「そこまで一人の赤ちゃんに関われるのか?」ベイビー・ブローカー リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
そこまで一人の赤ちゃんに関われるのか?
多分ブローカー達は赤ちゃんに情が移るんだろうなぁ、というところまでは予想出来ましたが、実際はどんな展開になるんだろうと期待しながら見たんですが。。
まさか捜査した警察官が預かって育てるなんて思いもしませんでした。ちょっと都合良すぎるというか。。そこまでたった1人の赤ちゃんにかかりきりになれるものなのか?
赤ちゃんポストに置かれて不遇な状況の赤ちゃんを毎回引き取るまで助けてまわることは現実的に無理というか。
正式な養父母になるなら育てるの分かるけど、赤ちゃんから預かるとミルク、おむつ、離乳食、すぐサイズの大きいものが必要になる服、保育園にしても毎日の送迎、遊び、教育。。。簡単に預かれるものではないはずです。経済的にも、時間的にもかなり割くんですけど、養父母でもないのに。
引き取ろうとしてた夫婦にも生みの母にも会わせるなら警察官は親になってないのに。何故ここまで関われるのか、あまりに現実的でなくてご都合主義に見えてしまいました。
またウソンちゃんは3歳にもなるというなら、はっきり言って警察官夫婦を親だと思ってるだろうし、今更養子縁組を申し出た夫婦や実母に会わせても子どものアイデンティティが混乱して。。逆に子どもが可哀想だと思います。落としどころとしてあまり腑に落ちなくて残念でした。
あと生みの母は何ヶ月か育ててから赤ちゃんポストに連れてきたのか?ブローカーの2人がビデオを消して誘拐したのはポストに置いた当日か翌日なのに赤ちゃんの首が座っていて違和感でした。
産んですぐ赤ちゃんポストに捨てたのなら首は座ってないので縦だっこ、縦向きの抱っこ紐は出来ません。産まれてすぐなら横抱っこしか出来ません。そしてもし、4〜5か月は育てたけど赤ちゃんの父親である男性を殺したから追われるので、逃げやすくするために捨てた、のなら既に赤ちゃんは生みの母にもっと懐いていると思うし彼女も子どもの少しの熱でうろたえるなんて。。本当にワンオペをしていた子育て経験が感じられない。
本当に産んですぐ連れてきてまともに育てた日数が少ないからうろたえた?ならやはり首の座ってる月齢がおかしい。つまりどちらの月齢にしても生みの母の演技設定に矛盾があるので物語に入り込みきれませんでした。
製作陣の誰も子育て経験無かったんだろうか。。
また、主人公のブローカー2人組は今まで何人も赤ちゃんを売り物として売ってきたはずなのに何故今回の赤ちゃんだけはいくら生みの母も売る現場に付いてくるというレアケースだったにせよこの赤ちゃんだけ特別扱いしたのか明確な理由が提示されず、モヤモヤしました。
映画の脚本としては、若いブローカーも捨て子で養護施設育ちで、でもお母さんへのモヤモヤした気持ちが今回の生みの母と話すことで「何かどうしてもどうしても俺を捨てなきゃいけなかった理由が母さんにあったに違いない」と気持ちを落ち着けることが出来て良かったし、
出来れば彼の提案通り、生みの母とブローカーの青年がこの子を育てる=プロポーズする、というシンプルなハッピーエンドになってほしかったです。