音響ハウス Melody-Go-Roundのレビュー・感想・評価
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近所で働いてました。懐かしく拝見
かつて、映画.comのオフィスは新富町にありました。その近所にあったのが、この映画の主題である音響ハウス。そう言えば、近くにあったトンカツ屋「かつ銀」で、YMOの3人と遭遇したことがあります。この映画に登場する矢野顕子さんの話で、音響ハウスでのレコーディングと「かつ銀」での食事がセットになっていたことが裏取りできました。日本の名曲の数々が、ここから生み出されていたんですね。知らなかった。そして、懐かしかった。
レコーディングスタジオ
銀座にあるレコーディングスタジオ「音響ハウス」の歴史と、ミュージシャンやエンジニアたちの思い入れを取材したドキュメンタリー。 レコーディングスタジオは世界的な有名所が映画になっているが、日本のスタジオは知らなかった。 気持ち良く仕事ができるところがいいのはよく分かる。
忌野清志郎の歌声に涙・・・
まるでコロナ禍の中でのリモート配信みたいな分割画面のメロディなんとかという曲。途中で『戦場のメリークリスマス』のタイトルバックが映し出されたのでビックリもした。眠かったので、いきなり映画館ごとテレポートしたのかと思った。 ミキサー室のコンソールを見るだけで興奮しがちでしたが、74年に設立されたということは、アナログからデジタルへの転換期があったのだろう。音楽シーンでも80年代のデジタル革命は画期的だったし、そのターニングポイントなんかを描いてくれたら良かったのにな。YMOもテクノだけど、最後のアナログシンセバンドなんだろうし・・・ 終盤では13歳のHANAちゃんの曲が中心。アレンジもどことなくアナログ感あふれていたけど、ベーシストが映らなかったからそこだけは打ち込みなのかな? カッコイイ!と思ったのは4人のホーンセクションの音が左右にパンされるところ。これは生演奏でしか出せない。そして葉加瀬太郎の職人芸。また、ONKIO HAUS という綴りもドイツ語っぽくてかっこいい。そんなとこかな。実際、スタジオとしての経営はうまくいっているのか?変なところで気になってしまいました。銀座だし・・・
音響の良い映画館で聴くと最高です
音響ハウスというレコーディングスタジオの話。 ここでで育った歌手、演奏者、作曲家、編曲家、・・・など、インタビューと音楽を交えて聴かせてくれる。 佐橋佳幸、飯尾芳史の2人をメインに、YMOの坂本龍一、高橋幸宏、矢野顕子、佐野元春、松任谷由実、大貫妙子、葉加瀬太郎など大好きな人達がたくさん出てきて嬉しかった。 音楽好きな人にはオススメです。 13歳のHANAという歌手の曲をレコーディングしてる風景が有り、良かったので観賞後Melody-Go-Roundを購入しました。
音楽で遊ぶ
才能あるおじさんとおばさんが、よってたかって楽しく真剣に音楽で遊んで、一曲が作り上げられていく様が見られる作品。 80年代の音楽に詳しい人はとても楽しめます。 テレビ放送でも可能なドキュメンタリーですが、映画館という特別な空間だからこそ“音”自体をきちんと鑑賞することができたと思います。 「はっ!」とするシーンが多々あったし、リズムをとってしまう場面もいくつかありました。 最後のインタビューで、ずっと後ろの機材にピントが合っていた為、違和感で会話の内容に集中出来ませんでした。 残念。 すみません。 実は途中で寝てしまいました。 エンドロール後におまけ映像が流れました。 音楽に携わる人達は、活動の場が限られて大変な時期だと思います。 応援したいと改めて感じました。
「音響ハウス」の存在の意味を真に理解した
