いとみちのレビュー・感想・評価
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パンフレットに完成台本が載ってるよ
原作は未読なんですけど、『陽だまりの彼女』の原作者なので、きっと優しい作品だろうなと思って観たの。
そして、思った通りの優しい映画でした。
高校生でバイトをしてないと、学校と家庭が世界の全てになってしまいがち。
そこに息苦しさを感じてしまう子も多いでしょう。
そんな時に違う世界を知る事が出来ると、知らなかった物を見れたり、今まで目を背けていた物を見つめ直す事が出来たりする。
それで、この映画のいとの場合、メイド喫茶で働く事で、同僚たちの生きざまや優しさ、あとは世間の厳しさも感じる事が出来た。
それがあって、目を背けていた三味線への思い、そして母の事に向き合う事も出来た。
この映画のクライマックスシーンは、当然津軽三味線のライブのシーンなんですけど、その前の幸子に髪を梳かして貰うシーンが、ある意味でクライマックスだと思うんです。
私は成長物語を観る時には、ハッピーエンドを期待するので、主人公の笑顔を見れると嬉しくなります。
でも、この映画の場合は、主人公のいとの涙が見れた瞬間が一番嬉かったかな。
あのシーン好き。
それから、この映画についてもう一点付け加えたいのが、パンフレット。
完成台本が載ってるんです。
気になる台詞が有ったら、パンフレットを購入してみたらいかがでしょう。
映画を観たあと、関連動画(宣伝番組等々)をYouTubeで観て、さらに楽しめました
いい映画。
少女の成長物語。
成長物語でなくとも、女子の少女時代を切り取った映画は輝いてて、夢のようで 大好きですが、特に、この『いとみち』。
観れてよかった。
この映画に巡りあえて、幸せだなあと思った。
シングルマザー役の黒川芽以さんが、いとの髪をとかすシーンが好き。あと、岩木山の山頂のシーンも大好き (思い返すと、どのシーンも全部好きだけど……)。
映画を観たあと、YouTubeで青森放送の映画宣伝番組を観ました。
そのなかで、祖母役の西川洋子さんが、『映画で ででくるアップルパイ。リンゴ(=いと)を、ふんわりと、でも、しっかりと包んでいるパイ生地のように、周囲の人達(父親の豊川悦司さんや、祖母の西川さんや、メイド喫茶の人達)が、不器用ないとを優しく包んでいる……、そんな映画ですよ』とおっしゃってました。
祖母役の西川洋子さんは、高橋竹山さんの最初のお弟子さんなんですね。
たたずんでいるだけでも、雄弁で存在感があり、優しくて…… ほんもの でした。
そして、津軽三味線。
『ナビィの恋』を思い出した。津軽三味線も沖縄の三線も、土地にずっとねずいてきた音は、そして、それを奏で続けてきた人達は、圧倒的に、そして、普通ですごい。
主人公、いと役の駒井 蓮さんも、この映画で初めて知りました。自分の殻に閉じ籠ってる役だけど、顔も表情も豊か(何度も笑った)。津軽三味線も全く違和感なくて。
岩木山が見えてる日常。
去年、岩木山に登ったので、山頂も見たことのある景色でした。
本当にいい映画だった。
自然な雰囲気で入ってくる
駒井蓮さんが主演
内気な高校生を演じてる。
お父さんは、トヨエツだ。
お母さんは早くに亡くなってる。
祖母は、津軽三味線の方
イトちゃんも自然に覚えてがいまは、やってない。
そんなイトちゃんがはじめたメイド喫茶のバイトから
おりなす青春ドラマ。
店のオーナーは古坂大魔王だ!
津軽三味線の軽快なリズムと自然な感じが
すきだ!
