「出口がない迷路…」名も無い日 shokotenさんの映画レビュー(感想・評価)
出口がない迷路…
家族や身近な人を、不慮の死で
失った経験した人にしか、
決してわからない作品かもしれません。
私も独り暮らしの母を
独りで死なせてしまいました。
最後は苦しまなかったはずです、
と言うお医者さんの言葉だけが、
唯一の救いとなっています。
が、母は最後何を見たのだろう、
何を思ったんだろう、どうして
気付いてあげられなかったんだろ…
と、答えは出ないのに、
自問自答し、悔やむ毎日です。
家族だから、友人だからこそ
あの時何か出来たはず、
と自分を責め、最悩む…
お互い自立し、それぞれの
人生を歩んでいたとしても、
割り切ることは
決して出来ないと思います。
お婆ちゃんが、
あきひとにしか真実はわからない。
その通りだと思います。
その通りだけれど、残された者には
あまりに残酷で、
胸を描きむしられる切なさを
背負う事になります。
苦しみから逃れる
出口はないかもしれないけど、
時間をかけて死を受け入れる。
しかないのかもしれないと思いました。
俳優さん方の演技力によって、
少ないセリフから、やりようの無い
悲しみや苦しさが伝わる作品でした。
オダギリさん演じる
あっくんが、箸を6膳欠かさず
食卓に用意する場面は、
涙が止まりませんでした。
最後に、今は亡き木内みどりさんの
あの存在感、ヒーターの本当の
お母さんのような演力に拍手を
贈りたいと思います。
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