ようこそ映画音響の世界へのレビュー・感想・評価
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音響、おもしれー!! 自分は、大好き!!
俺は、映画館が好きだ。当たり前かもしれないが、映画館で観た映画の印象は、TV画面で観た映画よりも評価が一段階上がる。 今まで、「真っ暗な中で、他に何もできない状態だから、映画を観るしかない」 という状況が好きなのだということには気づいていたが、本作を観て、「大音響で、かつサラウンドであること」 も俺が映画を好きな理由のひとつなんだなあ、と実感した。 自分には、とにかく面白かった。そういえば、中学生の頃に 「効果音」 というレコードがあることを知ってほしくてしょうがなかったことがあったなあ。スターウォーズ以降がひとつの中心となっていることも、世代的にジャストミートなのだろう。 「人の声は心を動かすんだ」 異生物の声を作るために、トラ(の鳴き声)を逆回しし、ライオン(の鳴き声)を合わせる あの足音を作る人になりたい、と音響に飛び込む若者たち。 60年代、社会不安や政治。映画は逆行するように、楽しさを求め、ハリウッドは地盤低下し、スタジオでの映画制作は激減。そこから、コッポラ、ルーカス、ウォルターの出現で、大変化していったということ。映画音響をステレオにしドルビー化されたインパクトは1976年のバーブラストライサンド版の 「スター誕生」 だということ。ルーカスの 「THX1138」 は興行的に成功しなかったが、「スターウォーズ」 の飛躍へとつながっていくこと。そして、「スターウォーズ」 が、映画音響の世界をすべて変えた、ということ。ウーキー族(チューバッカの属する生物種)の音声を作りこむことに1年間を使ったという驚き。シンセサイザーでの制作ではなく、現実の音から作ったということ。抑揚が意味を伝えると彼らは考えていること。もう、この映画が時間を振り返って教えてくれることが、すべて、楽しい。 さらに、「地獄の黙示録」 で、5.1チャンネルの導入。ピクサー社の登場による、アニメ+正しい音 という世界。そこで使われた "本物に見せる音" は、人工音ではなくまたも現実の音だったという驚き。自然の音を録音して使うと、そこには様々な音が重なりあっており、なかなか合成だけではその厚みが出せないという驚きと納得。 映画制作の中に、音響デザインという仕事があり、音楽・効果音・セリフの3つを最適なバランス、ベストな音量にしていくことを何週間もかけて行っているということを知った驚き、そして憧れ。ちょっと魅力的な仕事じゃありませんか? まあ、そう感じる人以外は、この映画を観にこないんだろうな... 「映画は、感情に触れる場所だ」 という素敵なシメ台詞。ああ、この映画を観て、ほんとうによかった!!!!
『インセプション』と『TENET』のサントラが最近のお気に入り
だったのでノーランやハンス・ジマー、ゴランソンも出てきてテンションアップ! ステレオになったのが意外と最近だったんだねえ。基礎編という感じだけど、こんなの知る機会なかったから満足です。 フィルムに波形のアナログ信号、パーフォレーションの間のドルビーデジタルの信号、DTSの同期信号、SDDSの端っこの青のデジタル信号がプリントされていたのはみて知っているが、今はどうなっているんだろう。
ならばカサカサ音のポップコーン販売中止の検討を。
感動的な蘊蓄だがこれが正なら映画館はカサカサ音のポップコーン販売中止の検討を。 トレーで山ほど買う客を見て毎回映画館が嫌いになる。 流石に本作には居なかったが。 泣かせの構成はニューシネマパラダイス風。 それでもスターウォーズはツマラヌ。
少し昔は軽んじられていた音響
ハリウッドの映画音響についてのドキュメンタリー。 冒頭で、映画は映像ばかりが注目されがちだが、無音ではどうなるかと・・・通常版と無音版の比較がある。 そういや、今は亡き泉都町のスカラ座で観た「プライベート・ライアン」はすごかったなぁと思っていると、そこにも触れられていて嬉しかった。 1年間以上かけて採取した効果音を多用した「スターウォーズ」、サラウンドを開始した「地獄の黙示録」、「ジュラシック・パーク」、「マトリックス」などなど、映画が好きなら見覚えがある作品の実例を紹介していくので、とっても楽しいドキュメンタリーだ。 特に印象的だったのは「トップガン」で、F-14 トムキャットのアフターバナー等の爆音も動物の鳴き声等を合成したものだったことだった。
映画館で観られたことに感謝。 特殊効果音、臨場感を出すための音。 ...
