劇場公開日 2020年10月30日

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ウルフウォーカーのレビュー・感想・評価

全41件中、21~40件目を表示

5.0いや、驚いた 💕

2020年12月3日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

古代ケルトの伝承を基にした作品ということに、期待というか興味を持って、観賞。
絵の美しさ、音(sound & music)の美しさに魅了されました。

自分の感情に素直で やんちゃな ロビン。お父さんは、本当にハラハラ落ち着かないよね。心配でたまらない。親の立場としては、それも解るぅ~ と、一緒に ハラハラしてしまった。クレヨンしんちゃん的なヒロイン。

そして、護国卿の行動の動機が、己の私欲ではなく『主の導き』という部分。中学生以上なら、歴史や宗教などの背景を 少し学んで(軽い雑学程度で)観ると、理解が深まると思います。お父さんの心配の大きさも、現代の日本社会での心配とは こういう部分で また違うんだろうと思える。
安心安全の策が《 壁 》というのは、また いろいろ想ってしまいますね。

いや、それにしても。
“ もののけ姫 ” って、和製ウルフウォーカー だったんだ。いろいろ腑に落ちた。🤗♪

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どんこ椎茸

4.0アニメーションならではの動き

2020年11月28日
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強い線、柔らかい線、色彩、音楽が聞こえてくるような文様、とても楽しめた。

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Momoko

4.5沢山の大人と子供に観て欲しい。

2020年11月26日
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鑑賞方法:映画館

素晴らしい作品に出会いました。
なぜこの作品が多くの劇場で上映されていないのか?が
不思議でなりません。

まずアニメーションとして見事です。素晴らしい。
またその絵の素晴らしさ、そして表現の巧みさ、
色の鮮やかさ、(絵本のよう)、すごいすごいすごいの連続です。
そして、物語は過去の悲しい歴史(イングランドのアイルランド侵攻)を
モチーフにし、多くのテーマを扱っています。

自分自身非常に不勉強なのでそのような事実も知りませんでしたが
さまざまな方のレビューを拝見し(中でもワンコさんのレビューは勉強になりました。ありがとうございました!)背景や当時のアイルランド、イギリスの信仰の
違いを知るにつれ、なんと巧みにストーリーを組み立てているんだ!と感嘆しました。

そして親子の物語が絡んできます。
親が子になす事が果たして子が求めている事なのか?
子の自由を奪っているのは大人なのではないか?
理解している風に見せかけてただ都合よく子供をあやっってるだけでは?

多くのメタファーを含み、アクション物としても、登場人物の友情もの
としても、人間対狼)の物語としてもすごく楽しめます。

テンポも非常によくどんどん物語に引き込まれていきますし、
胸が締め付けられるほど辛くなる場面も多く、また
クラマックスも見事に盛り上がります。
エンターテイメント作品としても非常に水準が高いです。

まぁ観ている間、人間たちが憎くて憎くて仕方なかった。

この作品、1回観ただけでは足りません。
画面の隅々にわたり多くの絵が動いてるんですね。
皿の底まで舐めたくなるような作品でした。

あぁ、上手く書けないなぁ。

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バリカタ

4.5ハイレベルなおとぎ噺

2020年11月25日
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本作でまず目に入るのは水彩画のような柔らかい背景でしょう。
その独特の柔らかさは自然や狼を描く際には丁寧に丁寧に反映され、逆にそれを蹂躙する護国卿や兵士はカチコチに四角ばった味気ない姿に描かれます。
ストーリーだけでなく、美術面のこだわりもあってこその分かりやすさでしょうね。

ウルフウォーカーの設定がやや軽いのが気になりましたが、歴史に詳しくなくても見られる(とはいえ知っておくとさらに面白い)おとぎ噺系の名作です。
全体的にはやや子ども向けかな。

あとメーヴとロビンは百合。間違いなく百合。

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克晴

3.5ケルトを堪能?

