「ガチの原作好きレビュー|ラストシーンの意味や原作との相違点も紹介」ザ・ファブル 殺さない殺し屋 erimakiさんの映画レビュー(感想・評価)
ガチの原作好きレビュー|ラストシーンの意味や原作との相違点も紹介
原作のみならず、南勝久の漫画は出世作「ナニワトモアレ」から愛読しているガチのファンです。
映画化第一作のレビューでは「設定借りただけのイケメンパラダイス」なんて辛口のコメントを残したけど、今回は格段に良くなっていた印象。
※ちなみに今回のストーリーは漫画だと9巻~13巻にあたる
最初に残念な点から言うと、終盤の白昼堂々ド派手な銃撃戦。(原作にはない)
お馴染みのわちゃわちゃバトルである。
なんでいつもこうなるの笑
これが暗殺が鉄則である殺し屋同士の戦いなのか・・・?
爆破に合わせて2階下に飛び降りるシーンまでは原作に忠実で「おおっ」ってなった。
しかしその直後、いきなり暗殺部隊がゾロゾロでてきて「またかよ」って。笑
派手にキャッチーに見栄え良くしたいのはわかるけど・・・。
白昼堂々すぎる。こんな派手にやらかしたらボスがサトウを殺しにくるでしょ。
せめて対大勢ではなく、ボーンシリーズみたいな「少人数との濃い戦い」みたいだったら良かったのになあなんて。
ただそれでもアクション自体は非常にかっこよく、冒頭からいきなり引き込まれた。カメラワークといい、岡田准一の動きのキレといい、素晴らしい。
また、基本的なストーリーはほぼ原作に忠実な流れなのに加え、役者の持つ魅力もプラスされてパワーアップしていた感がある。
堤真一はコミカル、シリアス役、何でも安定するけど宇津帆のようなド悪もハマる。
平手友梨奈も味が出ていた。地の顔立ちが哀愁のようなものを感じさせ、闇を抱えたヒナコのような役にも馴染んでいたように思った。
特に素晴らしかったのは山奥でのクライマックス。
原作に忠実な流れではあったが、
・地雷の爆破シーンの迫力と緊迫感
・宇津帆の原作を超えるほどの悪役っぷり
このあたりは原作並、いやそれ以上だった。
前作からは一転、総じて好印象でしたね。
【エンドロール後のラストシーンについて】
これは間違いなく最終章につながる流れ。
脳の解剖図にフォーカスする演出は、最恐の殺し屋の1人「山岡」というキャラを示唆するもの。
この時、ボスを訪問してきたのがその山岡である。
これは同じシーンが漫画にもあるのです。(14巻冒頭)
山岡は脳の一部に損傷があって恐怖を感じられないという、これまで以上にヤバくて濃いキャラクターなのです!
いやー次回作も楽しみ!!
(漫画だと14巻~23巻(最終巻)のストーリー)
【主な原作との相違点】
大きな違いといえば、映画で銃撃戦があったことくらい。
それ以外にも細かい部分をいくつか書きました。
・冒頭のサトウがヒナコを車から助けるシーン。
映画:サトウがターゲットを殺す→車が走り出す→ヒナコに気づく→助ける
原作:殺す→車は止まったまま→ヒナコを放っておく→サトウが去ったあとで車が暴走
・貝沼が死亡する流れ
映画:井崎が貝沼を過失で轢き殺す
原作:貝沼が逃げようとして自分で崖から転落死
・井崎が殺される流れ
映画:貝沼を殺してしまった後すぐ始末される
原作:一連の騒動後(宇津帆が死んだ後)最後の最後でスズキに殺される。
・宇津帆が壁を殴る演出
スズキと手を組んでファブルを殺す契約をするシーン。原作では壁を殴らない。ただ話し合いで互いの決意を述べるのみ。
・原作には銃撃戦の部分がごっそりない
映画:サトウが訪問した部屋を爆破後→銃撃戦→スズキを追う
原作:爆破後→すぐスズキを追う流れ
子供がジャッカル風船を追うシーンも映画オリジナル。
今回は映画も良かったけど、漫画はもっと面白いと個人的には思うのでおすすめですよ。
(今回のストーリーは9巻~13巻)