私をくいとめてのレビュー・感想・評価
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他者と他者性
他人といるのは息が詰まる。親子も夫婦も親友も、しょせん他人は他人だ。
でもひとりぼっちは淋しい。クリスマスとかまわりが賑やかになるほど、人恋しくなる日もある。
自分のなかにいる「他者」の存在。「A」。みつ子ほど鮮明な存在でなくとも、誰しも経験はあるのでは。どんなときでもAは自分の味方でいてくれる。でもそれは「他者性」であって本当の「他者」ではない。当然だ、Aは自分自身なのだから。
自分のなかにある「他者」と付き合いが強すぎるのも考えものだ。みつ子のように「共依存」の関係になってしまい、ほんとうの他者との付き合いに躊躇してしまう。かたや、社会性の強い「他者」が入り込みすぎると、何でも世間に忖度する息苦しい生き方になってしまう。
観る前はコメディ一色と思いきや、哲学的な作品で深く考えさせられる。他者との関係性がテーマにありつつも、まるでのんさんのひとり芝居のような感覚もある。
みつ子の役は、のんさんにしか表現できない。あらためてすごい表現者だ。
うーん、何故だか?
監督の前作「勝手に震えてろ」にスゴくハマって、今作も期待してみましたが、何故かハマらなかった。でものんの女優としての凄さはビシバシ伝わってきました。アラサー女性の悲哀をコメディータッチで描いたかと思いきや、ナイフのような鋭いエッジも効かせてくる、巧な映画でした。
最初はついていけなかった。屈折してるし、攻撃的だし、病気だし。綿谷...
最初はついていけなかった。屈折してるし、攻撃的だし、病気だし。綿谷はやっぱり病気。でも、せりふの軽快なテンポ、先輩同僚との関係性とかいいなと思ったし、面白かった。橋本愛はいい。のんも彼女の中でサイコーなくらいよかった。林くんも謎っぽい。そういえば、林くんはいつも首をかしげてるんだ。女芸人はとても良かった。
共感できないと長く感じる
頭の中に人が居て話し合いをする設定は既にあるが、この作品の場合は二重人格のひとりが相談役といったところで、コミュ障をこじらせて出来たもう一人の人格は精神を守るための防御反応なのだろう。
すると、この話は二重人格への依存から脱却していく物語と言える。そのため主人公に感情移入出来るかどうかで評価が大きく変わってしまう。
自分にとっては長いと感じるシーンや間も人によっては必要な時間なのだと思う。私にとっては3.5でも人にとっては4以上の価値がある。
なので、この作品を観るかどうかは主人公に共感出来そうかどうか、もしくは共感出来ないが設定に興味があるかで決めるのが良いと思う。そうすれば観て後悔する事は絶対にないはず。
カラフル
おひとりさまを満喫していた光子が職場で出会った多田への恋心をきっかけに、人との距離感に戸惑いながらも自分以外の誰かに心を開いていく姿が爽やかに描かれています。
原作が面白くて、映画も楽しみにしていたのですが、期待通り面白かったです。
30歳を少し過ぎたおひとりさまのあるあるだけではなく、彼女達ならではの目線や気付きから学びや勇気をもらえました。周囲の無神経な言動や、冷たい視線に傷付き、怯えながらも“のんき”を装い、且つ舐められないようにと気を付けながら日々をやり過ごす姿が本当にイタイタしいくらい胸に突き刺さります。
おひとりさまを楽しみながらも孤独の影が常にチラついている。人との距離の取り方がわからない彼女は自由と孤独のバランスがとれない。唯一心を許せるのは彼女の脳内にいる“A”という相談役だけ。“A”は自分自身の声である事を頭のどこかでわかってはいるものの、孤独への恐れや自分への自信の無さが“A”という存在を作り出し、彼女は“A”との会話を止められない。
同監督、同原作者の『勝手にふるえてろ』では主人公の女性とその彼氏のキャラクターの濃さが印象的でしたが、本作では、主人公の光子と彼女を取り巻く女性達がそれぞれに色を持っていて、爽やかに彩られていました。光子の親友、職場の先輩や上司...立場や状況は違えど、彼女達はそれぞれに悩みや不安を抱えている。けれど、自信や覚悟を持ち、自分らしい生き方を楽しもうとしている。光子がそんな彼女達や多田と接していく中で、ゆっくりと自分のペースで自信を取り戻し、人と関わっていこうとする姿に胸が熱くなりました。
楽してると言わざるを得ない
独り言を言い続ける主人公に最初は引いたものの(独り言自体じゃなく言い回しに)、すぐに没入してしまいました。
やはりのんは良いですね。
映画としては…、内に秘めてる感情をどう表現するかが映像作品のミソだと思うんですが、自問自答というのは楽してると言わざるを得ない。
その自問自答が愉快な仕組みなら見物なんですが、こちらの想像以上のモノではなく…。
リア充じゃん。
若い女の子がそろそろ若くはなくなってきて、モラトリアムの中でぐちゃぐちゃ自縄自縛になって、悩んだり開き直ったり。
でも、海外旅行に行けるだけの稼ぎのある安定した仕事、気の合う先輩、休日は一人楽しみ、確かに孤独だけど、人と一緒だとしんどいのだからむしろ幸せ。遠くに親友もいて、ついには優しい彼氏も。
共感できるところもあるけど、いい気なもんだなあ、という感想。
のんちゃんの芝居に魅せられますね。
あと、アップと遠景のバランスが好き。
追記 声だけのAは中村倫也だけど視覚化されると前野朋哉なの、中村倫也だとデータが多すぎるとか?と思ったりしたんだけど、まさか「トモヤ」で光子の脳内バグってるという表現?まさかね
この映画が私をくいとめてくれる
おひとりさま、なんて言ってるけど
ひとりで焼肉行くのも公園に行くのも
ほんとのほんとは不安いっぱいで
ひとりが好きだって言い聞かせてるけど
半分うそ
これって私の話なのか
と半分パニクってみてました
原作にはない温泉宿のシーンは
女性がもつ醜いところやそれを自分で醜く思っちゃうことと異性への嫌悪感
この上ないほど表現されていて
そう…なんだね、そうなんだよ!
