劇場公開日 2020年8月28日

「音響、おもしれー!! 自分は、大好き!!」ようこそ映画音響の世界へ CBさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0音響、おもしれー!! 自分は、大好き!!

2021年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

俺は、映画館が好きだ。当たり前かもしれないが、映画館で観た映画の印象は、TV画面で観た映画よりも評価が一段階上がる。
今まで、「真っ暗な中で、他に何もできない状態だから、映画を観るしかない」 という状況が好きなのだということには気づいていたが、本作を観て、「大音響で、かつサラウンドであること」 も俺が映画を好きな理由のひとつなんだなあ、と実感した。

自分には、とにかく面白かった。そういえば、中学生の頃に 「効果音」 というレコードがあることを知ってほしくてしょうがなかったことがあったなあ。スターウォーズ以降がひとつの中心となっていることも、世代的にジャストミートなのだろう。

「人の声は心を動かすんだ」
異生物の声を作るために、トラ(の鳴き声)を逆回しし、ライオン(の鳴き声)を合わせる
あの足音を作る人になりたい、と音響に飛び込む若者たち。
60年代、社会不安や政治。映画は逆行するように、楽しさを求め、ハリウッドは地盤低下し、スタジオでの映画制作は激減。そこから、コッポラ、ルーカス、ウォルターの出現で、大変化していったということ。映画音響をステレオにしドルビー化されたインパクトは1976年のバーブラストライサンド版の 「スター誕生」 だということ。ルーカスの 「THX1138」 は興行的に成功しなかったが、「スターウォーズ」 の飛躍へとつながっていくこと。そして、「スターウォーズ」 が、映画音響の世界をすべて変えた、ということ。ウーキー族(チューバッカの属する生物種)の音声を作りこむことに1年間を使ったという驚き。シンセサイザーでの制作ではなく、現実の音から作ったということ。抑揚が意味を伝えると彼らは考えていること。もう、この映画が時間を振り返って教えてくれることが、すべて、楽しい。

さらに、「地獄の黙示録」 で、5.1チャンネルの導入。ピクサー社の登場による、アニメ+正しい音 という世界。そこで使われた "本物に見せる音" は、人工音ではなくまたも現実の音だったという驚き。自然の音を録音して使うと、そこには様々な音が重なりあっており、なかなか合成だけではその厚みが出せないという驚きと納得。

映画制作の中に、音響デザインという仕事があり、音楽・効果音・セリフの3つを最適なバランス、ベストな音量にしていくことを何週間もかけて行っているということを知った驚き、そして憧れ。ちょっと魅力的な仕事じゃありませんか? まあ、そう感じる人以外は、この映画を観にこないんだろうな...

「映画は、感情に触れる場所だ」 という素敵なシメ台詞。ああ、この映画を観て、ほんとうによかった!!!!

CB
たなかなかなかさんのコメント
2021年9月5日

CBさん、コメントありがとうございます😊

コッポラ&ルーカスが登場したハリウッド・ルネッサンスの時代は本当に熱いですね!

自分はこの世代ではないですが、60〜70年代の作品にはエポックメイキングなものが多いように感じられるので好感が持てます!

たなかなかなか
近大さんのコメント
2021年4月9日

コメントありがとうございます。

以前は映画音楽のドキュメンタリーあり、今回は映画音響。
他にも脚本、撮影、編集、美術、衣装、ヘアメイク、視覚効果と様々な部門があり、是非ともそれぞれにスポットを当てたドキュメンタリーを作って欲しいです!

近大
talismanさんのコメント
2021年3月5日

本当に、おもしれーっす!

talisman