「一殺多生」犬部! akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
一殺多生
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現実から乖離してないフィクション
犬たちが主役、というわけではない。あくまでも人間たちが主役なのは仕方ない、人間たちが人間のために作った映画だから。でも、動物と人間について常に考え続けてきたひとたちのひとつの結論がここにある。
避妊手術は仕方ない。人間の飼育下では、自然環境より何倍も繁殖してしまう。繁殖してしまえば生まれてきたものを全て飼うことはできない。それは犬たちにとっても人間たちにとっても幸せな世界ではない。
主人公が許せなかったのは、殺処分にされる犬が、学生たちが勉強するための動物実験の献体にされることだった。
学生が獣医師になるために必要なプロセスであるとされていた。その犬は、ほかの犬を助けるために犠牲になるという考えかただ。
主人公は、開業医の手術に何度も立ち合い、それを詳細なレポートに起こして提出することで、動物実験に参加することを回避した。
そして彼が許せなかったことがもうひとつ、動物愛護センターで飼い主のみつからなかった犬は、殺処分に回される。子犬は、ほぼ貰い手がいるらしいが、成犬や老犬は、安楽死の道があるのみだ。
人間にも通じる生命の尊厳の問題がここにもある。
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