劇場公開日 2021年5月1日

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「生な声、生な眼差し、生な風景」海辺の彼女たち ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生な声、生な眼差し、生な風景

2021年11月27日
iPhoneアプリから投稿

もちろんフィクションなのだけど限りなくドキュメンタリーを観ている感じになる。ひとつには主演の「彼女たち」のみを追っていくからだ。しかしどこでこのような被写体をみつけたのか。とてもいい。
やり方として、日本人の視線を入れ込んで描くと方法もあるとは思うのだけど、そこにはまったく興味もなくひたすら「彼女たち」の彷徨を追う。出てくる日本人にも芝居を要求してない。音楽もなくひたすら彷徨う。そしてどこに行き着くのか、で放り出される。
流れ流れて産婦人科にたどり着き、エコーで聞く赤ちゃんの音、そして影。そこでつぶやかれる言葉(日本語)の破壊力。そして最後のオレンジ色のストーブの明かりに。なんの芝居でもなく、淡々とクスリを飲み、横たわるときに溢れる声。そこで終わるとは。

ONI