「保護活動を通じて人間は成長する!」犬部! 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
保護活動を通じて人間は成長する!
人類と犬、猫、動物とは常にお互いを高め合い、癒しあう関係だと思います。経済動物でさえもそうです。そして、ソウルメイトとしてその飼い主の元に動物たちは願って生まれてきます。林の熱いくらいの1匹も殺すことのない世界の創造を目指す気概は、とても立派だと思います。ただし、ここでは食されてしまう動物は、また違った使命を持っていますので触れてはいません。この映画は主として人間に寄り添うペットの話です。中川は途中で挫折しますが、再び保健センターの所長を目指し、殺処分の激減を目指します。この心意気だってすごいです。この映画では殺処分については極めてソフトに表現しているとは思いますが、入って一日目、二日目と場所を移動していきます。最後の日にはガス室に入ります。機械が動物たちを追い込んでいって、閉じ込められたガス室で息を引き取ります。今では注射のようですが、もし自分の愛するペットがそんなことになったら狂いそうでした。今では殺処分は老いたもの、病気のもので飼い主が手放したものがまだ処分されています。私は最後まで看取った人間ですが、絶対に許したくないことです。それでも、飼っていた保護犬の最後を看取ることができなかった後悔から、また15歳の保護犬を引き取る女性がいましたが、なんて素敵で心が美しいのだろうと感銘しました。ただただ、その犬の最後を穏やかに幸せに過ごしてもらうために引き取るのです。涙が出ます。そして、一番強く思ったことは、自分の愛するペットとの関わり方には正解はないということです。最善を尽くし、最善の一生を共にペットと送ることが、この世で一番清々しい生き方だということを、この映画から教えてもらいました。