「対岸に在った加害者と被害者」おかえり ただいま エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
対岸に在った加害者と被害者
日本の司法のあり方を問い続ける齊藤潤一監督作。今作は事件までをドラマで、そして事件後をドキュメンタリーで構成し『名古屋闇サイト殺人事件』の深層に迫る。
2007年8月24日深夜、帰宅途中の女性が携帯電話の闇サイトで知り合った三人の男に拉致・殺害・遺棄された。
被害者の子供の頃から事件当日までの生活をじっくりと描いた。斉藤由貴、佐津川愛美、大空真弓、浅田美代子という四人の女優たちが幸せの時間を紡いだ。
一方で被害者の命を絶ち主犯となる男の人生を追った。愛情を知らず決して救われることはなかった。
男は被害者をハンマーで何十回と叩打したようだ。
彼は死刑を望み、死刑となった。
世界でも有数の『治安が良い国』とされる日本だが、何の希望もなく壊れてしまった人がどれだけいるだろう。そしてそんな人たちの存在を意識することなく幸せに暮らしている人がどれだけいるだろう。
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