100日間のシンプルライフのレビュー・感想・評価
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設定は最高に面白いけど、予告編でのワクワク以上の面白さは……
所持品を全て倉庫に預け、必要なモノを1日1つ取り出す100日間の勝負、と設定は最高に面白い。
けど予告編でのワクワク以上の面白さはなかったかなぁってのが正直なところ。
勝負からくる心情の移り変わりがあまり納得できなかったのが…うーん。
ワンシーンを切り抜くとセリフやちょいアーティスティックなカットなど面白い部分は多い。
おばあちゃんを筆頭に面白いキャラも多い。
けど展開の強引さ、雰囲気で持ってく感じが好みからちょいはずれました。
うーむ、期待しすぎたか
面白いうえに、考えさせられる良い映画
観たいと思っていたけどなかなか行けず、最終上映の日にやっと行ってきた。
序盤は笑えるストーリーだった(裸のシーンは何度観ても笑ってしまう)けれど、話が進めば進むほど自分にとって本当に必要な事とは何なのか、それは物なのか人なのかなども含め、改めて考えさせられる映画。
それにしても、最後の感動させに来るシーンはずるかった、そもそも感動させに来てるのか、笑わせに来てるのか分からない。
コンタクトの使用期限は必ず守りましょう
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酔った勢いで持ち物を全部没収して1日1個ずつ持ち帰れる100日間チャレンジをすることになってしまった、ベンチャー企業を経営する二人の男の話。
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私は欲しいものを思いついたらすぐにAmazonを見てポチり、欲しいものが無くなることを知らない物欲の塊女なのでぜひこの物欲をなくしてほしいと思って見たんだけど、残念ながら物欲は無くして貰えなかった(笑).
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今の時代は何もしなくても自由と未来が約束されてるから、心の隙間を物で埋めているという理屈は納得した。何か物を手に入れれば、自分のステータスが上がったと勘違いしてる。
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でも結局、物で満たされた気分になるより良き友と家族と恋人を大事にしろよという結論はちょっと普通すぎるかなと。人との関わりを大切になんて何度も言われてるような事じゃ私の物欲は無くならない(笑)もっと強い言葉でなくして欲しかった(笑).
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良いテーマなのに100日間のチャレンジも途中でなぁなぁになっちゃうし、途中からこじらせ独身貴族男子二人の喧嘩がメインになっちゃうのが残念。
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でも笑える小ネタは沢山あって、映画ファン的にはトニーとルーシーの初ベットシーンが劇中でも出てきた『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の男女の立場が逆転バージョンになってたり、アメリカ人の社長にパウルが誘われた時「ダークサイドに誘ってるのか?」っていうのが面白かった。
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自分だったら何を最初に持って帰るか?って考えてみるのは楽しいね。
シンプルと言う事
この映画、実はヒトにとって本当に大切なモノなのは何か、貴方の生き方はどうなの⁈と問うている様で、深い映画だと思う。
「初めてのおもてなし」「お名前はアドルフ」「まともな男」などのヨーロッパの映画は、個に問いかけ、それに対して、日本の映画は、全体社会に問うという感じがする。
自身の、足るを知ること、ほどほどって事を自分で自覚する事、モノに溢れてしまうとモノに支配されてしまうし、モノを集めるという事に快楽や満足、はたまた依存してしまう。その時の自分は、幸せか?と考える。
映画の中で、おばあちゃんは、幸福は水の様なものだ、流れ落ちると、言う。そのおばあちゃんは、幸せだった時の自分をも忘れて亡くなってしまう。
そうだ、モノ、記憶は、無くなったり、忘れてまったりする。この映画は、大きな意味での別れを描き、そしてシンプルな、今の自分になるだけなのだ、と、言ってたのだと思う。
だからと言って、私自身は、パウルやトニーの様にまだ、さっぱりと出来ない、残念ながら。
だから、ヒトって多様性だから面白いのかもしれない。
身に染みるエンタメ映画です。
物語、面白い!
脚本、よくできてる!