三味線をもっと聴きたかったなー
原作が大好きで、映画化の知らせに狂喜乱舞してクラウドファンディングまでした(笑)
実際、原作モノはハズレが多いし、好きな原作ほどハードルが高くなりがちなので、ここは津軽の風景と三味線の演奏シーンだけ観れればいいや、くらいの気持ちで映画館に足を運んだのだが…
いやいやどうして、期待値を遙かに上回る素敵な映画だった。
丁寧に創り込まれた脚本、丁寧な演出に丁寧なカメラワーク、そしてそれに応えるキャストの抑制が利いた上質な演技が画面から目を離せない幸せな2時間を与えてくれた。
まず主演の駒井蓮がとても魅力的。
序盤のおどおどした表情は"ブス"にさえ見えてしまうのに、徐々に少しずつ表情が軟らかくなり、クライマックスの三味線の演奏シーンでの柔らかい表情は本当に美しく魅力的。
でも実は、このシーンの表情は原作とは違うんだよね。
原作ではいとは相変わらず目を堅く閉じて歯を食いしばる必死の形相をしているのだけど、それは原作の中ではこのシーンでいとがこの表情で三味線を弾くことにちゃんと意味があった。
なので映画のいとの演奏シーンでの表情は本当に魅力的だが、それだけではこのシーンは浮きまくっていたはず。
でも、脚本がちゃんとこのシーンに繋がるように編まれていて、しかもそれが原作のイメージと乖離していないのが凄い脚本だ、と思った。
そしてそれに応える駒井蓮も、良い女優だなぁ。
あの親子喧嘩での怒りの形相には気圧されたもの。
豊川悦司は、やはりこの映画を引き締めている。思春期の娘との、ちょっとぎくしゃくした親子関係という空気感を、仕草ひとつで纏うなんて、いつの間にこんな上手い役者になったのか(^-^*)
いとの祖母のハツエ役が女優ではなく本物の津軽三味線奏者と聞いた時は「制作陣は分かってらっしゃる!」と大喜びしたのだけど、期待以上にちゃんと「女優」していた。素人っぽさはまったく感じなかったもの。
セリフは強烈な津軽弁でほとんど分からんかったけど、ハツエのセリフは原作でも記号で書かれていてさっぱり分からないので、これで良いのだ。いやこれでなくてはならないのだ(笑)
数少ない不満点を挙げるとすれば、映画は焦点をいととその家族に絞ったのは分かるが、智美がちょっとおざなりだったこと。
良いキャラで好きなんだがなぁ。
「おかえりなさいませ、ご主人様」の練習シーンとか、「なにその萌え記号の詰め合わせ、あんた超人か」の名セリフとか、智美関連の好きなシーンやセリフがあらかたカットされてるのは悲しい(笑)
イトテンキョーのエピソードも、原作だと後にいろいろ繋がってくるのだけど、青木の英雄シーンも見たかった気はするけど、まあ尺に収めるには仕方ないのか。
それともう一つの不満点は、三味線の演奏シーンが少ないこと(笑)
特にハツエの演奏シーンが足りない(笑)
ヴァン・ヘイレンはともかく、津軽じょんがら節くらいはたっぷり聴かせてくれるものと期待していたのに(笑)
いとの「エデンの少女」も、ああもうちょっと聴かせてよ!ってなった(笑)
原作ではすごく書き込まれた三味線のセッションのシーンが多いのだけど、いととハツエの競演シーンももうちょっと観たかった。
DVDの特典映像にでも入れてくれないかなぁ。
まあそれもクライマックスのいとの演奏シーンで少しは溜飲を下げたけど(笑)
あのシーンは本当に良かった。1年やそこらの練習であんなに弾けるものなのだろうか。
というわけで、ほぼいちゃもんのような不満を除けば文句なしの良い映画だったのだけど、惜しむらくは宣伝費をもっとかけられたらなぁ。上映館も少ないし、もっと多くの人に観られても良い映画なのになぁ。
みでけろ(笑)
青森が舞台だから、終始津軽弁
さすがに東北出身だから、7割ぐらいはニュアンスでも伝わるけど、
単語はさすがにわからないのがあるのと、声が小さくて聞き取れないとこあったけど😅
個人的には字幕があったり解説があるよりも、無い方が自然な会話だから、より入り込めたかなぁと。
後半のお客さんのセリフでおじいちゃんが『人生なんて不確かなものだべ』っていうのが、個人的にも今の心情と重なってしまって泣けてきた
祖母の三味線の演奏はもちろん、一番聞き取りやすい方言(笑)
すごく懐かしい感じになって、実家思い出す感じ
そういう面もあって、何気ないことでもいろいろ考えたら、割りと泣けてきた😭
ご当地映画な感じになりがちだけど、地方で暮らす、メイドのシングルマザー、漫画家の夢を持つ女の子、勉強は出来るけど貧しい女の子とか、
地方の抱えてる部分が出てて、
方言を話さない、父親が東京の目線を代弁するようなセリフ『メイドなんて、いつの時代の話だ。誰にも相手されない男が、クラブに行く金も無いから、カフェに来てるだけだろ』的な、痛いとこつくなぁと
死んだ母親の事は語られないけど、人にはそれぞれ踏み込まなくていいことあるよなぁとも思って
三味線もっとガンガン弾くのかなぁと思ってたけど、そこまでじゃなかった😅
東京出身の、黒川芽以のメイド姿で方言なのが、ものすごく好きな感じ
あと、あの汽車がより田舎感が出てて大好き(笑
M&Aで会社を騙してお金儲けしている人へ!
