「普段は温かい映画を好まないのですが。」ベイビー・ブローカー muukoさんの映画レビュー(感想・評価)
普段は温かい映画を好まないのですが。
お涙ちょうだい、都合の良いハッピーエンドの映画は苦手です。
暗くて理不尽で、でも少しだけ救いがあるみたいな話の方がリアルに感じられるので。
この映画を観て、都合が良すぎるといった感想を持つ人も多いと思います。
でも個人的には、そういう感じはしませんでした。
訳ありな人生を歩んできた人たちの集まりって、本当にこんな感じだと思います。
ソンガンホさんの演技に注目があつまりますが、私はIUさんの目を何度も思い出してしまいます。
目の中に、鎧を纏うように、いつも怒りや敵意を浮かべているのがリアルでした。
そしてその眼差しが、時々弱々しくなり、不安を浮かべるシーンがすごく悲しかった。
新幹線がトンネルを通るシーン、観覧車のシーン、そしてあの夜の会話で赤ちゃんに言葉を贈るシーン。
暗闇で目が覆われているときだけ、彼女はその鎧を外しているんだと思いました。
この映画の登場人物たちへの感情移入が難しい人は、幸せだってことなんだと思います。
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