完全なる飼育 etudeのレビュー・感想・評価

決してつまらなくはありませんでしたが…面白くもありませんでした。中途半端感否めませんでした。

タイトルは「完全なる飼育」やけど、原作から遠ざかりすぎて直視出来ない、ってのが正直な感想。 しっかり観てたわけやないが（てか、しっかり観る程の価値がないと、初期の段階で思った）、「飼育」という言葉を良いことに男女が痛めつけ合う。 なんや、この映画？？？？ 「完全なる飼育」をライフワークとしている竹中直人も、さぞや嘆いているやろうと思ったら、しっかり出演していてびっくり。 彼も、このシリーズに出演できるなら、ストーリーがどう捻じ曲げられたとしても気にしないのね。 オリジナルを読み、それを再現していた初期の頃のシリーズを知ってる者としては、前述の最初の２行がすべて。 もちろん、再度テレビで放送されてても、観るはずもない。

単なるレンタル屋によくある安っぽい作品　露出やカラミもほとんど無く彼女の報復の為に接近した青年の物語　本編とは無関係の竹中やスタッフ二人の存在も意味なし

和田勉監督、新藤兼人脚本による1999年の第1作から数え、今作でシリーズ第9作になるとのこと。社会派の巨匠・新藤兼人が中年男と女子高生の歪んだ純愛を嬉々として描く姿を想像して楽しむのも映画好きの一興だった。 路線を変えた本作。自分には合わなかったなぁ。評点が低いのは嗜好の問題であり申し訳ない。 役者を追い込む実にサディスティックなスタイルの女性演出家と公演直前に降りた役者の代わりにオーディションに来た若い男のお話。なのでシリーズとしては番外編と言って良いかと。 いくらドMな私でも納得しかねる度を超えた追い込み。二人の関係性を逆転させる狙いもわからないではないが、私の中にある『飼育』とは相入れなかった。 唯一、第1作の主役を演じ、以降脇にまわり今シリーズに顔を出してきた竹中直人さんのコミカルな演技を楽しんだ。

映像、美術がひじょうに美しいです。ストーリーやセリフもよく出来てると思いました。 でも、でも、 今どきあんな演出家はおらんやろう、とは思いました。 ある種のパロディかなと。 製作？の二人の行動にリアリティが無いような気がします。竹中さんの演技は、好き嫌いがあると思いますが、これもリアリティが無いと僕は思いました。竹中さんは本当は「表現」を憎んでて、貶めようとしているのではないでしょうか。でも、でも、いい映画です。俳優さんたちも監督さんも一生懸命なのがヒシヒシと伝わるからです。

この作品は、舞台で観てみたいです！