「反骨精神と精神的成長を持ち合わせたモンスター」ギレルモ・デル・トロのピノッキオ コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
反骨精神と精神的成長を持ち合わせたモンスター
デル・トロさんのモンスター趣味全開で、キャラは不気味さに溢れておりました。
ムッソリーニのファシスト党支配時代が舞台で、国を戦禍が覆っている中の物語なのが、ダークさをマシマシ。
幼い少年らしい我儘で欲望に弱く、すぐ騙されちゃうピノッキオですが、
反面大人が戦時下に決めたルールに盲目的に従わない賢明さを持っています。
その成長しない肉体とは別に、早々に自立し自由を求めるという「精神的成長」を持ち合わせているのです。
これには、独裁者には従わないというメッセージが込められていると思いました。
また、「神が気まぐれに与えたかりそめの命ゆえ不死」という設定があり、これを生かして危機を乗り越える頭のよい子でもあります。
そんなピノッキオの性格と設定が物語の核になっていたため、よくあるおとぎ話の「人間になって幸せに暮らしました」で終わらなかったのもよかったです。
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