映画館で観られたことに感謝。 特殊効果音、臨場感を出すための音。 音響の世界は興味深い。 映画をお好きな方にはもちろん、どんな方が観ても映像と音の世界の面白さと奥行きの深さを感じられるんだろうな。自分はちょいちょい涙しました。
【なんとも贅沢な時間】
映像音響は、リアリティと想像力、アナログと先端テクノロジーが調和したものなのだと改めて感じる。 ワクワクする時間だった。 個人的には、5.1サラウンドの初の映画が、「地獄の黙示録」で、冨田勲さんのシンセサイザーの「ホルスト・惑星」にインスパイアされて、取り入れられたと聞いて、なんか嬉しくなった。 僕が、中学の時、初めて買ったクラシックレコードが冨田勲シンセサイザーの惑星だったからだ。 それから、僕はエレクトリック音楽に興味を持って、YMO、そして、今はPerfumeもお気に入りだ。 また、相当長い期間、映画がモノラルだったことも初めて知った。 地獄の黙示録が公開された1979年は、ウォークマンの初号機が発売された年でもある。 僕は、本当はアルバイト禁止なのに、単発のアルバイトをちょいちょい許可してもらって、お小遣いと合わせて、親に頼み込んで分割で、これを買ってもらった。 付随のデモテープの自動車が左から右に駆け抜けていく空気をつんざく音を聞いて興奮したことを覚えている。 映像もそうだが、音も記憶や興奮を呼び覚ます。 これからも、見たことや聞いたこともない世界に、僕達を連れて行って欲しい。 この作品、取り上げている映画も、皆がよく知ってるメルクマールとなるものばかりだ。 キューブリックが後に駄作と言った「スパルタカス」も、戦い前の兵士が大挙する場面を音とともに改めて見ると、やっぱり、この映画はすごいと思わせてくれる。 この映画音響の作品自体が、僕達の昔観た映画の記憶と興奮をさまざまな角度から呼び覚ましてくれる。 多くの映画ファンが心から楽しめる作品だと思う。
最高に面白かったです!ストーリーや映像、キャストの演技意外で映画の...
最高に面白かったです!ストーリーや映像、キャストの演技意外で映画の世界に入り込ませてくれる大事な要素が音なのだということを教えてもらいました! 映画キッカケで、トップガンを再見しましたが…ネタバレされてもわかんないーー!と嬉しい身悶え。
映画ファンはもちろん必見。
ジョージルーカスとコッポラの関係とかまで掘り下げてくれると思わなかったので非常に嬉しかった!今まで視覚効果賞とか、音響効果賞とか、なんとなくで、ああこの作品なんだって観ていたけど、こんなにも奥深いものが組み合わさっているのだね。 現役の音響デザイナーさんのお話とか、羨ましくて仕方がなかった。 「こんなに楽しいことができて、お金ももらえるなんて最高よね」なんて言ってて、自分も心の底から楽しいと思える仕事と出会いたいです。 ウォルターマーチも仕事と人生のことについてなにか語っていて、正確には思い出せないんだけど、きっと人生にはやりがいのある仕事が必要だとかなんとかだと思う、 追記 あとこれは全く映画とは関係ない愚痴なのだけれど。劇場で、隣に座られた老女が上映中に激しい音を立てて眠られました。そして、映画が終わると知人と話して「長かったね」と。静かにするだけのことが守れないのなら、映画館にくるべきでない。これは子供も大人も関係ない。特に音響の映画だって分かってるはずなのに、こういうことをされるのは非常に悲しい。ひとりひとりが見合った金額を払って観に来てる。エンドロール中わたしが涙ぐんでいる真横で、こんな長いと思わなかったね、なんて話されてると流石に頭にくるよっていう話でした。
今でも違いがわからない「音響編集賞」と「録音賞」
アカデミー賞の歴史の中でも統合されたり、「音響効果賞」と「音響賞」があったりして、今ではもうどうでも良くなってしまった・・・この映画を観た後でもやっぱりわからない・・・ 映画の音響部門にスポットをあてたドキュメンタリーで、映画の歴史がよくわかるドキュメンタリー作品となっていました。無声映画、トーキー、モノラルからステレオ、ドルビーシステム、5.1サラウンドといった流れ、そしてエポックメイキングな作品を取り上げていたのでわかりやすかったです。もちろん、知ってる映画が登場すると、「おー!」と声をあげそうになったり。 『スター誕生』(1976)が初のステレオ作品という驚き。ビートルズの「レボリューションNO.9」が聴けたり、冨田勲から生まれた5.1サラウンドというのも意外でした。個人的には座席が振動する『大地震』(1974)も取り上げてほしかったなぁ~などと思いつつ、効果音秘話にも驚かされ、現代の音響システムの大切さが身に沁みました。 ちょっと残念だったのは、いかにもTVでやりそうな企画や構成だったために、全体的には駆け足すぎてるなと感じてしまいました。せっかく映画館で観られるんだったら、もっと最近の迫力ある映画を中心にしてもらいたかったところです。せっかくのウーハースピーカーがもったいない。