これは1970~80年代に数々の名盤を生み出した東京・銀座のレコーディングスタジオ「音響ハウス」にスポットを当てたドキュメンタリー。 本作のためのコラボ曲「Melody-Go-Round」のレコーディングからマスタリングまでの工程をとらえた映像を縦軸にして、ゆかりのアーティストやプロデューサー、エンジニアなどのインタビューを挿入するスタイル。 坂本龍一、松任谷由実、松任谷正隆、矢野顕子、佐野元春、葉加瀬太郎たちの心のこもったコメントに熱くなった。 そして何より「Melody-Go-Round」の完成までの過程に感動した。 作曲したギタリストの佐橋佳幸とレコーディングエンジニアの飯尾芳史により作業が進められる。高橋幸宏、井上鑑、佐橋佳幸によるリズムセクションからスタートし、葉加瀬太郎のバイオリン、村田陽一、本田雅人、西村浩二、山本拓夫によるホーンセクションが加わる。作詞は大貫妙子。彼女がHANAのヴォーカルのディレクションを務め、コーラスを加えた。 ミキシングの過程で佐橋と飯尾の音楽への思いを知った。グランドフィナーレでマスタリングされた完成品に浸った。このとき「音響ハウス」の存在の意味を真に理解した。 ホント音楽って最高‼︎ 大好き‼︎
【日本のポップミュージックを作り上げてきた人たちが、愛し、集い、名曲を生んできた魔法の館の物語。ナイアガラ世代(~20年後位までの人)にはタマラナイ、ドキュメンタリー作品。】
ーこのドキュメンタリー作品で、「音響ハウス」への熱い思いを語る面子が凄すぎる・・。- ・所謂ナイアガラ世代と言われる、1970年代後半から現在まで、活躍しているミュージシャン勢揃い感が半端ない。 私は、その世代より二回り半程後の世代であるが、学生時代にナイアガラ世代のミュージシャンが作った名曲の数々や、YMOにも嵌って、頻繁に聞いていたため、大変面白く鑑賞した。 ・各ミュージシャンが熱く語る自分にとって、「音響ハウス」が如何に大切な場所であるか!と言う言葉の数々。 あの、”教授”が「音楽図鑑」製作中は”「音響ハウス」に住んでいた”と、楽しそうに語るのである。 ・戦場のメリークリスマスの冒頭シーンが流れた時には、”もう少し流してくれ!”と思ってしまったよ・・。 ・個人的には、「音響ハウス」の多くの機材を1975年入社!以来、40年以上、ルーティーンのような生活スタイルを崩さずに、守って来た遠藤誠さんの姿が”職人”のようで、眩しかった。 正に、”陰で日本のポップスを支えてきた人”である。 ・唯一の海外ミュージシャン David Lee Rose(ヴァンヘイレンのボーカルである事は、知っているよね!)が、誇らしげに「音響ハウス」の素晴らしさを語ってくれたシーンは、日本人としてとても、嬉しかったな。 <ナイアガラ世代のミュージシャンや、YMOに遅くに嵌った者ではあるが、非常に面白いドキュメンタリー作品であった。何よりも「音響ハウス」について、熱く語る多くのミュージシャンの姿が印象的であった作品である。> ■蛇足 パンフレットについている、ドキュメンタリー作品中でも製作過程が描かれる 「Merody Go Round」がとても、素敵な曲である。 ボーカル:HANA(13歳‼の女の子) ギター・作詞:佐橋佳幸 作曲:大貫妙子(曲の感じが分かりますね) ドラム:高橋幸宏 キーボード:井上鑑 バイオリン:葉加瀬太郎・・・
まず、はじまってすぐの高橋幸宏さんのドラムがすんごい。1音1音に意味があるドラム。
東京の名物レコーディング・スタジオのドキュメンタリー映画。 関係者のインタビュー & 新曲のレコーディング風景を軸にした内容。 アーティストやジャンルの歴史ではなくスタジオに焦点をあてることで他の音楽映画にはない面白さがある。 録音技術より場所と巡り会いの話。つまりはスタジオの話です。ここは人を選ぶかもしれない。 主題歌の録音シーンはうおっ!と興奮する演奏の連続。これが一流か。 エンジニア飯尾芳史さんと佐橋佳幸さんが演奏を聴くたび嬉しそうにリアクションするのがステキ。 まず、はじまってすぐの高橋幸宏さんのドラムがすんごい。1音1音に意味があるドラム。聴いた瞬間に心臓が止まった。 あれで“音響ハウスは音がいい”という大前提を短的に語い、映画の説得力が確固たるものになってる。 素晴らしい! 坂本龍一、松任谷由実、矢野顕子、佐野元春、大貫妙子、高橋幸宏、葉加瀬太郎、スカパラ初代メンバー……など色んな人が故郷の話をするように楽しそうに昔話を話す。 でも音を語るとき、演奏するときに一瞬だけものすごくアーティストの顔になるのが印象的。 松任谷夫妻のトークが意外と微妙; その直後の葉加瀬太郎がめちゃくちゃ面白いので余計にそう感じてしまいました。 葉加瀬さんの演奏者としての凄さにも気づく。一度は生で聴いてみたいなぁ。 映画全体で演奏の質がほんと高いのです。80年代の猛者達の最高級の演奏。 