「美しい美術に浸る」ウルフウォーカー コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
美しい美術に浸る
まず、デフォルメされたキャラクターの動きや、背景に至るまで色彩の豊かさを観るだけでも、アニメーションの根源的な楽しさが味わえました。
また、本編ストーリーでは、今の時代にも通じる「保身のために自ら権力者の作った牢獄に入る」大人たちの愚かな姿を描いていました。
圧倒的な美術と作画に浸れるので、アニメーションという表現を愛する人には超おすすめ。
『ソング・オブ・ザ・シー』ファンならマストですよ!
ただ、その裏には17世期半ば(1650年代)、イングランドがカトリックの思想に則り、神の名の下にアイルランドへ侵攻した、悲しい歴史が敷かれています。
食糧が不足していて、農耕地確保のため森を切り開き、自然を壊し、自然崇拝(アニミズム)していたアイルランドの異教徒を弾圧・虐殺していた時代を描写していました。
そのあたりまで知っていると、奥の深い作品なのです。
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