しっかりぶれない話のベースもテーマもあって、テンポよし、飽きない展開、テーマのわりに胸焼けする重さがなく、いー塩梅のユーモアふりかけて、ちょいbitterな美味しいシュトレーゼンのできあがり!って感じの作品です。ご家族で楽しめます。
役者さん達、制作陣、監督、かなりなものだと思います。
どこまで実話かわかりませんが、実話ベースってことですが、あのアメリカ資本は実話なんじゃないかなー?そこはかとない恨みと皮肉がたっぷりで(笑)
また、今の物的な豊かさへの「それ、どーなの?」って提言、問いかけは結構響きます。
あー、彼らは僕だと。我々だと。
実生活見直さなくちゃと何故かおもっちゃいました。
まー、好みの話ですが、クライマックスに向かう起承転結の転結あたりはちょいと軽かったかなー?ラストの演出はやりすぎかなーー?(ちとダサい)って思いますが、良しです!
ラスト、あんな事言われたら僕もイチコロです。
単純かな?ワタシ。
良作です!
予告を観たら面白そうで、今年観た「お名前はアドルフ?」のフロリア...
予告を観たら面白そうで、今年観た「お名前はアドルフ?」のフロリアン・ダービト・フィッツが主演だったので観てきました~
これ、面白かったです~
真っ裸な主役の二人の関係性も色々と楽しかったし、ちょいちょい笑かしてくれるネタにクスっとさせられて。タートルネックのヘビとか・・🍌😂ロープのくだりは可笑しくて声だしそうでした😆
ストーリーとしてはちょっと詰め込み過ぎた感があり粗い部分もあるんですが、お互いが自分を見つめ直す過程はほっこりできる脚色でなかなか好きでした
主役二人の関係だけでは無く、パウル(髭のフィッツ)のおばあちゃんと、パウルの母親とトニーの関係とか・・特に膝まくらのところは心が安らいだ😌
あと、色使とかインテリアが素敵なんです~
おばあちゃんの家の壁紙やタペストリー、オフィスの壁のアートや、淡いピンクや黄色の部屋、パウルの部屋の窓の落書きみたいな絵とか、そういうところの演出も好きでした
フィンランドのドキュメンタリー映画「365日のシンプルライフ」をベースに作られたそうで、こちらもいつか観てみたいな。
主役の一人のフロリアン・ダービト・フィッツが監督、脚本も務めていて、
フィッツは前記の「お名前はアドルフ?」の演技もよかったので、彼の過去作品もちょっと観たくなりました
思ったほどシンプルではなかった
タイトルと予告から想像していたストーリーとは違っていた。
物と人との関係がメインテーマではなく、友情や家族、恋人との関係などいろいろあって、すこしわかりにくかった。ドイツ語が聞き取れないため、字幕以外のことばのニュアンスが入ってこなかったせいもあると思う。
アプリのナナについて、どんな仕組みかが全くわからなかったけど、少しは知りたかった。
ザッカーマンがザッカーバーグに似ていたのはおかしかった。
自動翻訳がフィンランド語だったところも。
お母さんもおばあちゃんもタバコを吸っているのが特徴的。
そして二人とも、30代後半の子どもたちに、昔のように膝枕をしてあげようと言い出すところも面白い。
話があちこちに飛んで、置いてけぼり感があったわりには、最後のほうでは心が動いて涙が出てきて、わりと満足した。
音楽は好きなタイプだった。
サントラを聞いてみようと思う。
現代の断捨離
本作品のテーマは物に別れを告げることである。目指すはシンプルライフだ。人間は生れてくるときは裸で何も持っていない。本来無一物とは仏教の言葉だが、当たり前のことでもある。当たり前を忘れるほど物に囲まれているということか。