2020年11月25日
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鑑賞方法:映画館

「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」に続けて本作品も観た。前作でも同様に感じたが、第一印象は、アニメというより、絵本が動くという印象をもった。(悪い意味ではない。個性という意味で)

また、それがケルトぽいのかは知らないが、"森" を象徴する、水滴のような、というか卵形を基調にしたデザインは、"渦巻く勾玉" とでも言ったらいいのだろうか、重なり合い回転しあう動きと相まって、独特で心地よい印象を与えてくれる。対立する者たちとしての "街" は、三角定規をベースに置いたような直線的デザインで構成されていて、この拮抗はわかりやすい。

ストーリーは、あえて言えば単純。ジブリアニメ 「もののけ姫」 は、同様の拮抗を描くが、レビューにも書いたように、"森(自然)" と "街(人間)" のどちらが正しくてどちらが悪いと言い切れるものではない。それを考えることに、映画の本質的な意味がある。一方、本作は ”神話”。神話は複雑ではいけない。だから、美術や音楽を楽しむように、心を開いて、神話の世界を体験しましょう。

イギリスに滅ぼされた先住民族であるケルトの神話がベースなのだろう。
神話なので、ストーリーは単純で、太古に想いを馳せながら、あれこれ考えずに観る、委ねるスタイルでの鑑賞をお薦めします。

「もののけ姫」のような、う〜む、どちらの立場もわかるなあ、みたいなものを期待してはいけません。あくまで、侵略するものとされるものという対立構造です。

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CB

4.0動く絵本のよう

2020年11月17日
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アミニズムはどこでも迫害と滅亡の歴史だが その教えを絵本や童話として残されているのでは そして、それはどこかで行き続けているのでは‥‥そんな事を考えた

欧州の(影響が強い南米も)アニメは動く絵本という感じで日本ともアメリカとも違う
絵もよかったが音 鳥や狼や風の音がよかった 音楽も声優もほぼでしゃばらない感じで
素晴らしかった
匂いが見える表現も好き
 「あんな臭いところに帰ってどうすんだ?」 森を自由に駆け回る楽しさ 狼気分を味わえる
ある者は人間になることを ある者は狼
ある者は鳥や虫や草花になることを選ぶ
そんな事が「常識」とされるのはいつの日だろうか‥‥
子供と観ても楽しめるし 大人が観ても政治社会的観点からも見れる映画

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U-TA

4.5青い夜きれいだった〜

2020年11月15日
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鑑賞方法:映画館

絵の上手な人の隣に座って、つむぎ出される線や色や物語の行く先を眺めているような、温かくくつろいだ時間でした。

こういった欧州のアニメ作品を観ると、美術教育の深さを感じます。以前旅したイタリアで寺院の石段に座って写生している子供たちのノートを覗き見てひっくり返ったことがありました。

一方で、10歳ぐらいの子供部屋からコツコツと絵師を目指す、日本の人材育成(自生?)、その結晶としての日本アニメも絶対真似できないものでしょう。
どちらにも魅了されます。

『ウルフウォーカー』というタイトルとあらすじ、ポスターやイメージ画像を見てもちょっと好きになれるか分からなかったのですが、これはもう映画館で観ることができて良かった!

プロモーション素材では魅力が伝わりにくい作品かもしれませんが、あの色彩と線と音楽の渦にまかれる幸福をぜひ多くの方に…。

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ru

4.0ぁうぉぉぉぉーーーぅっ

2020年11月12日
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鑑賞方法:映画館

美しい狼たちの遠吠えとアイルランドミュージックが耳から離れません!
観てきましたよ、伏見ミリオン座で。
「ウルフウォーカー」は人間と狼の合わさった存在で、狼ともお話しできます。
ケルトの石文明が残る、懐かしい森の中に入って来ました。
コロナ禍の現在、世界中で観てほしい映画です。
「ブレンダンとケルズの秘密」で圧倒的な映像美の世界に魅せられたトム・ムーア監督ケルト3部作の3作目、観ないわけにはいきません。
アニメーションと絵の素晴らしさに加え、アイルランドのKiLAのケルトサウンドに、アイルランドの歌姫オーロラが音の世界を包み込む。
映画では匂いも音も可視化するし!

