チャンシルさんには福が多いねのレビュー・感想・評価
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人生や幸せのあり方
ずっと一緒に仕事をしてきた映画監督の死を境に、仕事も金も何もかもなくなってしまった女性の物語。
最初からだけど音楽がすごい良いです。
呑もうと入った店がもう日本の居酒屋で、ポスターやら短冊やら全部日本語。
小津の話があったからでしょうか。
そんな小津へのリスペクトからか、間の取り方もそう。同じようにすごく平坦に進みます。
そんななかでもほんのりと温かみがあり、ふわっとなるんですね。
ぼんやりと、人生や幸せのあり方を考えさせられる作品でした。
ソフトストーリー! 何かが起こり何かが解決することはない
ネトフリで配信中のドラマ『離婚弁護士チン・ソンハン』でパキッとしたラーメン店の主人やってる人が主役なので観てみた。
40歳になって突然キャリアを失った女性。気がついたら「カネなし、男なし、子なし(やりたい仕事からの引きなし)」の四重苦で茫然としてしまう話。
自信になっていたはずの映画プロデューサーの仕事も、「それはただの雑用」と言われ落ち込む。(これってこの映画の監督自身がプロデューサー出身てことで、自嘲的なメタ構造になってるよなぁ)
恋だと思っていたものもどうやら一人相撲だとわかり、わあー恥ずかしー、ってそりゃなるだろう。でも、この年下男性との接近を描くところ、好きな映画監督話ですれ違うところも含めてだいぶ細かく展開されていて楽しめる。
かと思えば、『愛の不時着』で北朝鮮の「耳野郎」やってた人が謎の「自称レスリー・チャン(香港の俳優)」として登場して、チャンシルの映画愛の権化となっている自由さ。
で、何かが解決して終わるのかというと、そうでもない。映画好きの原点をレスリー・チャンから思い出させてもらって脚本を書き始めるものの、友人から「読めたもんじゃない」と言われる始末。
にもかかわらず、これらの出来事を通して感じられることは「チャンシルさん、みんなに愛され気遣われてるじゃない。それって幸福だよ!」
何処か愛おしい
人って上手くいかない時がある
そんな時…どう乗り越えるのか
そんな主人公のチャンシルさんが
本当に映画が好きなこと
映画作りに携わりたい
ことを模索しながら
常々日々考える
時には恋愛が…上手くいく
と思っていたら
…お姉さんで終わった
それでも悲しみに堪えながら…今がある
管理人のおばあちゃん
女優の女の子や映画仲間
タンクトップ(幽霊?)の男の助言に
に助けられて現実に向き合い生きていく
いろんな想いの感情が
読み取れるので
チャンシルさんの優しさが
伝わってくる
どきどきコメディタッチで
シリアスにならずに観られる
……どこか心に響いている
隠し味みたいな映画
チャンシルさんは40歳未婚。
好きな映画をPDとしてお仕事に今まで頑張ってきたのに、一途に一緒に頑張ってきた映画監督の死を境に、お仕事がなくなってしまい、、、
女性の生き方は十人十色。
人の幸せも十人十色。
その人自身が幸せだと思える生き方ができれば、それで十分。
でも、実際に自分が見たいもの、成したいものは何かを日々生きながら考えるなんて、なかなか無いな、、と私は思う。
ふとした瞬間、自分は幸せだなと感じられる時があるかな。それすら、意識しないと分からない。
チャンシルさんを通して、生きる上での大切なスパイスを見ているようだった。
ちょいちょい出てくる、レスリー・チャンだという幽霊。ファンタジーですが、自分にしか見えない存在がいて、その存在が心の拠り所になってくれるなんて最高やな!と。
応援団みたいで、すごく素敵やなと。
チャンシルさんが、迷ったり困ったり、悩んだり、前を向いて行動したり。いろんな彼女が淡々と物語を進めてくれます。
派手な演出はないけれど、確かに自分の人生を歩いている様が心地よく感じる映画で
した。
違う意味で劇場鑑賞がオススメ
主人公の置かれた境遇が気の毒ながらも飄々とした感じについクスッとなってしまう。主役のカン・マルグムの演技に依っているところが大きい。小津安二郎の影響なのか正直ストーリーは平板な感じ、大して何も起こらないので、家のソファで観てたら寝落ちして3回見直すことになった。逆に同好の士に囲まれた映画館の中で集中して見ることが必要か。
単純に見えるがなかなか深い
この映画好きですね、人間が描けていると思う。
特に幽霊が出てくるのが良い、この幽霊は多分彼女が望んだもので
彼女の分身、または別人格の出現と捉えるべきかと思う。
見始めて直ぐに、小津監督の映画に似ていると思った。映画の雰囲気が
とてもよく似ているし、せりふの間や、映像のテンポも同じように見える。
この映画は人間の喜怒哀楽や、感情がキチンと描かれていて感情移入がし易い。
だから、いい歳して何やってるんだ、もっと頑張れよ!悪態をつきながらも
多少気楽に主人公の女性PDを応援できる。