大人になると、裸になることに微妙な不安を覚える。財布やスマホが近くにないと困るのだ。公衆浴場に鍵のかかるロッカーがないときは、入浴を諦めようかとさえ思う。スマホも保険証もクレジットカードも手元になければ、社会生活に大きな支障を来たすことは間違いない。それがとても恐ろしい。
人間のアイデンティティは記録と記憶にある。見知らぬ土地で素っ裸で発見されたら、自分を証明するのに自分の記憶と役所や病院の記録とを照会する。自分を知っている人がその場にいれば幸運である。有名人はその点有利だが、素っ裸で発見されると大スキャンダルになる分、かなり不利でもある。
聞くところによれば、外国のあるIT系の会社の社員は手のどこかにマイクロチップを埋め込んでいるらしい。映画「トータル・リコール」(コリン・ファレル主演の方)では手にシート型の携帯電話が埋め込まれていた。ビデオゲーム「メタルギア・ソリッド」では体内にナノマシンを注入して、バイタルの管理や武器のIDとして使っていた。登録した武器は他の人間が使えないシステムである。
自分が自分であることを電子情報に記録して体内に埋め込む方法は、管理する側がよほど信頼に足る共同体であれば、たしかに問題はない。しかし全体主義の人間が共同体の指導部に入り込んだら、電子情報を悪用しかねない。最悪は戦争だ。
現在の段階ではスマホに多くの情報を入れている人が多いと思う。スマホで買い物をしたら、クレジットカードの情報や住所や生年月日などが漏れ、嗜好品の傾向を分析される。実際にインターネットを見ていると、興味のある物の広告が出る。今は万人受けする商品よりもピンポイントでその人向けの商品を売りつける時代なのかもしれない。
本作品にもネット時代らしいたくさんの事例が登場する。電話番号さえわかれば、そこから芋づる式に名前や住所がわかるし、行動の軌跡までわかる。GPSを暫くつけっぱなしにしてからGooglemapのタイムラインを見ると、自分の行動が見事に網羅されているのがわかる。備忘的に助かるような、恐ろしいような感じだ。
主人公二人はすべての持ち物を一旦倉庫に入れて、1日にひとつだけ取り出せるのだが、素っ裸だから最初に取り出すのは裸を隠すものであることは間違いない。その次となると少し迷う。段階が進めば人によって優先順位がバラバラになる。ただ取り出すだけのストーリーなら散漫に進んで終わりとなるが、本作品は共同経営者どうしが賭けをしているという設定だから、互いに競ったり協力したりする。そして第三の倉庫借主が登場して人間関係にダイナミズムを生み出す。物を持たないときのほうが人間臭い行動ができるという点は面白かった。
とはいっても、物のひとつひとつに直接向き合って必要かそうでないかを考える訳ではないので、ややドラマ性に乏しいのが憾みだ。本作品の設定とは逆に物をひとつずつ捨てていくのはどうかというと、それはもう断捨離で、映画にならない気がする。最後までスマホが残るに違いない。ITとスマホのある時代とそれらがなかった時代とでは、世界が違うのだ。
インターネットで情報が飛び交う現代は、20世紀後半の情報化社会と言われた時代よりも数万倍、数億倍、あるいは数京倍、数垓倍の情報量である。誰もがスマホやPCといった情報機器を使わざるを得ない状況では、物を捨てるよりもインターネット情報の取捨選択こそが、現代の断捨離なのだろう。
イマイチ
設定自体は面白いけど、話がどうも散らばり過ぎというか、あちこちに脱線気味。最初に設定したストーリーに沿って展開すればいいのになと、思ったり。前半は正直退屈でした。後半やや盛り返したかな。
コロナ過でなければ見られないドイツ映画でしたね、多分。でもワーナーが配給してたから普通に見られたかも?
でもそんなの関係ない!
