「怪作!ピノッキオから人生を学ぶ」ギレルモ・デル・トロのピノッキオ やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
怪作!ピノッキオから人生を学ぶ
実はとんでもない不意打ちの傑作なんですけど、ギレルモ監督風味を表現する上で、「怪作!」とさせていただきました。
私、ギレルモ監督作品はパンズラビリンスからのファンで、特に彼の「異形のモノ(=クリーチャー)へのこだわり」、「残酷描写(グロ耐性必須)」など「そこはかとなくエロ(笑)」などなど、嗜好的にツボでございます。
今回なぜだか知りませんが、かつてディズニーがアニメ化したピノキオをリメイクするということで、これは原作寄り(原題はピノッキオらしい)に作り直すのかなと考えてましたが、ミュージカル的な演出もあることから、ディズニーへの敬意もしっかり取り入れている様子でした。精霊もきっちり青くてキモチ悪・・・ネタバレはやめておきます(笑)。
ただ、原作やディズニーとかなり違うのは扱うテーマが多数あり、より大人向けの物を含み、かつ内容が海の底ほど深いのです。無論、「正直であること(良心について)」を筆頭に、「死生観」「かけがえのない友情」「父と子の軋轢、そして相互理解」「戦争の狂気」・・・書ききれないものも含めてトータルすれば、まさに人生なのですわ。これを間違いない、確かな教訓と共にきっちりと答えを出す点は本当に潔く素晴らしいと感じました。
そしてこれらをあくまで純真無垢なピノッキオの視点で素直に表現するから、いい歳のオヤジはそのギャップに感涙必至。
大人こそ、そして人の親なら尚更見ていただきたい傑作だと思います。
では。
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