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fuhgetsu

3.5自然との共存、自由の希求

2020年11月11日
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悲しい

楽しい

幸せ

『ブレッドウィナー』以来、カートゥーン・サルーンのケルト三部作が気になっていた。前作はまだ見れていないが、今作は劇場公開の機会に巡り逢えて嬉しい。

題材は世界各地に残る獣人の伝承。肉体ごと変化したり、映画のように霊魂的な存在などパターンは様々だが、異形と恐れられ、或いは自然信仰と結び付いて尊ばれ、キリスト教下では異端とみなされた。敵役の護国卿は、敬虔なキリスト教徒で、狼を駆逐し、森を開発し、人間を栄えさせる事が神の御心だと信じて邁進している。
自然と開発の対立、共存模索のテーマは、昨今の作品で多く見られるが、近代的な消費拡大の方法論に限界を感じ始めた現代人の自問の表れだろうか。
自然の化身とも思わせられる森の女の存在感、中世封建制の窮屈さに苦しみ、心のままに森を駆ける狼の自由さに魅せられる少女ロビンの姿は、ブレッドウィナーにも通じる、抑圧からの女性解放の強い想いを感じさせる。
自然と共に、家族との絆を大切に、自分らしく。それが昨今理想とされる価値観なのだろう。

極度に図案化されたキャラクターや紋様めいた動植物、透視図法を無視した壁画のような背景の描き方など、独特のビジュアルが。アーティスティックでとても美しい。『Gorogoa 』『Sky』『GRIS』など、絵画的な世界が動くゲームが好きで、その為に苦手なアクションにもチャレンジしたりする身なので、この世界に浸れる散策ゲームを開発してくれ!と思う程だった。匂いや音に敏いウルフウォーカーの感覚を可視化した映像が、新鮮で面白い。世界観に寄り添う音楽も心地いい。

自然は人間に優しいだけの存在ではない。人間の都合に合わせるだけでは共存は叶わない。複雑で根の深いテーマを描くには、若干論理が大雑把な側面もあるが、子供が主人公の物語で、余り救いがないのは辛くなっちゃうので、ハッピーエンドに終わって良かった。
世界の何処かに、今この時も、人ならざる者が潜み暮らしているかもしれないというのは、古今東西普遍のロマンなのだから。

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しずる

4.0色彩の素晴らしさと少女の成長物語を楽しむ

2020年11月10日
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鑑賞方法:映画館

人間とオオカミの両方の体になれるウルフウォーカーの少女と、オオカミを退治するために雇われたハンターを父に持つ少女の交流を描いた物語。
もののけ姫のようでありナウシカのような話だったので既視感はあるが、終始スクリーンに釘付けになってしまった。やはり異質なる者と距離を縮めていくのは少年少女であるという王道な話だが、ロビンが成長していくプロセスがよかった。
さらにアニメーションがよい。立体感のない絵柄だし、ラフスケッチに色を付けたような雑な印象さえあるアニメーションだったが、躍動感があって、そして色彩がとにかく美しかった。あの世界観にたっぷり浸るだけでいい鑑賞体験だった。

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kenshuchu

4.5美しい美術に浸る

2020年11月8日
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まず、デフォルメされたキャラクターの動きや、背景に至るまで色彩の豊かさを観るだけでも、アニメーションの根源的な楽しさが味わえました。
また、本編ストーリーでは、今の時代にも通じる「保身のために自ら権力者の作った牢獄に入る」大人たちの愚かな姿を描いていました。

圧倒的な美術と作画に浸れるので、アニメーションという表現を愛する人には超おすすめ。
『ソング・オブ・ザ・シー』ファンならマストですよ!