アプリ開発のベンチャーで共同経営者のパウルとトニー。幼馴染みでもある彼らが、ある出来事が理由で「裸一貫」の賭けをするドタバタコメディ。
全ての所持品は倉庫に預けられ、1日1個だけ必要なものを取り出し、100日間耐え抜いた方が勝者、という賭け。
・・・減らしていくのではなく、増やしていくのね。。まぁそこはさておき。
夜の倉庫に現れる謎の美女に恋してしまうトニー。更に、アプリを買いたいというセレブのザッカーバーグも現れ、2人のゲームは少しずつガバガバに(笑)
それなりに笑わせてくれる場面もあり、思いの外メッセージ性もあった本作。
多くの物に囲まれるより、本当に大切な・・・ってのはシンプルながら誰にでも当てはまることかもしれんですね。
色々ありつつの2人の友情物語も良かった。良し悪しはともかく、本音を知りたい・・・。う~ん、わかる。
期待していたよりは大分良作だった感じ。
終わり方も爽やか。
・・・ただ、そんな格好でそんなセリフ言われちゃ某ピン芸人を思い出さざるをえない。
ストーリーにゃ関係ないけどね。
彼女が一番心配
シンプルライフ•ミニマリスト系の本を読むのが好きなので鑑賞。
でもこの映画はミニマリスト指南!て訳ではない。友情•恋愛、仕事を絡め100日の成長を追っていく。この100日間を上限に、ある掛けをしているので飽きない。
この映画の好きなセリフ
「しあわせは水みたいなもの」
byおばあちゃん
「心に穴は…誰でも空いてる!」
「無一文でバカンスに?」by父
気にしないうちにビッグデータ取られてることへの警鐘や、あらゆる商法に引っかかってること、スマホ依存、買い物依存、なんやらテーマがいっぱいで現代のゴチャゴチャ感出てます。
いま物質社会に揺り戻しが来てる。でも里山で暮らしてたような時代に戻るのではなくて、スマートな情報通信社会にシフトしてくんだろうなって感じた。
最後は、野原からスマホ一台で世界を変えようとするんだからね。
物はなくても豊かになれる
開発していたアプリが高額で売却できることが決まり有頂天になっている中、お互いの持ち物をすべて倉庫に入れて物のない生活に耐えられるか勝負する話。買い物は認められずに、1日1個ずつ倉庫から自分の物を取り出せるというルール。
予告編ではこんな勝負を意地になってやる意味がわからなかったが、なるほど多額のお金がかかってるなら必死になるわな。納得。でも、物我慢の話だけだとそんなに盛り上がらないよなと思っていたら、ちゃんと恋愛や友情、アプリ権利の売買等の話をちゃんと積み上げていた。
細かいところで気になることはあるのは確か。真っ裸にさせる必要ある?とか、アプリ売却がダメになっても無一文にはならないんじゃない?とか、原っぱに彼女を誘導するのに自分の持ち物を置いて誘導するって強引すぎない?とか。
でも、最後まで飽きずに観ることができたし、音楽もよかったし、個人的には好きな部類の映画。物に囲まれている現代社会で、本当の幸せとは、本当の豊かさとは何かを考えさせられる。
友情関係再生物語として。
肝心のシンプルライフネタには深く絡んでないけど友情ものとして軽く描いているから楽しめた。ふたりの関係はビジネスパートナーとしてのつながりがメインになったいるけどあまり効果的でないかな…。話が半端に膨らんでしまってた。
対人依存ってのもありますね
昔からの親友にしてビジネスパートナーの2人が、家財道具や着衣等全ての持ち物を倉庫にしまい、1日に1個ずつ物を取り出せるというルールの基、100日間のガマン比べの勝負をする話。
自らの開発した感情を持っているかの様に話し、心の穴を埋めてくれるAIアシスタントに依存しまくりのパウロ。
一方、会社のボスであり、金はあるけどコンプレックスの塊で、外観を気にしまくるトニー。
勝負はドタバタとコミカルに始まって行くけれど、結構ルールはガバガバですね。
2人の小競り合いをみせていく始まりから、過去の話、家族の話、恋愛の話、と人それぞれに抱える問題に纏わる人間ドラマに繫がっていくけれど、トニーの恋愛が主軸であまり深さは感じないし、ただただパウロが良いヤツで、トニーはあまり…。
ウサギとハリネズミは知らないけれど、日本でいらうところのウサギとカメですかね。
痛さを感じる暴走と、それを赦す友情の物語がなかなか面白かったけど、ちょっと片寄った感じであまり刺さらなかった。
前半の下ネタ満載はよかったのだが
ビジネスパートナーの2人が全裸の状態から1日1つだけ何かをゲットして勝負していくドタバタ喜劇。……と、思いきや実はそうでもなく、男女の恋愛や友情をテーマにしたロマンチック?なライトなコメディといったところか。
前半は、その勝負の始まりで下ネタ有りで良かったが以降は、そんな展開になり……。
なんか、ストーリーも粗過ぎる感がありあらすじを知っていたので理解できたが、良く分かりにくい感じも随所に見受けられるわ。
ドタバタ劇を想像していたので、残念
物が溢れ、物に支配されている現代社会へのカウンタームービー!!