バーブラ・ストライサンドの偉大さに震える作品。
狂気の名作として映画史にその名を刻む『地獄の黙示録』が、映画音響の面でも非常に大きな役割を果たしたことを、文字通り体で実感させてくれます。太陽(夕陽?)を背景に飛んでいくヘリコプターの姿を映した『黙示録』のオープニングは、何度見ても鳥肌が立つほど感動的ですが、改めて音楽や効果音にも着目してみると、その凄さに圧倒されます! これまで歌手として、女優として、また映画監督としてバーブラ・ストライサンドの偉大さについてはある程度理解しているつもりでしたが、本作で彼女が、映画音響の技術的な発展に巨大な足跡を残していたことを知り、今までの浅薄な認識をむしろ恥ずかしく思いました。 本作で語られる内容は、本当に驚くべきことばかりで、これまでの映画の見方が変わる事はもちろん、今後映画作品を見る際の姿勢も変わってしまう人も多いでしょう。 表題の通り、本作は映画音響に携わった人々に焦点を当てたドキュメンタリー作品です。作品は大きく二つのパートに分かれていて、前半は映画音響の発達史を時系列順に示し、そして後半では音響の様々な部門の役割と、それらのつながりについて解説しています。では退屈な技術ドキュメンタリーかと言えば全くそのような事はなく、本作では長々とした説明的な描写はほとんどありません。場面ごとに、最も重要な作品、人物を取り上げて、それらが一体どのように重要であるかを、もちろん劇場のスピーカーを使って体験させてくれます。 『トップガン』の迫力ある排気音が、実際にはどのような素材を使って作り上げられてきたのかを知った時は本当に驚き、またピクサー作品が、単なる効果音だった一つひとつの音に生命力を与える方法を確立したことを知り、非常に感動! そして作中で映画音響のベテランが語った、「自分の仕事がうまくいったことをどうやって理解するのか?」と言う問いに対する答えが秀逸でした。参考にします!
チューバッカの声に約1年
「スター・ウォーズ 」のウーキー族(チューバッカね)の声を作るのに掛かった時間、約1年。 凄え世界で働かさせて貰ってるなぁと自分を見直す上でも勉強になった。 映画の中でどれだけ音が重要なのか。 まじまじと感動する作品です。 映画好きは是非(^ω^) ただ、歴史の流れを追うのが中心なので 「その音はどうやって?」 みたいな分析がちょい弱かったんですよね。 そこ、観たかった(^_^;)
分かっていなかった映画音響の世界
分かっていたようで、分かっていなかった映画音響の世界。 どうしても音楽の方が目立ってしまいますが、よくよく考えたら、音響の方が重要だなと思いました。 しかし音楽の方は名だたる巨匠がいますが、音響の方はあまり知られていません。 いや、知らないのは自分だけで、業界人の間では、今度の作品もあの人にお願いしよう!とか、今度は宇宙物だからあの人にお願いしよう!とかあるんでしょうね。 今度から映画を鑑賞するときは、音響面も意識するようにします。少しだけですけどね。
今年のドキュメントで文句なしNo.1
ようこそ映画音響の世界へは気になったドキュメントで観たかったが、ようやく観る事ができた。ハリウッド映画の音響の舞台裏を知る事ができて勉強になり映画を楽しむさらなるヒントになった。映画は内容、ストーリー、演技だけではなく、実は映画音響が一番大事だと改めて痛感した。せっかくの映画でも音次第で台無しになる。ハリウッド映画音響の舞台裏を通じて改めて痛感した。スピルバーグ監督や デヴィッド・リンチらハリウッド映画スタッフが映画は音響、音も大事だよとのメッセージが納得できた。また、ハリウッド映画音響の歴史も理解でき、文句なし満点。今年のドキュメント映画No.1だと思います。
USJアトラクションの盛り盛り版でしあわせ