ただ、その裏には17世期半ば(1650年代)、イングランドがカトリックの思想に則り、神の名の下にアイルランドへ侵攻した、悲しい歴史が敷かれています。
食糧が不足していて、農耕地確保のため森を切り開き、自然を壊し、自然崇拝(アニミズム)していたアイルランドの異教徒を弾圧・虐殺していた時代を描写していました。
そのあたりまで知っていると、奥の深い作品なのです。

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コージィ日本犬

4.5磨きかかるケルト三部作の真打ち

2020年11月7日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

中世アイルランドの伝説に基づく、オオカミであり人間でもあるウルフウォーカーと、ハンターを父にもつ少女との友情の物語、

絵画を彷彿する背景美術によく動き表情豊かな人物描写

良いアニメーション作品でした。

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褐色の猪

4.0あれが聞こえるか?美しい音楽のようだ

2020年11月7日
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鑑賞方法:映画館

中世のアイルランド、キルケニーの町。イングランドに征圧される属国の現状、文明にごり押しされる自然界の行く末。この時代の文明はまだ不完全で未発達で、しかし悪いことに、それでもそれが良き未来だと信じられた。たぶん、当時の人々(支配者側)の心情は、映画に映し出されるどこか人間の心の闇を滲ます暗さなどなく、輝かしい未来を期待する明るいものだったろう。逆に侵略される側はその影として、鬱屈したひがみの感情を潜ませていたことだろう。それは東西を問わず、日本でも古代、中世、そう変りもない歴史をたどっている。
そして、それぞれの地で根付いていた古来よりの自然崇拝は、文明という重機に撫で切りにされていく。この映画のなかの森やオオカミたちも、その歴史のひとしずく。ただ、それだけでこの映画に惹かれたのではなく、その舞台がアイルランドだからだった。司馬遼太郎の紀行文を読んで、W杯のドイツ・アイルランド戦を観戦してからの僕は、ことのほかアイルランド贔屓で、その舞台がそこであるだけで観る理由には成り得た。伝説多いケルトの世界観は、どこか奈良朝あたりの陸奥に似た印象も強く、強者に蹂躙される弱者に肩入れしたくなる気分にもなるからだ。

この映画は、手描きなのがいい。先日、TVで「未来少年コナン」の再放送が流れていた。それに見入ったのは、懐かしさだけでなく、画の柔らかさから滲む温かみなのだろう。そこがデジタルでない創作物の素晴らしいところ。昨今の日本のアニメ映画やディズニーに興味が薄れた訳は、第一にそこなのだ。たいしてこの映画は、とってもとっても温かい。線や彩色、文様、それに安野光雅を思い起こさせる構図から感じるこの映画の画が、とても柔らかいからだろう。
話のスジには当然のように家族愛、友情がある。しかしそれだけでは綺麗ごと。その対比としての喪失や献身(その点では敵役である護国卿もそう)が、いっそうその感情を呼び起こす。護国卿はまるで、レ・ミゼラブルのジャベール。彼は彼の正義を貫き通す。ゆえに、憎らしさよりも悲哀を漂わしていた。それがこの物語も深みにもなっている。おそらく日本人には気付かない、キリスト社会の不文律や象徴や暗喩だって、いくらもあるのだろう。

子供達にはこの手のアニメーションこそどんどん見せてあげるべきだと思う。いや、世ズレたおとなにこそみるべき、か。そりゃそうだ、僕だって久しぶりにパンフレット買ってしまったくらいなのだから。

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栗太郎

4.5素晴らしい作品

2020年11月4日
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上映館が少ないのでなかなか見られない人も多いと思いますが、素晴らしいアニメーション映画です。

ケルト三部作全て拝見しましたが、本作が最も見やすいと思います。おそらく「民話」「神話」「伝承」としての雰囲気が最も薄く、「童話」のような感覚で見られれるからだと思います。

個人的にメーヴのキャラクター造形が、フォルム、声など(字幕版を鑑賞)非常に上手だとおもいました。
作画、躍動感、音楽。全てが丁寧に作られています。

海外のアニメーションはなんとなくアニメと呼びづらく、アニメーションと呼ぶにふさわしいような感覚があります。

日本のアニメのような、少し趣味の世界みたいな感じでなく、アートな感覚で見るべき作品が多いような気がします。
昨年見たロングウェイ・ノースなども非常にアーティスティックでした。

鬼滅の刃が空前の大ヒット街道を驀進していますが、たまにはこんなアニメーションにも触れてみてはいかがかと、皆さんにオススメしたいです。

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イナヅマゴロー

5.0傑作

2020年11月4日
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商業的に媚びないこういう海外アニメーション映画を大切にしたい。

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フェネック

3.5面白かったが、レビューの高さにハードルが上がってしまったのでちょっ...

