「艦隊戦○それ以外は普通のアニメ。頭痛、不快」シドニアの騎士 あいつむぐほし tikさんの映画レビュー(感想・評価)
艦隊戦○それ以外は普通のアニメ。頭痛、不快
※アニメ未見、原作読了
アクの強いアニオリキャラがしゃしゃり出てきてウザすぎる。
金髪リーゼントはセンスを疑う。
意義があってやっているならともかく、大した役ではなかったので後から不快感が出てくる。
その程度のモブはあっさり死んでいく生死観が原作の魅力の一つだったはず。
戦闘シーン、シドニアを中心に艦隊戦はとにかく規模がデカくて迫力満点。
音がデカすぎて一日中頭痛がした。衛士がブーストを炊くカットが多すぎて疲弊する。
BLAMEの重力子放射線射出装置がずっと鳴ってるレベルでうるさい。
日常パートは振り付けも声優の演技もとにかくオーバーリアクションで安っぽい。
原作は淡白なテイストだから成立していたが、下手に感動を全面に押し出していて独特の空気感を欠いている。
原作の流れを相当圧縮しているのにも関わらず、見苦しい演技のせいで間延びしているような感覚にもなる。とにかく不快感。
ラストシーンはシンプルなハッピーエンドで、そこは原作から納得できかねる点だったが原作再現度は高く、特筆すべきことはないので、少々寝た。
納得しかなる点というのは、シドニアの騎士は後半からつむぎと主人公、イザナと緑川といった異形や同性間の恋愛が重要なテーマに対して、最終的には「形自体を変えてしまえばいい」という安直な答えで終わってしまう事である。
性別や姿を技術によって自由に選択できるシドニアの技術レベルだからこそ異形でも愛している、同性でも愛している、というテーマは輝いていたはず。
言ってしまえば、現実の誰かが抱える問題に対して空想の技術でしか救われないよと言っているようなもので、そこに救いもドラマもない。
というか、死んだ後に人格を転写した存在というのはその場で泣いて喜ぶほど受け入れられるものなのか?
ぽっと出の技術にも感情にもついていけないことで、ハッピーエンドという状況を素直に受け入れられない最後だった。
BLAME映画のような重厚感もなく、「普通の深夜アニメ」に成り下がってしまっている。
二瓶勉作品を映像化してくれるのはありがたいが、ポリピクのどれもこれも似通った描き方にはいい加減飽きてきた。このスタジオに次はない。