M&Aで中小企業の株を安く見積もって、高く売るというこすい商売している人にはこの映画の良さは分からないだろうな。発明、イノベーションは心がこもってないと起きない。金儲け目的では、イノベーション、発明は起きない。M&A見たいな、全体を荒廃させる商売は、搾取する商売はエンドレスではない。今のうちに、人を疑い、絶えず騙されていないか、気が気でなく、安心のないお金儲けの不幸な人生を、言い訳して、ごまかし、自分を騙しながら、日本でM&Aが通用しなくなるまで生きてください。私は、その間、自身の心を深め、魅力を育みます。人生はわけわからなくていいんだ。わけわからないまま進んでいいいんだ。生きることを分かって生きている人はいない。わけわからないは最大の魅力だ。何事にも答えがあると思っている人へ。答えなんてないんだ。なんでもいいんだ。あなたはそれでいいのか?私はこれでいい。私が許す!
ご当地映画ではない、普遍的な映画!
母が小さい頃他界し、言葉でコミュニケーションをとるのが苦手な青森の田舎に住む16歳の女の子いとは、弾いている時の格好が変という理由で津軽三味線を辞めていた。ひょんなことから青森駅近くのメイド喫茶でバイトを始めることになり…という話。
ポスターが、若い女の子がメイド服で三味線を持っている写真で、アイドル映画に見えて、豊川悦司さんが出ている良質な映画だとは見えなかったのだけれど、キネマ旬報で3人とも★4つという高評価だったので、拝見した。
青森のご当地映画に見えるかもしれないけれど、メイド喫茶内でメイドの先輩2人にガツンと言われることは、青森とは関係ない普遍的なことで、すごく共感した。
青森空襲記念館のシーンや、三味線の修理のシーンはドキュメンタリー的。私は『風の電話』は、日本の社会問題を詰め込み過ぎだと思ったんだけれど、本作の空襲記念館のシーンは、実際に青森の高校生は学校で見学に行きそうだし、その後のシーンがメインプロットに直結していたから、すごくいい使い方だと思った。
青森出身の主演の駒井蓮ちゃんは、演技をちゃんと拝見したことがなかった。普通の顔と笑顔が全然違って、主人公のいとはほとんど笑わないから、笑った時に観客の感情を揺さぶるインパクトがすごい!
おばあちゃん役を演じた西川洋子さんは、俳優でなく津軽三味線の奏者だそうだけれど、とにかく干した食べ物を持たせるところだとか、温かくて笑えてサイコー!
豊川悦司さん演じるお父さんも、娘をただ見守る表情がよかった。
【わーだば、おもしぇがっだ】
僕は、東北の山間部出身で、津軽弁はある程度理解できるが、本格的なのになると手に負えない。
耕一が、30年津軽に住んでも、津軽弁の全てを理解できないと言っていたが、方言としての成り立ちに他と異なるところがあるのかもしれない。
津軽三味線が奏でる曲は、津軽の厳しい風雪のようでもあり、それに前向きに立ち向かう津軽の人々のようでもある。どこか、タッグを組んで向かって行ってるようにも感じる。
津軽の過去の冷害による飢饉の話など出てくるが、津軽の人達は、団結して困難を乗り切ってきたのだ。
さて、映画は、青森の景気は決して良さそうには見えないし、いとの母親の不在や、内気な性格、メイドカフェの同僚やオーナーのあれやこれや、そして、父親と祖母の見守ってるようで、どうしても口を挟みたくなる揺れ動く中途半端な、いとへの親心などを散りばめて、少し泣けるけど微笑ましい構成になっています。
今は、昔みたいに人々が餓死するような冷害はないだろうし、リンゴみたいな付加価値の高い農作物まであって、まあ、ちょっとは豊かになったんだと思う。
でも、やっぱり、津軽の人達は、助け合って生きているのだなと…。
ユーロスペースの日曜朝一の回に行ったら、観光案内の他に、リンゴジュースをいただきました。
間違いなく加点対象です。
いとも、メイドカフェの面々も、お父さんも、おばあちゃんも、お友達も、みんなえがった。
霊峰・岩木山から眺める風景も雄大で、機会があれば、登山してみたい気がする。
ところで、レビュータイトルは、津軽弁では、「僕は、面白かった」というつもりで書いたのだけれども、合っているだろうか…笑笑。
弾いてるうちにだんだん心も足もひらいていきます
板柳町のリンゴ畑で迷子になったことがあるカールです。
面白くて、暖かみのあるいい映画でした。「おげえりなしぇませ、ごご、ごすじんさまぁ⤴️」が可笑しくてたまらんです。
いと(駒井蓮さん)の祖母ハツヱ役の西川洋子さんは三味線を弾く左手の指の動きが早くてひらひらして、まるでイソギンチャクみたいでした。昔の映画でお姫様役やった女優さんかなと思っていましたが、高橋竹山のお弟子さんだそうで、さすが一芸に秀でた人は何をやってもどっしりしていて凄いなぁと思いました。「か」 とか 「け」以外は難しくてわからなかったけど。あの手作りの高野豆腐の薄いやつみたいなお菓子はなんていうんでしょうか?