2013年の映画『365日のシンプルライフ』から着想を得て映画化された本作ではあるが、もともとその作品自体があったという概念が作中に存在していたのだろうか。というのも所持品ゼロからの100日間の生活スタートへの誘導がかなり強引なのだ。肝心なのは、その生活がスタートしてからではあるものの、スタート位置にたどり着くまでの力業感がどうしても出てしまっている。
ちなみに『365日のシンプルライフ』という映画はドキュメンタリーと錯覚しがちなのだが、あの映画は監督であるペトリ・ルーッカイネンの実体験をドキュメンタリーのように再現し、映画化したものであるため、実話ではあるのだけど、映像自体は意図的に作られたものであり、正確にはドキュメンタリー風映画なのだ。
1日1個のアイテムだけ持ち出してもいいというルールというのは、自分の実生活におきかえて、自分なら何だろうかと思うのも今作の楽しい部分のひとつであり、全体的に主人公たち含め、個性的なキャラクターも多く、コメディ要素の強い作品なだけに単純に観ていて楽しい作品である。
人間の物欲や所有欲といった意識そのものが支配されつつあると、少し陰謀論やSFに足を突っ込んでいながらも、決してそれが現代においてはSFではなく、正にこの便利になりすぎた現代社会そのものであることを観ている側に再認識させ、物とは何か、本当に何が必要なのかということを問いかけてくるような作品である。またそれをIT系会社を運営している2人が気づくことにも意味があるのだろう。
対比として戦争を経験した祖母が登場することも大きな意味をもっている。人間は環境下において、命さえあって、生きていればいいという状況から、今では物によって、生きている実感を得るという状態でもあるのだが、決してそれ自体が悪いことではないし、便利になること自体は、人間の探求心や創造の結果でもあるのだ。
フェイスブックの創始者マーク・ザッカーバーグをあきらかにモデルとしているザッカーマンというキャラクターが常に不適な笑みを浮かべているというのも、世の中を便利にしようとしている人達は、自分の欲のために世界や人間を犠牲にしているという少し偏った観方や思想が入っている様にも思える。
世の中のツールを上手く使うか、使われるかは、個人個人で意識をもって生きていかなければならないことで、ツールを作った者が悪のように結びつけるのは、いかがなものだろうか。
社会構造の一部として働くことに疲れて、セミリタイアして自給自足したり、地方でコミニティを作り最低限の物資で生活するという人達が実際に存在しているし、今作も結論として似たところに着地するのだが、それ自体は本当にシンプルな生活がしたいというよりは、社会構造へのカウンター的意識があるからのようにも感じられる。
社会構造の中に入って、構造を変えようと努力するよりも、フィールドを別に移して概念に囚われないで生きるのも人それぞれ。
主演兼監督のフロリアン・ダーヴィト・フィッツは、今作に解決策を見出すのではなく、自分自身に問いかけてほしいとインタビューでも答えているし、それは感じられる作品なのだが、あえて言うならザッカーマンというキャラクターは、悪意のある描き方よりも、中立であってほしかった。
だいぶ極端だけど、自分に置き換えながら楽しめる作品
経済的にも裕福で、一定の欲しい物は手に入れることができる環境で生活する主人公のパウルとトニーの2人。
アプリの開発により大金が手元に入る見込みがうまれ、飲み会の場でどちらが物に頼らず生活を送る事ができるか…この酔っ払い同士の半ば言い掛かりのような発案がきっかけで物語は始まる。
まぁこの辺りは予告でも伝わる為どういうストーリーでそして最後は落としてくるのかワクワクしていたが、まぁストーリー性や作品の落とし方は良くも悪くも想定通りだったかなと言った印象。
笑える下ネタが多々あった為決してつまらない、退屈に感じる作品ではなかったが、映画作品として評するのであればごくごく普通の作品と言ったところか。
ただこの作品の面白さは下ネタ以外にも自分の生活に置き換えながら鑑賞と同時進行で自分の生活を振り返りながら鑑賞する事ができる。
