「¥800出してパンフレットも買った」ミス・マルクス Eiga_Graceさんの映画レビュー(感想・評価)
¥800出してパンフレットも買った
オープニングから大音量、パンクロックの音楽が流れた。ヴィクトリア朝の時代の話なのにと少々違和感がありましたが、エンディングですべて理解できた。
ニュース解説の番組ではないですが「そうだったのか!」という感じで、宣伝チラシの絵柄はこの映画の本質を衝いてます。
歴史上足跡、時に爪痕を残した人というのは、「これ以上は無理」というところまで振り切った生き方をしてきたはずで、エレノアもそういう人生を歩んだのでしょう。
にもかかわらず、彼らの「続き」を担うどころか、後世の人間は(知ってか知らずかは別として)その苦闘を平気で踏みつけにする。
社会はなかなか良いほうには行かないのも当たり前のことですね。
しかしこういう歴史上の人物の生涯を知ることと並んで、現在世に出ている人の本性を見抜く力を持つことも大事だ、という認識だけは捨ててはいけないと思います。
(映画の感想)
エレノア、あーこの人だなあ、なるほどなあと思った一つは、
「ダメンズ」に惹かれてしまう女ごころの弱さは、ストーリー中盤でシュライナー女史の夫(?)に「ポイズンピル」を飲まされるところに伏線がありました。
見てゆくうちに、ニッキャレッリ監督は頭のいい人であることが分かってくる。
「エレノア・マルクスに対する捉え方は様々です。皆さんお好きに解釈してください」などと逃げていない。メッセージ性に直球の気持ちよさがあります。きっとご自身に自信があるのだと思います。
全国を巡回してロードショーしているようですので、自分の地域に来たらぜひ見ていただきたいと思いました。
子ども時代のマルクス家三姉妹も可愛いし、衣装も時代の雰囲気があって結構でした。
(雑 感)
午前中に座席予約したときは全部で5つ位しか席は埋まっていなかったですが、開演前は結構お客さんが入ってました。
見渡したところ、後頭部が光っている男性が8割超、この人達が日本の選挙時のリアルパワーなのか、全体の9割以上が前期高齢者以上とお見受けしました。
せっかくのパンクロックなのに。。。若い人「にも」見てほしい。