「全ての人に捧げる言葉「生まれてきてくれて、ありがとう」」ベイビー・ブローカー あささんの映画レビュー(感想・評価)
全ての人に捧げる言葉「生まれてきてくれて、ありがとう」
日本でも有名な「赤ちゃんポスト」は韓国では「ベイビー・ボックス」と言われ、ある事情で育てられない女性が赤ん坊を置いていく。韓国では法改正により近年、養子縁組がしずらくなり、仲介役「ベイビー・ブローカー」という裏稼業が存在している。
ベイビー・ブローカーのサンヒョンとドンス、2人を追う刑事のスジン、そしてソヨンと施設から飛び出した男の子(名前忘れた)。それぞれの視点から心の機微を丁寧に描きながら、韓国の社会や福祉を問題提起している。
さらに“産む前に殺すか”“産んで捨てるか”どちらが悪いのかといったテーマも織り込みながら…。
取り扱うテーマが重いのに、ロードムービーな側面も見られ、どこか爽快感やノスタルジックさも漂う。
義父母探しの旅を続けるうちに深まる5人の絆、施設出身のドンスがソヨンとの出会いによって自身の過去と向き合い赦す姿に感情が揺さぶられる。観覧車のシーンが美しくて好き。
万引き家族に続く“擬似家族物語”
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