2020年11月3日
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面白かったが、レビューの高さにハードルが上がってしまったのでちょっとだった。

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あすきち

4.0

2020年11月3日
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あちこち丸い。森を進む道の脇の木は湾曲して丸をなす。森が開けたところも丸く開ける。水溜りは丸く、メーヴの顔は丸い。髪も丸い。横を向いても丸い。人の街は方形である。キャラクターも角ばる。自然と人工を意識的に描き分けているのか。
描き分けという点では狼目線での表現。科学に則した表現か分からぬが、実に想像力がかき立てられる。狼ならではのスピード。狼の五感が備わったように感じる。フクロウにはどう見えたのか?などとも。
もはや安定のトムムーア品質である。絵心の豊かに負けないストーリー構成の詰め込み方。親子、男女、人種、文化の相克を乗り越えてくる。キャラクターの愛らしさ、特にメーヴは二重丸。

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Kj

4.0ケルトの森からやってきた超純正ハイレヴェルアニメーション

2020年11月1日
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非の打ちどころのない王道のシナリオと、超ハイレヴェル&個性と意欲に満ち溢れたアニメーション技術を兼ね備えたぐうの音もでない佳作。
日本のアニメがピーキーなものしか作らなく(あるいは作れなく)なって久しいが、アイルランド人でもこんな素晴らしい純正で真っ向勝負の素晴らしいアニメが創れるようになっている。もはや日本のアニメは岐路に立たされているが、きっとその代わりになる才能あふれるクリエイターは世界中にいるのだろう。

美術は本当に素晴らしい、ただ作画や演出の技術が優れているだけではなく、この作品ならではの独創性とチャレンジに満ちている!
特に都市部ではキャラクターやその周りと背景のレイヤーがはっきりわかれていて、その背景はパースが存在しない中世ヨーロッパのフラスコ画のような意匠になっている。その感覚を形容するのは難しいが、人形劇のワンシーンのように感じられた。特に都市の遠景はまるで壁画のごとく真上から俯瞰しており最初は何を描いているのかすらわからなかった。こんな奇天烈な描写もある一方、一歩森の世界に入ればそこはトトロの森を圧倒するような水彩風の色彩に彩られるケルトの森林世界である。そのファンタジックな深い深い緑や、優しい黄色、日陰を思わせる落ちついた青や、あたたかな紅葉を思わせる赤が溢れた画面は、これまで他のアニメやゲームでは見たことがないような素晴らしい魅力を湛えている。それは可憐で小さくまとまった秘密の小道のような美しさがあるかと思えば、瀑布をのぞむ渓谷のような雄大な美しさもあり、ただ背景を眺めていて飽きることがない。ツタの造詣、舞い散る落ち葉、足元の背の低い草の質感と、ちょっとしたワンシーンすべての描写に妥協がない。
都市部の描写も17世紀のアイルランドの生活描写が非常に強い説得力をもって描かれており、きっと当時の城塞都市はこんな空気をまとっていたであろうことがリアルな生活臭とともに想像できる。パンとスープ、掃除道具、晒し台、屋台と山羊のミルク。ロビンの家の間取りや、家々の窓の造詣、天守があるわけではないが堅牢な城や、馬車のデザインなど、どれもが細部まで、適当ぶっこいて作ったエセ中世世界(正しく言えば近世だが)でないことがわかる。
そんな森や街を時にハイスピードに駆け回るときの疾走感よ!

背景やガジェットのデザインのみではなく、カートゥーンなキャラクターの感情や感覚の描写も見事だ。安易にセリフで語らせるのは三流のアニメであり、この作品はしっかり目を挙動でキャラクターの想いを描き切っている。狼の感覚を通した匂いの世界の描写も印象的だ。
キャラクターデザインは、都市に属するものは直線的デザイン、森の世界のものは曲線的デザインで明確に対比されているのも場面がコロコロ切り替わるふたつの世界を行き来するにあったて、場面の理解や頭の切り替えに役立っていたように思える。

