「生まれて初めて見て後悔した映画」アジアの天使 リョービさんの映画レビュー(感想・評価)
生まれて初めて見て後悔した映画
監督のことは知らないが韓国が好きで韓国語も話せるので楽しみにしていた映画。
しかし最初からつまらない。
何もかもが薄っぺらすぎてムカつきがとまらなくて思わずレビューしてます。
なんでこんなムカつくのか自分でも不思議です。
ただとにかく薄っぺらい。
それがたまらなくむかつく。
というのも細かい設定がありえない。
まずタクシーの中でiphoneで「日韓関係過去最悪」というニュースを見ている。
つまり回線が繋がっているにもかかわらず目的地を探すのにノートを見ながら彷徨う。
回線が繋がっているならグーグルマップで行くでしょ。
そして目的地に着いて見知らぬ韓国人と言葉が通じない事から韓国人と揉めるが、お互い言葉がわからないならグーグル翻訳使うでしょ。
そして兄に会い、良い仕事があるから日本での生活を全て引き払ってきたと主張する弟。
おいおい、ソウルなんて東京から2時間の距離だよ、VISA無しで90日滞在できるの引き払う前に一回見に来いよ。一番近い外国の韓国なのにとても遠い国に来たような演出、大袈裟すぎる。
近いソウルにそんな大袈裟過ぎる覚悟で来た割には韓国語も全くわからず事前の下調べもなしに来る設定がありえない。もう開始十分ほどで興ざめ。
兄から良い仕事があるのに兄の軽い雰囲気にキレる弟だが、コスメの輸出で儲かっていて韓国のワカメのビジネスの話をされるとすぐ納得する弟。覚悟の割にそんな簡単に胡散くさい話に納得する?
トラブルの展開もわかりや過ぎて退屈さを増す。
案の定韓国人パートナーに騙される兄。しかしなぜかすぐワカメのビジネスをしに行く兄弟。
おいおい普通まず、警察と大使館行くだろ。
そもそもあんないい加減な仕事の感じでどうやって労働VISA取ったの?
観光VISAで来たらのならあの大袈裟な覚悟の渡航の設定がありえないし。
映画なんだから細かいところはいいじゃんという考えも理解できる。
しかしありえなさ過ぎる、もう少し現実に即した設定にしてほしい。
外国が舞台になると日本では何でも許されるのか?それともこれが普通の日本人の外国に対する感覚なのだろうか?
そして日韓関係の悪さをところどころで演出。
これも大袈裟過ぎる。
日韓関係なんてマスコミは大変だーと宣伝するが民間はもっとポップだよ。
関係の悪さや言葉の壁を乗り越えて理解しようみたいな趣旨なのだろうが韓国を選んだのならもっと設定にリアリティが欲しい。
日韓関係もそうだが弟が一人で食事をしに行くシーンで韓国でもだんだん少なくなっている伝統市場を出し異国情緒を醸し出しているのかもしれないがこれも現実の韓国を表現していないと感じる。
IT分野、半導体、家電製品を始め日本を圧倒してる分野も数多い科学立国である韓国の近代的な町並みではなくなぜ途上国を思わせる演出をするのだろうか?
しかもソウルでしょ?
とにかくつまらなく、我慢して見ていたが退屈な展開がずーっと続くので途中で帰りました。
韓国が大好きなので本当に楽しみにしていましたが設定や日韓関係や韓国に対する考察が薄っぺらすぎてがっかりした。
そしてヒロインの女優さん韓ドラで在韓朝鮮族出身中国人を演じた女優さんなのでその印象が強く日韓友好を伝えたいのだろうが中華系の雰囲気を感じ、そしてみんなでご飯を食べたのも中華料理屋。
あまりにも多様性を意識してるように見えてこれも何故韓国を舞台にしたのか謎?
私は韓国以外の国でも仕事で住んでた事があるのでこの映画の外国人との相互理解は全く共感できず。とにかく薄っべらい。
日本の島国根性、そして察しの文化に象徴される一方通行ガチな日本のコミュニケーション。多くの外国人はきちんと意見をいい、最低限の感情は伝える。
それになのにビールちょうだいと愛してるだけで相互理解を含めようとするこの映画の趣旨には全く賛同できない。
ここまで書いてなぜムカつくのかわかったが理想論ばかり述べて全く英語以外の言語を勉強しようとせず郷に入れば郷に従わない海外の日本人とこの映画の趣旨が重なるからだろうか?
異国を理解する事は言葉、歴史、文化、違いを尊重することだと思う。単に気持ちだけで理解できるなら理想だがそんなに甘いものではない。
とにかくこの映画は大嫌いだ。
ただ唯一、オダギリジョーの演技だけが良かった。
私の中でワーストワンの映画です。