シュシュシュの娘(こ)のレビュー・感想・評価
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自主制作らしい、愛らしいB級感
ダンス、忍者装束、吹き矢、そんなわけないものに静かに熱心に努力をしていく主人公の姿が愛らしくも可笑しい。これが最終的に既存ヒーローのパロディかのようなところまで成長することで映画がクライマックスを迎える。このコメディともシリアスともつかない温度感はサクッと受け入れられた。つかさ先輩との情事の後の美宇が歩く歩幅にもそんな中間色の彩りを感じたし、彼も忍者だというトゥーマッチな設定もそうだった。ちくわ好きという設定もまさにその意味で絶妙だった。自主制作らしいB級感溢れる作風だと思う。
基本的にこの映画は、この絶妙な味わいを楽しむものだと感じていて、政治批判みたいなものは主題ではないと捉えた。本を書くきっかけにはなっているだろうけど、この映画が訴えたいことでは全くないように感じる。でなければこんなB級な描き方をしてはいけないと思う。
閉鎖的な環境にある田舎町を舞台にするにあたって、リアルとディフォルメの間を行き来しながら、飽くまでこの主人公の背景として存在しているんだと捉えると、あまり不自然にも興醒めにも感じなかった。
ただ、やはりそう捉えても雑味は多かったと思う。
僕が捉えた通りの狙いなのだとしたら、間野さんの自殺は明らかに重すぎる。このあたりが、何をしたいのか分からない映画にさせてしまっていて、それは結構大幅に減点要素かなと思った。
ある意味ヒーローものですw
政治家・役人という悪に立ち向かう忍者の血を受け継ぐ娘。
ある意味、そういうストーリーでしょ。
非常に地味な映画だと多いますが、意外とおもしろかったです。
悪を皆殺しにするところも、最後の展開も、
ヒーローものだと思うと、そんなに違和感ない。
気軽に楽しむべき映画だと感じました。
微妙な仕上がり
福田沙紀ちゃんは可愛かったけど。
公文書改竄、良心ある役人の自殺、隠蔽、事実を知る人間への嫌がらせ、移民排斥、人種差別…
昨今の時事ネタを盛り込んでいるのはいいけれど。
微妙な作品。
尊敬する先輩や祖父など、殺された人々の復讐は、本来は改竄を強要した市長や市役所の上長たちの悪事を働いた動画公開に集約されるはず。
エンタメとしてすっきりさせる、盛り上げようという意図は分からなくはないのだが、動画公開がされたのに、ラスト近くにアクションを入れ込んだのは、意味を感じませんでした。
あれが公開されて逆上した市長側が、再び総出で主人公宅を襲いに来たのであればわかるのだが。
最終決戦には納得したけど。
また、唾液の付着した吹き矢を刺さったままにしたり、顔を見られた飲食店スタッフをそのまま見過ごしたり、燃料切れのバイクを現場に放置したりと、犯人がまるわかり……
すぐ前に観た『ベイビーわるきゅーれ』は、殺しの後の遺体片付け業者を用意してリアリティラインの調整をしていたが、本作のリアリティがどこにあるかは戸惑いました。
もっとギャグに振ってよかったんじゃないかと。
時事ネタを入れたせいで笑いが薄くなり、自主製作系の「甘さ」をあえて残したような仕上がりになってしまって、しっくりきませんでした。
ちょっとドジっぽい娘が、忍者の末裔だけに最後は悪い奴らを吹き矢で殺...
ちょっとドジっぽい娘が、忍者の末裔だけに最後は悪い奴らを吹き矢で殺ってくれました。福田沙紀さんは、ほんとに演技がうまいですね。
本作に携わった皆さんに心から敬意!
入江悠監督がコロナ禍で仕事を失った現場スタッフや苦しむミニシアターを応援したい!という想いから立ち上げたプロジェクト。微力ながらクラファンにも参加させて頂きました。
明確な政治的メッセージを持った作品。
シリアスなテーマなのに主人公の設定が忍者なのでギャグ?と思いながら混乱しつつ鑑賞していましたが、ラストを観て納得。色々なバランスを取る為の手段としての忍者。
菅首相や官邸の圧力で報道の自由度もガンガン下り政治的なテーマがタブー視される昨今。こんな状況で戦う姿勢を見せてくれたスタッフや演者の皆さんを心から尊敬します。
虚偽、隠蔽、改竄が普通になった安倍政権から続く政治の腐敗。利権最優先で困窮する経済弱者は見て見ぬふり。内閣情報調査室や自民党ネットサポーターズクラブがSNSで世論を誘導して現政権に批判的なネタは徹底的に攻撃する。酷すぎて溜め息が止まりません。
ジャーナリズムが死にかけている今、エンターテイメントで強いメッセージを発信する気概を持った人達がいてくれることがとても心強いです。
リアリティのバランスがねぇ、、、
分かりやすすぎる社会風刺というか、ストレートすぎて風刺と言っていいのか悩む。
権力者の不正がらみの件のリアリティが低すぎる。条例に“排除”という言葉はいくらなんでも使わないでしょ。
実社会の権力者の方が狡猾でさも“良い事をしている感”の気持ち悪さがあって怖い。
ジャンル映画的な“分かりやすさ”を追求したのかもしれないが、だったらもっと寓話的にしても良かったのでは?
作中「コロナ」という単語も出てくるので、現実と地続きの“コロナ後“の世界なのかもしれないが、ほとんどの人がマスクをしていない。だったら、言わなきゃいいのに。
最後の『イングロリアスバスターズ』的、風呂敷たたみの大虐殺も、こういう軽い映画だからこれくらいの逸脱は良いかとも思うが、殺しのバリエーションがなすぎて面白みに欠ける。足りない予算はアイデアで補ってもらいたかった。どうせ漫画みたいな映画なんだから竹輪を吹矢にするくらい逸脱してもらいたかった。
入江監督の久々の自主映画という事で『サイタマノラッパー』シリーズのような画面から滲み出るエモーションと努力の積み重ねを期待していったが、そういうタイプの映画ではなかったようだ。
痛快。って言う訳じゃないけど。
ワイドショー・クオリティの社会派ネタにはウンザリだけど。ちょっちょちょで捻りが入って、え?そんな展開?
で、地味にハマる感じが、割と楽しかった。
福田麻由子→福田沙紀の福田ハシゴとなった日曜日。吹き矢の初速は、筒の剛性が高くないと上がらんでよ。なんて一人でツッコミながら、福田沙紀のヤッターマンを懐かしく思い出したりしながら。そう言えば、ドロンジョは深田恭子だったよねぇ。この映画とは、何の関係も無いけど。
などなどなど。
展開が無茶緩いんで、いろんな事を考えながら見てしまった浮気者は、私ですw
最後、あれ、全員死亡?
緩い割に、大層な終わり方だこと。
そのすっ呆け方、結構好きかも知れませんw
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