「題名のない音楽会」蒲田前奏曲 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
題名のない音楽会
仙台で上映されるだろうと待っていたが東北では劇場公開されなかった
宮城県で上映されるかされないかの線引きはよくわからない
初めから上映されないと分かっていたら東北自動車道で東京の映画館に足を運んでいたのかもしれない
舞台は蒲田で懐かしいテーマ曲を耳にするが蒲田行進曲とは直接関係ない
松林うらら出演系プロデューサー
若いのにたいしたもんだし美人はなにかと特だ
もちろん美人なだけで箸にも棒にもかからない無能では任せてもらえまい
黒澤映画の『夢』に感銘を受けて役者を志したらしい
なんとなくだがわかるような気がする
『七人の侍』とか『生きる』とか『椿三十郎』などではなく『夢』に感銘を受ける人が世の中にはいるのである
僕は『醜聞』なのでヒトのこと言えないけど
松林うららが演じる蒲田マチコは売れない女優
ラーメン屋でバイトしている
主演ではない
狂言回しみたいなものだ
これに限ったことじゃないが子供の頃からオーディションのシーンってなんか可笑しい
第1番蒲田哀歌
監督中川龍太郎
バイト先で弟に紹介された弟の彼女セツコ(古川琴音)と親しくなる
マチコとセツコの質問コーナー
マチコは街でセツコは室内
セツコの方は後ろに男がいたらエッチなインタビュー作品のようなシチュエーション
セツコはTHE BOOMやチューリップじゃあるまいし「風になりたい」と本気で願う素っ頓狂な女の子
第2番呑川ラプソディ
監督穐山茉由
一軒家の屋上で女子会
マリ(福田真由子)がもうすぐ結婚するらしい
二次会は地元の蒲田温泉
お風呂あがりに修羅場
マリの婚約者が浮気している現場?に遭遇
浮気された本人より糾弾するハンナ(伊藤沙莉)
1人だけ風呂に入らないハンナ
1人だけ派手な衣装のハンナ
本社がシアトルの会社に勤めているハンナ
ハンナ曰く「オーマイゴッド」はスタバの店員でも言わない
次々に女子たちがカミングアウトするのが面白い
嘘か本当か知らないが死体役が汁男優なみのギャラとはショックだった
第3番行き止まりの人々
監督安川有果
metooをテーマとした映画のオーディション
漫画家のゆうきまさみもだいぶ前に指摘していたけどレイプとか痴漢は厳密に言うとセクハラではない
電車内で痴漢どころか痴漢から完全に逸脱している豪快かつ大胆なAVがあるがそんな履き違えに近いと言えば近い
黒川(瀧内公美)とコンビを組んで芝居をするマチコ
怒りと悲しみを噛み殺す瀧内公美のリアルな芝居はマジで怖い
プロデューサーの隣りが監督でその隣のパッとしないのが助監督だろうか
第4番シーラカンスどこへ行く
監督渡辺紘文
モノクロ
そこそこの田舎
雪が降っていない程度の冬
凍空に鉄塔に枯れ木に焚き火
小太りのメインインブラックな映画監督が長々と喋っているだけ
この企画の映画のパロディっぽい
遠目ではわからなかったがリコさんは大人じゃなくて子役だった
子役に聞かせるような話じゃないじゃんと可笑しくなった
余暇に尻取りで「母ちゃん」と言ってしまう監督
最後の方はなぜかカラーになる
僕はわりとこういう映画は好き
これももしかしたらコメディーなのかな