大貫妙子さんがスタジオに入ってからの緊張感も印象的。みなさんの表情が変わる。これもまた現場の一つの顔か。 HANAさんへのボーカル・ディレクションでブースから歌う例が当然のごとく上手くて、この人が歌えばええやんとまで思ってしまった笑 最後に良い音とは?の質問に各者が答えていく。 佐野元春さんがインタビュアーの目をしっかり見て短的にピシャリと言ったのが素敵だった。 ”いま”の録音シーンはワクワクするし、面白い証言も多数。ただ当時の”映像”がまったくなくて言葉だけで語られるのがすこし残念。 アナログ録音とデジタル録音の違いを話す人も多いんだけど、せっかくなら映像(音)としての比較を聞きたかったなぁ。 80年代の音楽シーンの空気も伝わってくる。 CM音楽が重要な意味を持ってたのが自分としては新鮮で。 大学で音楽社会学を学んでたときも、教授がCM音楽について色々と語って意味がようやく理解できたかも。 この頃の感覚だったんだな。 普段見れない現場や空気を覗き見れる。 なにより新曲の録音過程のワクワクがたまらない! 音楽好きにはオススメしたい一作。 HPに載ってる色んなアーティスト/関係者からのコメントがまたステキ。 特に清水ミチコさんの「ミュージシャンの才能に、磁場が加わると、とんでもない作品が誕生するという魔法。」 なるほど磁場か。
一流の音
一流の音ってこうやって作られるのかということがよくわかりました。いくらミュージシャンが頑張って仕事をしても、録音された音って最終的にはレコーディングエンジニアの腕にかかってくるのですね。信頼できるスタッフ・ミュージシャンたちと仕事ができる幸せ。ユーミンの「家で何回歌っても決まらなかったボーカルがここで歌ったら一発で決まった」という言葉がすべてを表してます。機材の進化とともに宅録とかが簡単にできるようになっても、こういう場所は重要であり続けるのでしょう。
感動!
学生時代から今も聴いている、あの曲・アルバムが制作されていたの、ここだったんだ!東京勤務時代によく近くは通っていた場所にあったとは…。音響ハウスって名前も良いなぁ。ストーンズの映画ワンプラスワンを観た時も制作過程を覗き見たような気がしてワクワクしたけど、この映画にも感動しました!
『ドクターデス』の責任者一同はこの映画を観て欲しい。
あたたかみのある真面目で潔い精錬された映画だった。一流に触れるってこういうことなんだろうと。メンテナンスのエンジニアさん、こういう人に出会えるには日頃からどうやって生きればいいんだろうかと一個人として愕然としてしまった。 あと、余談ですが、角川の有楽町の映画館の劇場主さんは、家電量販店さんからのエスカレーター上がりきってからの案内がプツリと切れているので、導線が初見の方にはとってもわかりにくいのです。連携して迷わせないように工夫してほしいです。
肉
ラジオでフランスの食事情の話。 薄切り肉がないからしゃぶしゃぶが出来ない、でもその隣で薄くスライスされた生ハム売ってんじゃんって、熱く語っていた葉加瀬太郎さん。 そもそも、バンドデシネの翻訳家の方がゲストで、フランスカルチャーの話がメインのはずが、食の話の方が頭に残る番組だった。 翌日音響ハウスのドキュメンタリーを鑑賞。音響ハウスへの饒舌な語りとスタジオで演奏する姿が素晴らしく気持ち良かった。 語りも演奏もさすがのパフォーマンス、肉パワーだろうか。 というのも、自室にステーキ肉などを入れる専用冷蔵庫があるって聞いた記憶があるだけに、見るたびに肉が頭に浮かぶのだ。 映画は相当に豪華な顔ぶれ、スタジオの昔話とかミュージシャン談義はともかく、スタジオで音が生まれる瞬間の話や、スタジオの職人達の話などは興味をそそられた。 そして、この作品の為に作られた曲のレコーディング風景が全編に渡って織り込まれていて、この過程と仕上がりが観られるのも面白い作品だった。
音が音楽になるまで
音が音楽になる瞬間を、関係者になった気分で楽しめる体験。 音を重ねていくだけでも音楽はできるが、そこにスタジオが加わったときに不思議な魔法がかかるのだ。 こんな時代ですが早くミュージシャンの方にはまたスタジオで音楽を作ってもらいたい! とつい思っちゃう素敵作品。 出来上がった曲とボーカルの女の子が最高でした。
アビー・ロードなんか知らないよ!
