劇場公開日 2021年5月1日

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「寄る辺のない国で身を寄せ合う女性たちの小宇宙」海辺の彼女たち 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5寄る辺のない国で身を寄せ合う女性たちの小宇宙

2021年12月19日
PCから投稿

日本での外国人就労問題を扱っているというだけでなく、『17歳の瞳に映る世界』に通じるテーマ性も持った青春映画になっていた。
ベトナム人キャストの佇まいが素晴らしく、みずみずしさと真摯さを感じさせてくれる作品になっていると思う一方で、ドキュメンタリータッチの手持ち長回しの撮影が余計な作為を目立たせてしまうと感じた。
ナチュラル風に撮ることと、ナチュラルに見えることは違う。もしかすると監督はその差異を出したかっただろうか。しかしその差異がプラスの要素だという気はしない。
とはいえ、なるべくカメラが3人の女性に寄って、周りの人たちは最小限にしか映さないというコンセプトは、寄る辺のない国にいる彼女たちの小宇宙のようでとても良かった。あとは長回しへの信頼やセンスの違いなのかも知れない。

村山章