「自分だけが正常で周りが異常な時、それは君が異常なのだ」ウィッカーマン final cut 冥土幽太楼さんの映画レビュー(感想・評価)
自分だけが正常で周りが異常な時、それは君が異常なのだ
「村人全員狂ってて、自分だけが正常」
というシュチュエーションホラーの傑作。
そんなシチュエーションに投げ入れられたときに、
僕の頭には「じゃあ正常とはなにか?」という
ひとつの疑問が湧き起こる。
その主観的で曖昧極まりない概念は、
よその文化や常識では全く通用しない、
極めて脆弱な装飾にすぎないのではないか、と。
例えば宇宙人に対して、
こちら側が分かり合えると思っていても、
あちら側は食料としてしか見ていないかもしれない。
(プロメテウス、遊星からの物体 X)
自分の周りが悪魔だけだとしたら、
自分が異端者扱いされてしまう。
(ローズマリーの赤ちゃん)
テキサスの片田舎に行っただけで、
当たり前のように殺される。(悪魔のいけにえ)
僕はこのような、
絶対的なコミュニケーションの不可能性にこそ、
ホラーの特質がある気がする。
そういう君の悪さ、救いようのなさ、が如実な作品だと思う、
しかし本作はそんな堅苦しくまじめ腐った見方なぞしなくても、なんとなくアホらしくて、いい感じにイカれていて、浮かれ気分でお祭り騒ぎな楽しい映画!!
まさにカルト!!
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