「もっと雑貨愛とヴィレヴァン魂を見せつけて欲しかった作品です。」リトル・サブカル・ウォーズ ヴィレヴァン!の逆襲 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
もっと雑貨愛とヴィレヴァン魂を見せつけて欲しかった作品です。
いろんな雑貨があって、目にも楽しい「ヴィレッジヴァンガード」。通称ヴィレヴァンの映画と言う事でいろんな雑貨や雑学で楽しめそうと思いながらもあらすじを読むと一抹の不安を覚える感じで、ハードルを下げて観賞しましたw
ちなみにドラマがあったらしいのですが、未観賞。
で、感想はと言うと、下の上か中の下ぐらいのまあまあw
ストーリーは馬鹿馬鹿しい事この上ない感じでくだらないと言えばそうなんですが、雑貨愛がたっぷりでいろんな雑貨のウンチクは楽しい♪
また、実際のお店での撮影なので、いろんな雑貨が目にも鮮やか♪
それがサブカル禁止の世界になると無印良品みたいになってるのが笑えます。
萩原聖人さんと安達祐実さんをキャストに起用したのは、無駄に豪華でビックリw
安達祐実さん、若くて可愛い。歳を全然感じさせませんなぁw
オープニングのスターウォーズのもろパクリなのは遊び心があって楽しい♪
こういう遊び心はヴィレヴァンっぽいし、サブカル魂な感じ。
主人公の杉下がサブカルに目覚めたきっかけがつげ義春さんの「ねじ式」と言うのは定番で良いにしても、それを燃やして、あだち充さんの「タッチ」の単行本は燃やせないと言うのは爆笑。
サブカルを掲げるなら"そこは逆だろ!"と言いたくなるw
サブカルと言いつつ、メジャーに取り込まれている。
商品を陳列するにもそれぞれの担当が好きなのを担当して、ポップも作成すると言うのも、担当の雑貨愛とヴィレヴァン愛で良いよね♪
おっぱいボールの商品発注で仕入れ数を間違ってと言うのもドンマイドンマイ。
バーゲン前の商品の準備で徹夜続き。イオンの廊下で寝るのだってご愛敬。
楽しくて、くだらなくて、儲からないけど、好きだからやっていると言うのは、ヴィレヴァンの本部が聞いたら、イラッとしそうだけど、ヴィレヴァンの根底に流れる思いは多分そんな所かとは推測出来る。
ストーリーはホントくだらなくて、サブカルが禁止世界でヴィレヴァンが最後の砦みたいなヴィレヴァンの宣伝みたいな作品。
サブタイトルでもお店の名前が付いてるので、仕方無しなんですが、もう少し設定をきちんと精査したら良いのにと思う所多数。
サブカル禁止の世界で人々を平等で幸せにするには、サブカルは禁止とする世界なのに、サブカルの糸口になりそうなのはスルーなのはどうなの?
サブカルの対義語のメインカルチャーは説明的に一概には言えない部分が多いので割愛しますが、サブカルは「主流文化に反する少数派」や文化・価値観から逸脱した個性を指すとすると、最上もがさん演じる店員の今中の髪の色にスルーはどうなん? そこは黒に染め直さなアカンやろw
店長の川上が着ているTシャツもレッチリもアウト。
また、一般大衆に向けた小売業のイオンの中が舞台になってるけど、小売業はそれぞれの消費価値と個性を尊重している思うだけに、サブカル禁止の行動が様々な個性を集約するショピングセンターの中で繰り広げれるのは如何なものか?
細々とした事を言い出したらキリがないにしても、ウンチクも含めたそんな細々とした事がサブカルの醍醐味なのに、世界観の細々が緩い。
世界観の緩さもさることながら、設定も甘い。
会話のテンポは良いのに、ストーリーのテンポになると途端に緩い。
全体的にどうにもユルユル。
SFにしても、青春ドラマにしても、中途半端。
これなら、もっと雑貨のウンチクについて、振り切った方が良かったのではと思います。
ただ、この作品を他と迎合しない、個性を確立したサブカル位置での作品とするなら、まさしくそれ!
…なんですが、作品の面白さにはもう少し煮詰めて欲しかったなぁ。
ヴィレヴァンは好きで良く行くんですが、作品は店舗程の良さを見つけられなかったかな。
個人的にはちょっと残念です。