劇場公開日 2020年10月30日

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ウルフウォーカーのレビュー・感想・評価

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4.0【アイルランドの歴史】

2020年10月31日
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これは、1650年頃のアイルランドの悲しい歴史をモチーフにした物語だ。

イギリスは、約10年ほど共和国だった時代がある。
国王を追放し、この間、実質的に実権を握っていたのが、物語にも登場する護国卿で、大半はクロムウェルの支配だった。

また、この時代、大きな気候変動があり、17世紀半ばから約80年から90年間、世界は寒冷化し、ヨーロッパも冷害で食物は不足し、クロムウェルは、アイルランドに攻め入り、肥沃な土地を収奪し、多くのアイルランド人を虐殺した。

そして、アイルランド人の大半は、痩せた土地に移り住まなくてはならなかったと言われている。

また、アイルランドは自然崇拝(アニミズム)の色濃く残る地域で、カトリックからは異教徒とされていたことも、この作品では伺える。

狼は、カトリックにとっては悪魔の化身だ。

だが、この物語は、アイルランド人を狼に重ね、争いを好まず、住む地域を隔て、平和に暮らすことが出来るのではないかと語りかけている。

最後に、ウルフウォーカーたちがたどり着いた場所は、自然が豊かな場所だった。

実際のアイルランド人が移り住まなくてはならなかったのは痩せた土地で、それまでヨーロッパ人が口にしなかったジャガイモを主食にして、彼らは命を繋いだ。

この物語では、豊かな土地に移り住んで平和に暮らしたのだと締めくくり、争いのない世界に願いをこめたのではないか。

だが、残念なことにアイルランドとイギリスの間の争いは絶えなかった。
長い間、アイルランドはイギリスの植民地のような状況だった。

だが、この物語は、今だからこそ、これからの僕達の世界にとって大切なのは何かと問いかけているのだ。

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ワンコ