「現在進行形の未解決問題」水俣曼荼羅 りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
現在進行形の未解決問題
原一男監督が15年の撮影と5年の編集で計20年の歳月をかけ、3部構成で計6時間12分もある、水俣病に関するドキュメンタリー作品
水俣病についてはジョニーデップが写真家役で出たMINAMATAを観た時も、知らないことが多いなぁ、と思ったが、この作品を観て、さらに多くの未知の事実を知れた。
・補償問題はいまだ根本的解決には遠い状況が続いている
・患者認定制度の基準としてきた「末梢神経説」が否定され、「脳の中枢神経説」が新たに採用された
・国も県も最高裁の判決を無視して依然として患者切り捨ての方針を続けている
など、現在進行形なんだと改めて知れた。
小児性水俣病患者・生駒さんの大変さ、90歳過ぎても新たな裁判闘争に懸ける川上さんの気力、胎児性水俣病患者・坂本しのぶさんの恋する乙女心、など見所満載のドキュメンタリーだった。
3部作で途中2回の休憩含め6時間半もあり、長いんだけど、引き込まれてそれほど長さを感じなかった。
観賞後原一男監督と島野千尋プロデューサーが登壇されトークショーがあり、広島の被爆者との共通点などを質疑応答出来て良かった。
長い作品なので、観る勇気が必要だけど、ぜひ多くの人に現在進行形なんだという事を観て知ってもらいたい作品です。
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