「ホットチョコより熱くて、胸の中にあるもの…現実を捉える命を吹き込む!デルトロらしさを堪能できる手作りな魔法」ギレルモ・デル・トロのピノッキオ とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
ホットチョコより熱くて、胸の中にあるもの…現実を捉える命を吹き込む!デルトロらしさを堪能できる手作りな魔法
そのままを受け入れて進む。いい子だから。親から子、子から親への愛。無理に変えようとしなくていい。命とは美しいものだから。起こるべくことが起こって誰もがこの世を去る。けど胸を張って言いたい、本当の自分が好き!!
良心と誘惑、生きることは楽しいことばかりじゃなく痛みが伴うものだ。『ナイトメア・アリー』に続いて"見世物"としてのそれ。きっとより原作の精神に忠実な教訓やメッセージに満ちたダークな面にミュージカル要素。なんて魅力的な造形とストーリーテリングの融合、手作りならではの温かさが毎フレームに命を宿す。生き生きと美しく目を奪われるストップモーションアニメによって紡がれる普遍的な物語に心奪われる心に棲み憑く魔法。みんな大好きギレルモ・デル・トロの自分の中で幻になりつつあった企画、『パンズ・ラビリンス』的でもあって創造の幅に驚かされる。楽しそうだもん。ねぇ、これは何?何に使うもの?いいね!興味津々にそそられる冒険、命の探検へと旅立つ。
父と息子の物語。普通の男の子がいい!甘い言葉…学校に行くよりみんなに好かれたい!ウソをつくとこうなる。どうしてカルロ(息子)のようになってくれないんだ!お前はとんだ重荷だ。署名も書き置きもニコちゃん太陽、パパのことが大好きだし重荷になりたくない。見るもの触れるもの全て新鮮に映る子供らしい純粋無垢な真っ直ぐさが世の中に疑問符を投げかける。自分の都合で、利益のために群がる周囲の大人たち。戦争など間違ったことを間違っていると言えない風潮、誰も疑問を挟みさえしない集団意識。…全財産あげるから、ひと目"息子"に会いたい。ボイスキャストが適材適所すぎる!その一例としてユアン・マクレガーの役柄は、彼がディズニー俳優である中でも、昨今の実写化ブーム火付け役『美女と野獣』や、導くという意味ではかのオビ=ワン・ケノービも思い出すかも?
勝手に関連作品『ピノキオ』『パンズ・ラビリンス』『ナイトメア・アリー』『ジャイアントピーチ』