けっこう昔にUSJに行ったときに、入り口近くにあったアトラクションがとっても印象的で、 確かユニバーサルの名作のシーンがいくつか流れた後、スピルバーグが出てきて「映画の世界へようこそ」って言ってくれる内容だったと思う。 そのあとスクリーンが開いて、実際の映画のセットを体験できる、映画ファンとしてはたまらない内容だった。 まだあるのか分かんないけど。 で、 今作はその盛り盛り版。 ユニバーサルだけ、だなんてみみっちいことを言わず、ハリウッドが生み出してきた大作たちの、音響製作の裏側を覗かせてくれる、ワクワクが止まらないひと時。 エンドロールを見ながら思っていたのは、良くもこう、次から次へとうまい具合に天才たちがそこに現れ、作品を生み出していったものだな、ということ。 ちらっと黒澤映画も出てくるが、日本のそれが職人技で生み出されたのに対してハリウッドは、どことなくうっかり天才のひらめきや狂気が世の中に漏れ出してしまった感がある。 やっぱりアメリカのショービズほど、アメリカンドリームが似合う世界は無いなぁ。
感動した
良い音の映画が有るのはわかっているが、音響を作るって事の重要さを改めて認識出来た。 バーブラ・ストライザンドが映画へステレオ導入の為に100万ドルの私財を投入した話など感動した。 映画ファンなら一度は観賞して欲しいと思う作品だった。
映画/音を軸にひとつの物語になっており感動すら感じました
ガチ傑作ドキュメンタリーだった! 予想してた“あのSEはこんなモノで音出してた”ってのは少なかったけど、音響に関わる様々な仕事を録音/編集技術の進化とともに探っていく。 音のみに限らず映画の歴史が丁寧に説明されてる。 映画/音好きなら必見! 音の作り方の豆知識より、音を映画にどう組み込んできたか、映像と物語に比べて重要じゃないとされた要素をどう認させてきたかを音楽史をなぞりながら描く。 映画/音を軸にひとつの物語になっており感動すら感じました。 音響がいかに重要かを伝える役目として、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、デヴィッド・リンチ、ジョン・ラセター、クリストファー・ノーラン……と名だたる名監督が結構な量出てくるのがすごい。 彼らにしても意味があるドキュメンタリということです とにかく丁寧でわかりやすい作りなので音響に関わらず映画史を勉強するのにもうってつけ。 名作がなぜ名作とされているか。 技術の進歩、時代の移り変わり、名スタッフの関係性…など色々と学べる。 と同時に名作が見たくなる。特にスピルバーグ作品! 取り扱う映画作品がエンターテイメントからアート系まで幅広いのもよい。 アートだけじゃなく大作だけじゃなく、どれもが革新的なことをしている。 時代を振り返ったあとに音響が複数役割で作られているのを解説する。 ここまでに何度か表示されていた3グループ7役割の表を元に説明してて”あぁ、この表はそういう意味だったのか!”と感銘を受けた。本作の鳥肌部分。 原題はMakeing Waves。さらになるほど! 音響の切り貼りと関連してミュージック・コンクレートも結構出てくるのが面白い。 音楽と映画は”BGM”だけじゃなく”音響”の点でも密接に関連してるんだなぁ。 ただ褒めまくるだけでなく、仕事ノイローゼや差別問題など業界が戦っている部分もちょこちょこと入れている。 なんとバランス感覚のある優等生な映画だこと; 音が記録されることの素晴らしさ。さらには映画が過去の出来事/あやまちを描くことに意味も感じられる。 見たあとに映画っていいなぁと思える作品でした。
“生けるレジェンド”の総出演! 映画マニアの知識欲をくすぐる
「ようこそ映画音響の世界へ」(原題:Making Waves: The Art of Cinematic Sound)。
ホームシアター・ホームオーディオ愛好家が狂喜乱舞しそうなドキュメンタリーである。
ハリウッドが引っ張ってきた映画技術の根幹こそが、“オーディオ”であることを改めて認識することになる。逆に言うと“趣味としてのオーディオ”は“映画”の発展なしには語れない。
映画の発明から130年。エジソンのキネトスコープ(1890年)、リュミエール兄弟のシネマトグラフ(1895年)には、「音」がなかった。エジソンは自身の蓄音機(1877年)でそれを補完するロードマップを描いていた。エジソンの頭のなかには、現在の映画の姿があったといえる!
