「【愛されなくなったペットの犬達の天寿を全うさせようと、二人の若き獣医師が夫々の方法で努力する姿を描く。二人を支える善性溢れる人物達の姿も沁みます。】」犬部! NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【愛されなくなったペットの犬達の天寿を全うさせようと、二人の若き獣医師が夫々の方法で努力する姿を描く。二人を支える善性溢れる人物達の姿も沁みます。】
ー 獣医師になるのに、当時は必要だった”生きた犬”の外科手術を拒み、レポート提出で夢を叶えた漢気と動物愛に溢れる男、花井(林遣都)と、現実を直視し”殺処分される犬の数を0にする”
という志を持ち、敢えて動物愛護センターに就職する柴崎(中川大志)の同じ志を持ちながら、別の路を歩む二人の姿の描き方が良い。ー
◆感想
・金に頓着せず、犬を含めたペットの命を救う事に一生懸命な動物病院を開いた花井と、動物愛護センターに就職した柴崎は且つて、大学の獣医学部の同級生でヒョンな事から2003年に”犬部”を創設した仲間だった。
ー 生体実験用の犬を保護する花井と柴崎の”理解ある教授”(岩松了)への対応の仕方が、二人の未来を暗示している。
又、教授の花井に対する”君は将来の獣医学を変えるかもしれないね・・”と言う言葉も印象的だ。ー
・犬部には、教授の助手で、実験用の犬に2度逃げられるというお人よしの秋田(浅香航大:この俳優さんは、殺人鬼までこなすマルチプレイヤーだが、今作の様な役が合っている気がする。)や
猫部卒業後、ある猫を保護したら、その猫がFIP(猫伝染性腹膜炎:未だに有効な治療法が見つかっていない猫にとっては鬼門の難病)に罹患していて、10匹以上に伝染させてしまった、猫好きのよしみ(大原櫻子)と言った個性的なキャラクターが在籍していた。
ー 彼らの個性が、16年後に”ある事件”が切っ掛けで、再会を果たし、再び動物愛護運動に入れ込んでいくストーリー展開も良い。
◆時は流れ・・。各人が夫々、動物に関わる道を歩いていた・・。
・花井は、開業医で忙しい日々。他の動物病院に断られた案件も、嫌な顔をせずこなす。
ー 助手の女性(安藤玉恵)は、あきれ顔だが・・。彼女が花井に書いた禁止事項10か条は、笑える。ー
・そんな花井が、ある日ペットショップから多数の犬を盗み出し、警察に捕まるところから、登場人物たちの過去と現在が繋がっていく。
ー ペットショップを経営していた初老の男(蛍雪次朗)を、この物語のキーにしている所も上手い。亡き妻の夢を叶えるためにペットショップを開いたが、妻が亡くなりやる気をなくし、ロクに世話もしない姿。ここ十年程問題になっている、ペット処分問題の象徴として描かれている。ー
・柴崎が、理想を持って就職した動物愛護センターを、挫折して辞めた理由が明らかになる所は、沁みる。女性職員(田中麗奈:何だか、久しぶりである。嬉しい。)が語った言葉。
”柴崎さんが来てから、殺処分される犬の数は3割に減りました。けれど、0になる事はなく・・。そんな時、柴崎さんは犬達を散歩に連れて行き、好きなモノを沢山食べさせて上げて・・。最後は一匹づつ抱きかかえながら注射を打っていました・・。”
ー 可なり、沁みてしまった・・。柴崎さん、優しすぎて心が折れてしまったのだね・・。ー
・老犬を飼う事で、不登校が治った女の子が大学生になり、初老の男のペットショップの惨状を花井に告げたり・・。
ー ここも、ストーリー設定が上手い。現在と過去の描き方も自然である。女の子が言った言葉”一番人気がない犬を下さい・・。”それに対し、柴崎が選んであげた”老犬”の最期を見遂げられなかった事を後悔していた彼女が、後年大学生になった時に”初老のペットショップの男が大切にしていた老犬”を飼う決意を自らするという、シンクロニシティも見事である。ー
<動物を愛し、人間を愛する人々の姿を、”人間の本質は善である”と言う思想をベースに描いたヒューマンドラマ。
ラスト、社会復帰する決意をした柴崎が"もう一度、動物愛護センターで働く"と花井に告げ"笑いながら"止めないのか?"と言った後、二人が一切振り返らずに別れるシーンも良い。
理解ある教授が花井と柴崎に語った
”一殺多生”と言うも、印象的であった。>
◆堺雅人さん主演の「ひまわりと子犬の7日間」を、少し思い出した・・。
NOBUさん、コメントありがとうございます。
TV版「動物のお医者さん」
2003年の制作です。 18年前かぁ…
ハムテル =吉沢悠
二階堂 =要潤
漆原教授 =江守徹
他、チョビ、ミケ、ヒヨちゃん etc
原作も好きですが、TVシリーズも好きで
毎週観てました。
配信や円盤含めたら何本になるかわかりませんwただの暇人てすね(~_~)
私なんかただのやっつけ感想文的備忘録てすから、そんなお話に挙げていただいていたとはお恥ずかしい限りです。
こちらこそ宜しくお願いします!
2人の関係も絶妙でしたし、女の子も素晴らしい「理想」に向かって進みましたし、とても良かったですね。
私が観たのは120席ぐらいの劇場で客入1割ぐらいでしたけど、ジュルジュル周りに迷惑かけてないか何度か見回してしまいましたw
花井と柴崎の友情は良かったですね。
私には花井は理想主義すぎて危なっかしく見えましたが、柴崎の選択も厳しい選択でそんなことして心が心配になりました。
おふたりとも良かったですね、、