劇場公開日 2021年4月3日

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「輝く瞳は未来を映す」ブータン 山の教室 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0輝く瞳は未来を映す

2021年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

いい映画だなぁ。
ひじょうに好感の持てる、いい作品です。

西洋文化やIT社会に毒された我々にいちばん足りないものが、この映画の中にあるように思います。
これからの時代、ますますこの映画の描こうとしているものが大切になってくるでしょう。

キャストは、映画未経験のほぼ素人と、素人(実際の村人たち)で構成されているとのこと。
にもかかわらず、これだけ質の高い作品が撮れるとは、まったく驚きです。

学級リーダーのペム・ザムのかわいらしさ、けなげさに1度目のノックダウンを奪われ、セデュの魅力に2度目のノックダウンを奪われました。
村長もかっこいいし。

登場人物たち、それぞれの「歌」が心にしみます。

コントラストの効いた、光と影の美しい映像もいうことなし。

宣伝ポスターに写ったペム・ザムの利発そうで愛らしい表情と、その瞳の輝きにひかれて観にいったのだけれど、鑑賞して正解でした。
気がついたらマスクの下で微笑んでいる自分がいた。

そして、彼女の輝く瞳は希望にあふれる未来を映しているのだ、とわかりました。

今年上半期に鑑賞した中でベスト3に入る秀作です。

もう一度、観たいなぁ。

追記
マイナーな作品だし、それほど観客も入っていないだろうと思っていたのですが、意外にも(失礼!)連日盛況のようです。
僕が鑑賞したときも、たくさんのお客さん(中高年中心)が訪れていました。
こういう、地味だけど、誠実さの感じられる作品が注目されるのは、とても喜ばしいことだと思います。
この監督の次回作にも期待したいものです。

追記の追記
ずいぶん前に、テレビの深夜放送で『ザ・カップ~夢のアンテナ~』という映画を観たのですが、それがとても魅力的な作品だった(ふだん僕は劇場以外では映画は観ないのですが、たまたま点けたら面白くて観つづけてしまったのです)。
で、その映画を撮った監督の教え子にあたるのが、本作『ブータン 山の教室』の監督、パオ・チョニン・ドルジ氏であると知りました。
つながってるんだなぁ。
『ザ・カップ〜』、劇場で観たい。

peke