コメディ仕立てにしたのは正解だと思う。
自問自答したような作品
監督のキム・チョヒがホン・サンス監督のプロデューサーで、初監督作ともなれば、作風もホン・サンス風で、自己満足的な色合いが濃いのは仕方ないかもしれない。
以前、ある有名作家が、自分の人生を書けば、誰でも小説を一つは書ける、と話していた。この作品は、まさにそんな作品だと思う。
人生に疑問を抱いたとき
主人公はプロデューサーで、長年コンビを組んでいた監督が急死してしまい、心に大きな穴が開いてしまう。
映画一本で生きてきたため、恋もせずに突っ走ってきただけに、幻影を見るくらい落ち込んでいた。
コメディで面白いのだが、中だるみが残念。
40代の映画好きへ
「ベルリン天使の詩」「ジプシーのとき」ときて、レスリー・チャン。
もちろん、好きでしたよ。ヴィム・ベンダース、クストリッツァ、ウォン・カーウォイ。わたくしもチャンシルさんと同じ40代の映画好きで、39歳の時にもやもやしていたなあ。
チャンシルさんは、キャリアに、恋に、年齢に、悩んで落ち込んで荒れて、それでも最終的には映画に戻ってきました。そんなチャンシルさんは、全ての映画好きさんを表しているみたいでした。最後はやっぱり、映画から離れられない、、、映画マニアの方々も、そうですよね?
ジワジワとした余韻が観終わった後に、上手く行かないドラマも好み
抱えた荷物をスッと下ろして深呼吸しな!と、優しく肯定されるような優しい映画。知ってから約6ヶ月、期待を裏切らない良作だった。
チャンシルさんはプロデューサー。飲み会の席で監督が亡くなり、仕事もなくなった。しかし、お金も男も何もない。どうする!?みたいなコメディ。
実に潔いオープニングから始まり、あれこれ大変なことが起きているのに、良いさじ加減でコメディに落とし込む。スターが幽霊で見えたり、健康器具で遊んだり、家政婦として働いたり…。半地下の例えとか『パラサイト』観ててますます面白かった。そのこじらせ感と肯定から、韓国の大九監督と言われるのも納得。その一方で、ハッピーが一番とか、これが正解だろうと案じさせないリアリティが強いのでドラマが厚い。仕事をしなくてはいけない、寄り添う人がいなければいけない…。そんなの誰かが決めただけ!と突く。だからラストまで凄くポカポカ。特にエンディングが印象的。観た後、心がフッと軽くなった気がする。
チャンシルさんのコメディエンヌぶりも、女優役の子も可愛いからクセになる。まだまだ観てもらいたい作品。
淡々とすすむ日常
映画プロデューサーのチャンシル(カン・マルグム)は、ずっと一緒に仕事をしてきた映画監督が急死したため失業してしまう。40歳になるまで人生を映画に捧げてきた彼女には映画以外、家も恋人も子どももなく、青春も全て映画に捧げてきたためこれからどうしたら良いかわからない。女優の知り合いの家政婦してた時に会ったフランス語の先生が好きになり恋に発展するのか・・・という話。
チャンシルが可愛い訳でもなく、ドキドキも無く、福が多いようにも感じられず、どこを楽しめば良いのかわからなかった。
とにかく退屈で眠かった。
映画ファン御用達作品
まずは「あまり韓国映画ぽくない作品だなぁ~」と、むしろ日本映画ぽい作品の様に感じてしまいました。
私の場合、韓国映画の根幹にあるのは「恨」だといまだに思っている人間なので、それが希薄だったのと、この作品は“映画人”の物語で、基本的に映画人に(外国に対する)排他的傾向がないのも韓国映画ぽく感じなかった原因かも知れません。
それとなにより、この主人公の一番好きな映画監督が小津監督ってのもそう感じた原因の一つでしょうね(笑)
この作品、名作・傑作の類の作品ではないかも知れませんが、(濃いめの)映画ファンには惹かれる要素満載の作品に仕上がっています。
特に、この主人公はアラフォーなので、この世代が映画に浸っていた時期は恐らく1990年代であり、日本ではミニシアターブームの頃で、私はこの人達より二世代上になりますが、丁度映画熱が再発した頃でもあったので、本作での映画に関わる会話が面白くて仕方なかったです。
特にど真ん中にいた同世代の映画ファンなら、一々笑えるシーンが用意されていて可笑しくてたまらなかったでしょうね。
例えば小津監督については、90年代に活躍した世界中の多くの映画作家が信仰していた対象の監督でもあり、その時期は小津監督が世界中で再び見直された時期でもあります。
そして、初デートでの会話で相手が好きだという監督がクリストファー・ノーラン監督ってのも絶妙だったし、更には下宿先の幽霊にその世代に絶大に支持されていたレスリー・チャンというのも絶妙でした。こういうシーンだけで監督の映画に関するバッグボーンまで見えてきて、映画ファンなら嫌いになれる筈もないという作品です。
それと、映画好きの観客とは別の意味で、良くも悪くも才能の有る無しに関わらず、“職業映画関係”という肩書きとプライドが、関連したスタッフの人生に深く深く浸食し、一般職とは違う特殊性を強く感じてしまいました。
