言で言ってしまえば…」ベイビー・ブローカー ぴーちぱいさんの映画レビュー(感想・評価)
ざっくりひと言で言ってしまえば…
ロードムービーをバックに
「万引き家族」と「パラサイト 半地下の家族」
を、足して2で割ったような作品だった
競争がし烈な韓国社会
貧富の差は日本以上かもしれない
そんな社会の底辺で、暗い過去を背負い、
犯罪に手を染めるような生き方しかできない3人の登場人物たち…
そんな3人が、ソヨンが捨てた赤ちゃんをきっかけに、家族のような温かい関係になってゆく
車窓を流れる韓国の美しい風景とともに、
それぞれが自分に流れてきた時間を振り返り、
「生まれてきてくれてありがとう」という言葉が胸に落ちるまでの心情の変化を、
時にユーモアを交えながら、是枝監督の優しい視線が丁寧に追ってゆく
この3人と対極的な存在として登場するのが
女性刑事二人組
スジンはリーダー的ポストで、社会的には成功者じゃないのかな…と思うのに、子供がおらず、どこか満たされていない
社会的弱者も成功者も、どこか満たされない
そんな韓国社会の息苦しさみたいな雰囲気が、
冒頭の土砂降りの雨のシーンによく表されていた気がする…
ソヨン役のイ・ジウン!
こんなにセリフが少ないのに、目線や表情、仕草で胸にぐっとくる演技ができるなんて!
その演技力は新鮮な驚きでした
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