と原作よりさらに深くつっこんだ描写がきいてました
イタリアの親友はもうすぐお母さんになる
その不安を分かち合えたときに
友人を好きだと思える自分にほっとしたり
ホテルに急に泊まることになった恐怖とか
もう私ですか!?
と悲鳴をあげてやめてくれー!
と言いたくなる映画でした
でも、部屋を出て行く姿はしばらく忘れられないシーンになりそうです。
一歩一歩、前に進んでいけたら
いい映画ですほんとに
「勝手にふるえてろ」を期待して大失敗
「勝手にふるえてろ」の雰囲気、クオリティーを期待してしまいました。
最初は面白かったのですが、途中からどんどんダメになってきた気がします。
特にイタリア旅行は、この映画では何の意味もないし、マイナスでしかありません。
おまけに、イタリアでは「A」はまったく活躍しないし。
「勝手にふるえてろ」を期待するとかなりがっくりします。
そうでない方も、中途半端さにがっくりするでしょう!
能年玲奈、いやのんの本領発揮
やはり彼女には拗らせ女子がよく似合う(というかそれ以外の適役思いつかない)。Aが実体化したらイケメンでなくなった(腹まで出やがって)、で一安心てのは原作通りなのかな? そんなにイケメンにアレルギーあるならいくらでもお声がけいただければ…。こういう拗らせ方(彼との一夜でのパニック感は両者ともに大トラウマになりそうで洒落にならない)を見るにつけ、一線は早めに超えた方が後の人生楽になるとの思いを禁じ得ないですね。監督の大九明子はテレ東の「捨ててよ、安達さん」の監督でもあるのだね。あれは面白かった。「美人が婚活してみたら」では演出がステレオタイプすぎてもうひとつな気がしたが、型破りな経歴含めこれから注目していくか。
のんの魅力が最大限に引き出された作品
のんのほんわかした雰囲気が独特で愛らしい世界観をつくり出している。これまでファンじゃなかった人もきっとハマってしまう。間違いなく代表作になるだろう。
大九明子監督の緩急のある演出が心地いい。大笑いするわけでもないけどポップで楽しい。そして人間の深いところを軽やかに描く。
『勝手にふるえてろ』に続いて次回作が楽しみになる。
自分の頭のなかと会話するプロおひとりさまが、恋により周りの世界と自分と向き合っていく物語。
おひりさま女子の葛藤
日々、自分なりに満足して生きている。自分の時間を謳歌している。恋人がいなくても、たのしいからいいじゃん。ほんとうにそう思う。でも、いたらもっとたのしいんだろうなぁともやっぱり思ってしまう。でもでも、ひとりの気楽さを知ってしまっているから、いざそこへ踏み出したとしても、とても疲れる。もどかしい…
おひとりさま女子の葛藤をユーモラスに描いた素敵な作品でした。おおきな事件は特に起こらないのに、自分とのたたかいだけでここまで魅せられるなんてすごいなぁ。
(途中まで多田くんに振り回されてしまうのかなぁと心配したけれど、さいごまでただの好青年でうれしかった。新品の靴下を履いてきてくれるところにときめいた。芸がこまかい!)
この映画、すごくすき。
大瀧詠一がループになります。
ひょんなことからホーミー目当てで視聴。
序盤から最後まで、大瀧詠一に次ぐ扱いで面白かった(笑)
くーちびるーつんとーとがらーせてー
のんちゃん、かわいいし、上手なんだけど、なんとなく心が受け入れない。特に気に障るようなことはなかったと思うのになんでだろ?
31歳設定がちょっと?なのかな。多田くんより下にも見えるし。
セクハラに怒るとか、恋人と2人きりが辛いとか、31歳の時に自分はそんなにウブじゃなかった…いや、10代でもそんな時代は無かったので、あまり共感してあげられなかったかな。
でも、セリフは多いし、大変だったろうな。
他にやることを先延ばしにしながら見たので、全体的に長く感じてしまった。でも、音楽も映像も凝ってるし、役者さんみんな上手だし、やや悪意ある素人っぽい人の配役も面白かった。
ここのところ、自分の見ている作品なの山田真歩さんが立て続けに出ているな。
臼田あさみちゃんは大好き。ダサめな演出でもかわいい。素でいい子そうで友達になりたい。
片桐はいりさんも安定の良さ。
橋本愛ちゃんとのイタリアの絡みは、あまちゃんファンは嬉しかろうな。
下着が派手なのは自分と重なり、提供が愛用のウンナナクールだった。かわいいのよね。
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