メイド喫茶の店長(執事)はいい男だったなぁ。こっちは江戸っ子だから、「しつじ」って言われると、えっ、羊?って一瞬思いました(ウソで~す)。
人間椅子をいつも聴いている変わった娘(ジョナゴールドさん)の部屋で、人間椅子のギターをすぐに耳コピして三味線で弾くシーンがありました。ピンと来なかったですが、西川洋子さんが大学生に津軽三味線は何回も聴いて、伝承で教わると話すシーンがありましたので、いとの天才的才能を分かりやすく表現した場面でもありました。バイトの初任給をお金がなくてギターが買えないっていう彼女にポンと渡すいと。いい娘だなぁ。
人間椅子はイカ天でよく見ました。まだ、活動しているようです。ピコ太郎も青森出身。3年B組金八先生の巡査役の鈴木正幸さんも弘前出身なので、出てほしかったなぁ。
トヨエツは嫌みのない演技に徹していて、安心してみられますので、トヨエツ苦手な人も大丈夫ですよ。
板柳中学校の校庭には、舞の海、高見盛、追風海のノボリバタが飾ってありました。
弘前の人がいうには、津軽弁よりもっとわからないのが青森弁だそうです。
私の後ろのおじさんが最初から嬉しそうに笑っておられました。ふるさとの訛り懐かし停車場ならぬ映写場でした。ふるさとの訛りで迎えてくれるメイド喫茶があったら、きっとこのおじさん行くわ~って思いました。
全体的にポップ
津軽三味線や青森の暗いイメージ(私の勝手なイメージだが)が感じられない、爽やかポップンムービー♪
なにって、お?人間椅子!ってなって聴こえてきたあの曲が、この映画の明るさを表しているように思える。
悪い意味ではなく。
祖母と孫のセッションが良かったなぁ。もうちょっとおばあさんの津軽三味線、聴きたかった。
割と短めの爪にいとみちつけてて、痛くないのかなーって思った。
青森県津軽が舞台
人見知りで内気な津軽弁少女、
メイド喫茶で働くことで徐々変わり行く、
友人や従業員たちとの関わり、
亡き母と家族との蟠り解れる様、
青森の情風景と共に素晴らしく描かれ暖かい終幕、
青森出身主演の駒井連さんの方言は標準語の字幕が必要かも
しっかり練習したという三味線も見事!でした( ^ω^)
面白くて格好良くて優しい
ズーズー弁の恥じらい、滑稽さ、明るさ、熟練さ…あらゆる特徴を存分に楽しむことが出来る。三味線はそれを飾るモチーフです。言葉と言葉、心と言葉、人と人、人と魂…至極ナチュラルなヒューマンドラマを思う存分堪能できました。
音楽、三味線、雰囲気、すべてが優しくて格好良くて、じんわり心に響きました。笑って、そして泣けました。
正直全然注目していなかった作品ですが、興味本位で見たら思いっきり感動。しかも三味線なくてもいけるとまで思えたし─。個人的には、予想外の掘り出し物立ったような気がします。
我慢しなくていいんだよ、いと。
「聞き取れるようになるまで30年かかった。津軽弁全部聞き取るのは、今も無理。」と、東京生まれの父は言う。まさに、容赦なく津軽弁で喋りまくるこの映画のセリフを全部理解するのは無理だった。だけど、だからと言って標準語に寄せた言葉でこの物語を観たならば、けして同じ感想を持たなかっただろう。これは、津軽弁だから良いのだ。ここまで津軽弁を押し通す潔さに、津軽に生きる本人たちだと感じさせてくれる。せっかく、その言葉の持つニュアンスや柔らかさとかあるのだから。東京から来た、もしくは東京で住んでいた者たちだけが、都会と地方の隔てられた壁の存在をあらわすために標準語を使うからこそ、津軽弁が活きる。それは閉鎖的という意味ではなく、地元に根付くアイデンティティの象徴として。たとえ、スマホを使いこなしても、メイド服をまとっても、まごうことなき津軽人なのである。