ざっくり言うと、70年代以降、いわゆるニューミュージックという呼び名でくくられた、素敵な音楽たちが生まれたスタジオのドキュメンタリー。(ギョーカイの)我が世代の友人たちよ!絶対見ろ! ジジーババーになったアーティスト。連中のカッコいい現役っぷりハンパじゃあない!
大切にしたいスタジオ
打ち込みが主流になってきた今だからこそ、大切にしたいレコーディングスタジオ。豪華メンバーによるレコーディングの過程だけでも必見ですが、主役はこのスタジオに関わってきた裏方のエンジニアの皆さん。 数々の名演奏、名アルバムの影にはこういったエンジニアさんや音響ハウスのようなスタジオあってのことなんだと改めて感じた作品でした!
公共性(public)としてのスタジオの存在価値
ひとつの新曲がスタジオ(音響ハウス)で制作される過程を通じて、intervieweeが音楽制作への情熱を語り合う音楽愛あふれるドキュメンタリー。 一般の人がSNSで不特定多数に自分の思いを発信できるように、音楽についても今はPCやDAWソフトがあれば簡単に音楽(DTM)が作れて発信できる時代。 供給過多かつ玉石混交の音楽業界で、プロフェッショナルが差別化しマネタイズするのはますます困難になっていくのは映画業界も出版業界も同じ。 あれだけのミュージシャンを集めて曲を作る(なんと贅沢な!)なんて、こんな映画制作の機会でもない限り今どき無理な話かもしれない。 日本のポップミュージックを牽引してきたミュージシャンや制作者たちが絶賛するスタジオ「音響ハウス」。音響設備は当然のことであろうが、ここに集まるミュージシャンや制作サイドの職人たちに吸い寄せられる「公共的空間(public space)」としての価値の面も大きかったのだろう。 2000年頃から新自由主義経済の名のもとに公共的な場や中間共同体を破壊してきた日本。 往年のビックアーティストのコメントからは「昔は良かった」との声が聞こえてきそうだが、彼らから懐古主義的な後ろ向きのコメントは一切ない。 今の時代にこそ音響ハウスは必要な場としてこれからを担うアーティストのためにも存在して欲しいとの思いが強く伝えってくる。 偶然の出会いから生まれるアイディアやコラボレーションがさらに新たなイノベーションを生むエコシステムとしてこれからもどんどん新しい作品を世に出していって欲しい。
ケミストリー
予告編で、坂本龍一が「音響ハウスが残っているのは、贅沢なことなんです」と語っている。 この映画では、いろんな人のいろんな意見が出てくるし、ミュージシャンによって利用法は様々らしいのだが、“特別な場所がある”ことへの賞賛という点では共通していた。 このアナログ時代から続くスタジオを扱った映画を見終えて、逆に浮彫になるのは、最近は自宅で打ち込みで作るなど、音楽作りが様変わりしているらしいことだった。 音響の良い広い空間があって、そこに人が集まり、“ケミストリー(化学反応)”が起きて、その時その場所でしか生まれ得なかったサウンドが録音される。 客の前でやる一過性のライブ演奏とはまた異なる、ラボにおける“化学実験”である。 好むと好まざるとにかかわらず、昔はそうせざるを得なかったのであり、一長一短あるだろうが、昔の音楽の方がどこか危うい分、“豊か”であると感じるのは自分だけだろうか? そういう現象は、音楽だけではない。今でも映画作りなどはまさにそうであろうし、黒澤明は「一人で書くと一面的になる」と脚本も共同で書いたという。 コロナ禍で「リモートワーク」がもてはやされるが、物事はそう簡単ではないのである。 (ちなみに、“ケミストリー”は、バスケのNBAでは頻繁に使われる言葉である。) それにしても、座席位置にもよると思うが、今日初めて気付いて、びっくり仰天したことがある。 「ユーロスペース」の音響があんなにも良いなんて(笑)。
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