「ケルトを堪能?」ウルフウォーカー CBさんの映画レビュー(感想・評価)
ケルトを堪能?
「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」に続けて本作品も観た。前作でも同様に感じたが、第一印象は、アニメというより、絵本が動くという印象をもった。(悪い意味ではない。個性という意味で)
また、それがケルトぽいのかは知らないが、"森" を象徴する、水滴のような、というか卵形を基調にしたデザインは、"渦巻く勾玉" とでも言ったらいいのだろうか、重なり合い回転しあう動きと相まって、独特で心地よい印象を与えてくれる。対立する者たちとしての "街" は、三角定規をベースに置いたような直線的デザインで構成されていて、この拮抗はわかりやすい。
ストーリーは、あえて言えば単純。ジブリアニメ 「もののけ姫」 は、同様の拮抗を描くが、レビューにも書いたように、"森(自然)" と "街(人間)" のどちらが正しくてどちらが悪いと言い切れるものではない。それを考えることに、映画の本質的な意味がある。一方、本作は ”神話”。神話は複雑ではいけない。だから、美術や音楽を楽しむように、心を開いて、神話の世界を体験しましょう。
イギリスに滅ぼされた先住民族であるケルトの神話がベースなのだろう。
神話なので、ストーリーは単純で、太古に想いを馳せながら、あれこれ考えずに観る、委ねるスタイルでの鑑賞をお薦めします。
「もののけ姫」のような、う〜む、どちらの立場もわかるなあ、みたいなものを期待してはいけません。あくまで、侵略するものとされるものという対立構造です。
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