作中でも描かれていたが、物が少ない昔の方が生活が充実していて気がするのはなぜか…まぁそれは若ければ若い程あらゆる面の欲がまだまだ活発で満たされておらず、
少ない物の中でいかに充実感を得ようと必死に頭を使ったり、工夫して使う事で充実感だったり達成感だったり色んな欲が満たされる事ができていたのであろう。
決して物が恵まれてる今が不満や自由を奪われてるわけではないと思う。
慣れや歳を重ねる事で年々欲望の内容が高くなったり、欲が満たされにくくなっているのは事実だろう。
そんな事を自問自答しながら鑑賞している自分もいた。
作品としては最後は主人公の二人は無一文となり、恋人そして親友こそが何より大切だ。ゼロからまた新しい大切なものを探すといった展開で終わる。
まぁこの辺りは少し想像はできちゃったかなというのが率直な感想であり、また恋人描写が個人的にはこの作品においては少し苦手でもあった。
だいぶ極端な作品ではあるが、今一度自分の生活を振り返りそして考えながら楽しめる作品である事には違いないだろう。
【"次々に新しいモノを買う事は、幸せかい? 心に空いた穴を塞ぐのは、モノ?虚栄心?。本当に大切なモノは何?本当の幸せって何だろう・・” という事をコメディ要素を塗しつつ、問いかけてくる映画である。】
-パウルとトニーはアプリ開発の共同経営者。ある日、持ち主の性格を反映させるアプリを開発し、第二のジョブスと言われる若き天才、ザッカーマンに認められ、巨額の契約金を手に入れる事になるが・・・。-
◆最初に敢えて記載するが、ストーリー展開はやや、粗い。
だが、それでも私は観て良かった・・と思った作品である。
■感想
・パウルとトニーの性格は全く違うが、何故か気が合う。イロイロと面倒な二人なのだが、観ていて、憎めないのだ。
- パウルは、常に流行最先端のモノを手に入れる事に執着し、トニーは自らの外観をいつも気にする。特に育毛剤は欠かせないし、似合わないメガネは絶対にかけない・・。
だけど、皆、多かれ少なかれ、そういう事はないかなあ・・。-
◆で、二人はツマラナイ事から、"面白いルール"を課し、契約金を巡って、勝負を始める。
・前半はコミカル要素強めで物語は進む。
二人の全所有物を入れたレンタル倉庫に夜な夜な表れる、謎の美女ルーシー。
彼女が複数保有する倉庫には、それはそれは素敵な装飾品が沢山ある・・。
・トニーがメガネを嫌がる故に、結膜炎になるシーンと(気持ちは分かるが、コンタクトレンズの装着期間は守るように!)、トニーが目薬を優しくさしてくれるルーシーに惹かれていったり・・
- 男はねえ、弱っている時に優しくしてくれる女性には弱いのである。そして、魅力的な女性であるルーシーも、トニーが自分に似ている事に気付いたのではないかな・・。-
・しかし徐々に、ルーシー・デンスケの哀しき性癖が露になり・・(ヤッパリなあ・・)
・ザッカーマンも、遣り手だが、ナカナカ下衆な男である事が徐々に分かり・・
- 消費社会に生きる人々を、金を稼ぐターゲットにしか、観ていない。現代消費社会の勝者の象徴として、ザッカーマンを観るが、彼も余り幸せそうではないなあ・・。漂う孤独感・・。-
・パウルは、久しぶりに会った祖母から"ある大切な言葉”を聞き、今までの生き方に疑問を持ち始める。
-"幸せは、掴もうとすると・・・流れてしまう・・"-
◆パウルが、トニーのルーシーへの想いを知り、仕掛けた素敵な事。
そして、”全てを晒した”トニーが、漸く寄り添ってくれた大切な人。
- 彼は、今や、普通にメガネをかけているよ・・、そして、実に幸せそうだよ・・。-
<忙しい毎日を生きる中で、ついつい忘れがちな、
”本当に大切なモノって何だろう・・。”
”本当の幸せって何だろう・・”
という深淵な事を、コミカル要素を絡ませて描いた作品。
モノに溢れる現代社会に生きる中で、イロイロと考えさせられる作品でもあります。>
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