「正しさでは、割り切れないもの」ベイビー・ブローカー 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
正しさでは、割り切れないもの
「…この者は罪人です。見せしめに、先ず貴方が石を投げつけて頂きたい。」
「…これまでに、一度も罪を犯したことが無い方が、石を投げなさい…。」
生まれてこのかた、罪を犯したことの無いヒトって、いるんですかね。そんなヒトからしたら、この世界は、どうしようもない宿業の煉獄かも。でもそんな火宅の中で、泣いて笑って、今よりマシな未来を希求するのが、ヒトなので。
正しさから、はみ出す生き方。私はおすすめしません。でも気が付いたら、はみ出してる。そもそも、私の正しさが、全世界で通用するの?。
本作に登場する方々、どうにも肩入れするのに抵抗があるキャラばかり。いい人ではない。友達になれそうもない。でも、悪い人ではない。むしろ愛すべき人々。そんな、正しさでは割り切れないものを持つ人達。そんなヒトたちが大切にするものとは…?。皆で支え合って、手に入れようとするものとは…?。
彼らを石打ちする程、罪なき生き方をしていない私は、どうしたらいい…?。
「17才の帝国」
「ベイビーブローカー」を観る前夜、某国営局で深夜3時まで放送していたお陰で、映画館で睡魔と格闘する羽目になった私ですが、だからこそ、見えてきたものがあります。全く異なる2作から、全く同じ問いかけが届きました。
近い将来、世界は今より悪くなる。その時、貴方はどうするつもりですか?。
そんな問いかけが、重く朦朧とした私の意識に、突き刺さりました。皆様も、是非お試し下さい。結構、キツイですよ。
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