キャラクターは設定は奇をてらっているわけではなく、言い方によっては平凡だが、一方で万人ウケする誰でも好きになれる魅力がある。冒険好きな女の子のロビンも、友達できてウッキウキの野生児メーヴも、悪く言えば既視感のある、しかし良い意味で王道的でツボを押えたキャラクターになっている。果たしてこの作品の登場人物に、ひねくれた個性など必要あるだろうか? キャラクター至上主義という病に侵された今の日本では、きっとこういうストレートな主人公達を作ることはできないだろう。
敵役である護国卿も、主人公達や21世紀の自由至上主義・人権至上主義といった宗教観から見ると悪でしかないが、シナリオのために適当に作られた小物的・サイコパス的な安い悪人ではなく、17世紀当時のイギリス人としての確たる使命感と価値観をもって行動し潔く死んでいくあたりは素晴らしかった。この護国卿を「宗教への皮肉と批判を描くために作った悪役」などと浅い読み取り方をしているような連中は、この映画を見るだけの教養がついていないということだろう。

ストーリーも自然保護や異なる文化との対話の重要性、フェミニズムなど近年のスタンダードでよくある素材を、まったくもってごく王道的に普通に、でも高水準にまとめている。これを「普遍的テーマをまとめきっていて素晴らしい」とするか「無難に寄せ集めたに過ぎず工夫がなく平凡だ」とするかは判断に迷うが、しかし、ここでヘンテコな主張や個性をねじ込んで素晴らしいアートワークと世界観を台無しにするような愚を犯していないことがこの作品が佳作たる所以である。
メーヴ達は、母親の救出さえ済めば「人間達から尻尾をまいて逃げて、安住の地に移る」という前提で行動している。これはアメリカや日本の作品では滅多にみられない展開だと思われ、実際もののけ姫では自分達の領域を犯す人間を虐殺するサンや山犬たちの行動に、視聴者は(自分含め)誰一人疑問は抱かない。この平和的逃亡者としてウルフウォーカー達を描いたのは、イギリス人と凄惨な殺し合いをし、時にはただ耐え忍んできたアイルランド人の感性ゆえなのだろうか。

前述通り護国卿は芯の通った17世紀のイギリス人として描かれていたが、21世紀的な宗教観(自由至上主義・人権至上主義)でロビンをヒーローとして描き、アイルランド側を善玉・イングランド側を悪玉として組み立てているのは事実であり、政治的な意図が一切排除されてはいないとも感じられる。

いずれにせよアカデミー賞候補筆頭は伊達ではなく、日本人が創れない領域の王道アニメーション作品であることは間違いない。過去のジブリの傑作を鼻にかけて奢りまくった日本のアニメは、そろそろもう一度本気を出さなけばならないときを迎えている。

その他細かい感想
・音楽めっちゃかっこいい。サントラ欲しい。
・狂犬病システムでこんな便利な特殊能力遺伝できるならガンガン噛みなよ
・不可抗力で眠ると狼化するの凄く不便じゃない?電車で居眠りしても狼出てくるよ?
・ウルフウォーカーになると一生熟睡することができなくなる。精神を病まないだろうか

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ヨックモック

5.0寓話が絵本になり、それが動いている感じ

2020年11月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

単純

期待通りの絵の素晴らしさで、シンプルな話のもと、これもまた素晴らしい音楽と音響に囲まれながら、視覚的な喜びを大いに感じた作品でした。
土地に伝わる寓話が絵本になって、それがそのまま動いているような、見事なアニメーションで、確固たる世界観に存分に浸ることができると思います。
内容は突飛でなおかつ単純に感じるため、もしかしたら絵空事にしか捉えられないかもしれませんが、それ故の良さ感じられたので、飽きることなく見切ったという印象です。心地よい音と絵に囲まれ、一瞬睡魔のようなものに襲われましたが・・・
字幕版と同時に吹き替え版同じように上映されている所以も理解できました。どちらで観賞しても問題ないと思います、

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SH

3.5絵面が不思議。

2020年11月1日
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平面的な街並みの描きこみと人間、狼たちの線が流れるような絵が印象的。絵本や影絵をみているような魅力あるアニメだった。

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peanuts