そこにいるのは、弘前の高校に通い、青森市までバイトに出かける高校生いと。いい名前。亡き母は、さぞ三味線が好きだったのであろう、さぞ娘にその思いを託したのであろう、という熱い思いが伝わってくる。その母が後ろ姿と遺影でしか登場しないがゆえに、幼い娘を残して先立つ無念さというものが伝わっても来る。母の思い出を語らない(深い悲しみのゆえに語れない)父と祖母がその印象を深くする。いとは、今の自分の居場所と将来を迷い悩んでいる。自分なりに前を向き、何かを試し、そして、自分の得意技で勝負する。その過程が若々しくて好感しかない。距離を置いていた家族とも、自分から歩み寄る。時に、自分の技で。時に、相手の土俵で。"雪解け"と"融和"。それは、いと自身が成したことだ。なんていい子なんだろう。こうして、いとは、この先も一つ一つしっかりと成長していくのだろう。
父役の豊川悦司は当然のこと、バイト先のシングルマザー役の黒川芽以が見事。なにより、祖母役の女優は何者なんだ?と刮目した。津軽弁は青森出身ならまだしも、役者にしては三味線が上手すぎる。逆に三味線のプロだとするなら、孫を愛するその演技はとても自然体で特筆ものだった。・・・・と、ここまで書いて、ならググればいいか、と検索してみて驚いた。なんと高橋竹山の最初のお弟子さんだった。やっとここで「津軽のカマリ」にも出てたのをうっすら思い出した。あの竹山のスピリットを受け継いでいるんだもの、上手いわけだよ。ずしんと来るわけだよ。苦労人の竹山を見てたんだもの、演技だって情が通うはずだよ。もう一度、"竹山の弟子"という視線で、この映画を観たくなった。
ちなみにこの映画を新宿で見たが、周りは平日のせいもあり高齢者ばかりで結構な入り。こっちがわからないセリフでも、よく笑う。おそらく青森出身の方々なのだろう。みなさん、あなた方の育った土地の良さは、余所者にもちゃんと届いてますよ、と言ってあげたい。
ご当地映画は千差万別。提灯記事ならぬ提灯映画は数知れず。だけど、これは、当りだ。
とりあえずは大きめサイズでよし。
津軽弁。これはもしや監督からの挑戦状ですか?むむ。同じ日本人やないですか。受けてたちます!って…ほんまに聞き取れんかった。前後のニュアンスで言ったであろうことは想像できたけど。おばあちゃん強者やった。大阪弁なんかかわいいもんやな(笑)
さて、主人公は訛りが強い女子高生いと。津軽三味線の名手であるが、性格はおとなしく引っ込み思案。でも実は意地っ張りで大胆なところもある。そしていつも自分を変えたいと思っている。そんないとが選んだのはなぜかメイドカフェでのアルバイト。優しい店長となんだかんだでやっぱり優しい2人の先輩に囲まれて居場所を見つける物語。
駒井蓮ちゃん初めましてでしたけど雰囲気がいとにピッタリでした。めっちゃ津軽弁に挟まれてるのに標準語キープのお父さんも良かった。家出のシーン笑った。
全体的におもしろい話ですけど一部戦争の話を交えたりとハッとさせられる場面もあり。津軽三味線の演奏シーンは迫力があってめっちゃかっこ良かったです。
いつも自信がなくてもじもじしていた過去の自分から少しだけ前向きになれた明日の自分へエールを。私は好きな終わり方でした。
津軽弁、三味線知らなくても、行けばわかるさ
駒井蓮さんを主人公にするために、原作を書いたのか?と勘違いするくらい、はまり役。
映画「名前」の時にも感じたが、彼女の作品は、鑑賞する側が、すぐ隣にいるのか?と勘違いするくらい、ごくごく自然な、ありふれた光景に見えるので、すぐにのめり込める。
今回は、津軽弁全開で正直何を言ってるか、完全に理解しているか?と言われたら、はいとは言えないが、その分、駒井さんの身振り、手振りの演技に集中でき、なんとなく理解出来た気になれる。
ちなみに答え合わせはパンフレット買えば大丈夫
親子愛と主人公のいとの成長と郷土愛に溢れた良作。