コミカルながら胸がスッキリとして前向きにさせてくれる映画。
やっとチャンシルさんには福が多いねを観たが予想以上に良かった。チャンシルがPD予定だったはずの映画監督が突然急死。これを機に失職して何もかも失ってしまったチャンシルが、途方も暮れていた矢先のチャンシルの人生を取り戻す姿に時にユーモアもありジーンとくるところもあり、これから前を向いていこうという姿勢に私は男性だが胸がスカッとした。こういうご時世の時にこのような映画を観ると明日も頑張ろうという気持ちになる。愛の不時着でお馴染みの耳野郎役のキム・ヨンミンのレスリーチャンもどき役のユーモアでコミカルな演技を見せながらチャンシルに人生のアドバイスをするシーンも良かった。韓国ドラマ、映画でお馴染みのユン・ヨジョンが地味ながらいい味を出した演技を見せてくれる点も好感。エンディングとエンドロールのコミックソングっぽい曲は耳に残る。合格です。女性の方で何か今辛い悩みを持っていらっしゃる方にお奨めです。私が観た日は何故か年輩の男性が多かった。この映画のシーンで小津安二郎の映画に触れるセリフがあるのだが、これのウンチクを奥様に語りたいためなのだろうか?
チャンシルさんは本当に福が多いと思う。
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり前のアカウントが引き継げない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
として投稿して行きます。よろしくお願いします。
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40歳の未婚女性。
仕事一筋に結婚も恋も忘れて邁進して来たのに
尊敬していた映画監督が居なくなったら
人生かけた仕事が一瞬でなくなってしまった!!
家賃も払えなくなり安い下宿へ~
なんとう言う崖っぷち状態。
正直、今のコロナ禍で会社が潰れた!とか
勤務店が閉店してしまった!など
同じ状況の人が沢山いると思います。
映画なのでちょっと牧歌的に描いてますが
生活が変わってしまうのは辛いですね。
そんな崖っぷち状態でもチャンシルさんには
いろんなことが起きる。
ちょっと気になる人が現れたり、
「大家さんと僕」の様な大家さんとのふれあいがあったり
果ては不思議な幽霊が現れてたり~
何も無いように見えてチャンシルさんには本当に福が多い。
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
チャンシルさんは映画のプロデューサー。
あんまりうまく説明できないけど
映画つくりに欠かせない予算の管理や
出演者の調整なども行う大事な仕事なのに
一般の人にはなかなか解ってもらえない。
そんなところももどかしい~
その中でもちょっとした妄想の対象である
ある人とのやり取りが映画ファン的には結構ツボ!
チャンシルさんの一番好きな監督は「小津安二郎」
なのにその人の好きな監督は「ノー〇ン!」って
対局じゃん!(笑)
得体のしれない不思議な幽霊とのやり取りのあと
古いラジカセで再生された一昔前のラジオ番組。
そこから流れた映画のタイトルが「ベルリン・天使の唄」
あんたは天使だったのか??
そのあと、その不思議な幽霊が差し出したのは
「ジプシーのとき」のアコーデオン。
「ジプシーのとき」は観たことがないけど
この映画に惹かれて映画を作る人を目指したチャンシルさん。
浮かれた映画プロデューサーでは無く、
本当に映画が好きな人なんだな~と伝わってきた。
慕ってくれる年下のスタッフもいるしね~
だからあの決断なのかな~
よく考えれば最後まで先行き不安な状況のヒロインだけど
暗い話にせず、どことなく笑いの要素も散りばめられた
さすがにホン・サンス監督の弟子らしい作品でした。
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パソコンをMacからからWinに買い換えて諸々操作しているうちに
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前のアカウントの削除取り消しもできないので、
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なんちゃってレスリーチャン?
地味だ、何も事件は起きないし主役はアノすいません、40歳の独身女性でルックスも普通だ。ストーリーも地味だ淡々としてる。何をやっても上手くいかない、気付いた時には歳を取ってた、昔の仲間は今の敵、男に告白したらクールな回答、ふざけんな世界っ。娯楽映画なのかどうかは置いといて、韓国映画界は奥が深いと改めて驚嘆した。年老いた大屋さんとの各シーンが泣ける。似てないレスリーがまたグッときたよ😭
全43件中、1~20件目を表示