劇場公開日 2021年6月18日

「アクションは明るい場所で」ザ・ファブル 殺さない殺し屋 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5アクションは明るい場所で

2021年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前作に続き、鑑賞。

なるほど1年、人を殺さず過ごせと言われていたわけで、
まだ民間に紛れている本作、前作からさほど時間は立っていない設定だ。
おなじみの面々に変わらぬ毎日。
そこへ割り込んでくる本作のカタキ役は、前作とちょいと毛色が違ってイイ。
おかげで前作では抗争繰り広げる組織の間に立つファブルも
いわば一対一の構図をとる。

そもそも1年間、コロスナ、と言われているのにゴタゴタに巻き込まれてしまう、
その理由を観客に納得、感情移入させるべく用立てるのがまず大変だ。
だが本作もうまく機能しているのではなかろうかと感じた。

アクションは言うまでもなく、一見の価値あり。
それを見ずして、どこを見る、である。
しかも前作では最後、大詰めが薄暗がりで見づらかったが、
今回はいずれも真昼間でやってくれるので、なんとも明らか。
迫力もろとも、キレとスピード感がマシマシ、
アンビリバボーの連続である。

あっけなくお亡くなりになった準レギュラーを含む、本作も死人多め。
その中でも埋もれぬ車椅子ヒロインの迫力もまた見どころだった。
むしろ主役は彼女だな、と感じている。

しかしながら前作同様、血みどろ、ゲスいはずも
なにか、どこか、浸りきれずに漂う清潔感は堤さんでさえそうなのか、
と、不思議でならない。
そして「ちょっとひょうきんなおじさん」」のイメージがあった堤さんは今後、
その芝居をすればするほど私の中でサイコパス化すること間違いなしとなった。

N.river