タイトルなし
言葉でのコミュニケーションが苦手な子、
教科書などの文字を読むときにも津軽弁に変換して発声するのは無理があると思ったけど、かといって地元での生活なので地域言葉にコンプレックスがあるわけでもないらしい。
言葉でのコミュニケーションを克服するんじゃなく、音楽で自分を表現することを描いたと思います。
言葉にしないから相手を傷付けたり自分が傷付くこともあるしそれも描かれてたと思う。きっとまだまだ主人公と家族、友達、バイト仲間との関係はぎこちないとこもあるかもしれないけどそれでも主人公が少しだけ成長したようでうれしかった。
映画としては地味かも。でも私はとても好き。
前を向いてもがいている姿は美しい
原作は1冊目だけ読了済。
まず津軽弁に驚く。字幕がないから意味がわからないセリフが多い。おばあちゃんが言ってることがわからないのはまだしも、主人公いとが言ってるセリフもわからない言葉があった。でも、前後の流れでなんとなくわかったりするから不思議。意図的なものかはわからないが、東京出身の父親がいることの重要性を感じた。
メイド喫茶でのシーンとかはやや痛々しいときもあるのだが、土地柄なのか演じている俳優たちの演技の素朴さなのか、全体的にほのぼのとした感じ。それでいて、青森での空襲の歴史や現状の過酷さについてもさりげなく触れてくる。青森の閉塞感みたいなものは十分伝わってきた。
こんな地域でどれだけ自分のやりたいことができるのだろう。シングルマザー、漫画家を目指すフリーター、そして人見知りの女子高校生。3人の女性が居場所を見つけようとする物語としてとても深みのある話だった。
そして何よりも三味線の演奏シーン。主演の駒井蓮がどれだけ弾いているのだろう。どれだけ練習したのだろう。特におばあちゃんと三味線を弾くシーンが素晴らしかった。
最初のタイトルが出るシーンが美しくて、ああいう映像うまいなと思っていたら、最後につながっていたなんて想像もしなかった。これ、もっと多くの劇場で上映してもいい映画だ。
三味線が繋ぐ絆
なんといっても脚本が素晴らしい!!
16歳の少女がメイド喫茶でのアルバイトを通して仲間との絆、友情、家族との関係を深める青春ストーリーなんだけど、ここには
親子愛、祖母の愛、友情、仲間、伝承、さらに
「メイド喫茶」を切り口に、これまでの男女差別に対する静かな批判や、女性が男性に媚を売るようなものではなく、老若男女問わず楽しめる新しいコミュニティの形を提案している(メイド喫茶もある種水商売のようなものなので)。
2時間であらゆるメッセージ性が凝縮された素晴らしい作品だ。
映画っていいなって実感するのは地域が一体となって作品を創り出せるところである。
今作もエンドロールで青森のボランティアの方たちの名前が沢山出てきて、地域の多くの人たちの思いや力で成り立っているということを再認識した。
津軽弁は理解できなかったけど(できれば字幕をつけて欲しかった)、日本にはこんなにも素晴らしい場所や伝統があるんだと実感した作品だった。
いとちゃん演じた駒井蓮ちゃんの透明感には圧倒される(吉岡里帆ちゃんに似てる)。
心が温まる作品です。
期待したほどでは…
前半は主人公の人物像と周りとの人間関係を描き、後半からが本題と思われる本作。
ただ正直、結末がなんの解決にもなっておらず、あのままエンディングに突入されてしまうと「だからどうした!?」と思わざるを得ないから共感したり心揺さぶられたりはしなかった。
あとは津軽弁が多々何言ってるのか分からない部分もあるけど、仮に標準語字幕が出たとしても内容は大して変わらないはず。
ただ、所々に笑いが仕込んであるので、それと若い女優さんの可愛さを楽しみに行くのも悪くはないだろう。
全98件中、61~80件目を表示