「少年が見た地獄」ボヤンシー 眼差しの向こうに kinako-catさんの映画レビュー(感想・評価)
少年が見た地獄
現在でも20万人のカンボジアやミャンマーの男たち(子どもを含む)が奴隷同然で、
タイの漁業に従事させられているという現実があるという。
発展途上の国からの搾取の連鎖。
不法入国のブローカーは、手数料を払った者には工場勤務を手配し、
払えない者は容赦なく売り飛ばす。
入国してからブローカーには借金扱いにして、これから働いて金を返せばいい、
なんていう甘い考えは通用しない。
一番過酷な漁船に売り飛ばされ、奴隷として働かされるという地獄。
人の命の何て軽いこと…
少年の眼差しが、どんどん変化していく。
残酷に人が殺されるのを目の当たりにし、そしてそれに加担させられる。
いつ殺されても不思議ではない極限な状態の眼差しに変わっていく。
この作品はフィクションではあるものの、似たり寄ったりの現実は確かに存在する。
いつか、こんな地獄のような世界が地上から消えますように。
コメントする