なにより本作は、映画マニアの知識欲をくすぐる。観終わると、“これ知ってる?”と嬉々として、映画ウンチクをひけらかすことができることウケアイ。
ジョージ・ルーカスの「THX-1138」を手掛けたアメリカン・ゾエトロープ社の倒産危機を救ったのは、「ゴッドファーザー」だったこと。ビートルズのマルチトラック録音が映画にも影響を与えたこと。冨田勲の4ch「惑星」からサラウンド映画へ発展していくことなどなど。
1927年の初トーキー映画「ジャズシンガー」から始まり、作品の映像をふんだんに使って、時系列で映画音響の進化を解説してくれるのが分かりやすい。
そして、“生けるレジェンド”の総出演である!まったくスキがない。「スター・ウォーズ」のベン・バート、「地獄の黙示録」のウォルター・マーチ、「ジュラシック・パーク」のゲイリー・ライドストロームが当時のクリエイティブ現場を熱く語る。
さらにジョージ・ルーカスやスティーブン・スピルバーグ、デビッド・リンチ、ジョン・ラセター、クリストファー・ノーラン、バーブラ・ストライサンド、アン・リー、ソフィア・コッポラ、アルフォンソ・キュアロン、ライアン・クーグラーへのインタビュー。それぞれの監督の代表作の映像が惜しげもなく大開放される。権利関係が複雑なハリウッド業界において、出来そうで出来ない奇跡的な映像コラボレーション作品に仕上がっている。
ひとことで“映画音響”といっても、サラウンドや特殊効果音だけではない。じつに多岐にわたる。
「Voice(セリフ)」。
「PRODUCTION RECORDING(同時録音)」。
「DIALOGUE EDITING(環境音さしかえ)」。
「ADR(アフレコ)」。
「SOUND EFFECTS(効果音)」。
「SFX(特殊効果音)」。
「FOLEY(フォーリー)」。
「AMBIENCE(環境音)」。
「MUSIC(音楽・劇伴)」。
それぞれの役割と製作方法を技術者が具体的に解説してくれる。すべてを理解できると、作品のスタッフエンドロールの読み方も変わってくるはず。
もうひとつ、ヒッチコックの映画術を解説した「ヒッチコック/トリュフォー」(2015)と並び、映画制作の道を志すものなら絶対に見るべき作品だ。映画の“基本のキ”である。当然、映画の専門学校の教材バイブルになるだろう。
監督のミッジ・コスティンは、本作が初の長編作品となるが、もともとハリウッドで25年も音響デザイナーとして活躍してきた“裏方のひと”。女性の音響編集者は珍しいが、USC映画芸術学校でも教鞭を振る彼女らしい内容に仕上がっている。
(2020/8/29/ヒューマントラストシネマ渋谷 Screen1/ビスタ/字幕:横井和子)
ハリウッドの音響を称える為に、ハリウッドのみんなで制作した業界自賛映画。合言葉は「会社は理解していない」。
この映画こそ、配信ではなく、映画館の良い音響下で味わう冪”ザ・映画”である筈が。。。 BS・NHKやディスカバリーチャンネルが制作しそうな”音響ビギナー向け教育コンテンツ”であった。 本映画は特に目新しい何かを教えてくれた訳ではなく、 鑑賞者にありきたりに”音響の重要性”を復習をさせたに過ぎない。 皆無ではないが、映画館の音響設備(5.1ch)でしか味わえない部分はごく僅かであり、 これからの音響の未来・将来の方向性を語ってくれる事も無かった。 そして、映画の中での高音と低音の違いや、音の干渉(音の多重録音ではない)とゆらぎや反響 といった技術的な教えもなかった。 エンディングタイトル位は すべての技術を駆使した「花火(デモ)」にしてほしかった。 この映画を観たあと「地獄の黙示禄」を良い音響化で観たくなった。
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