「色々な要素で期待外れだった」13月の女の子 you takaさんの映画レビュー(感想・評価)
色々な要素で期待外れだった
入りはいわゆる友情を描く系の青春モノで仲の良かった友人が病気で死んでしまって打ちひしがれているというお約束から始まり。
そこから不思議なことを言い出す少女が登場しパラレルワールドに転生してしまう。
ここまではラノベのような、まだ展開に期待できる流れだったがここからの急速落下が否めない。
この作品をディストピアと書いているレビューがどこかにあったが、ディストピアではなくポストアポカリプスだろう。
パラレルワールド転生後すぐに人が死んでいる描写や多数決で追い出す描写からそれだけ切迫した世界なんだという表現をしているのだろうが、その描写は必要なのか?という感じがする。正直転生直後の学校が荒れ果てている時点で何か大変なことが起きたのだろうなというのは容易に想像できるので、作中の「大きな震災が起きた」「市街地は略奪とか・・」だけでも見る側は理解できると思う。意味もなく大して重要でもない役が死んでいたりハブられたりこの時間があれば主人公たちの心理描写や経緯の描写等もっとしっかり出来ただろうという気はする。
前半20分のうちのたかだか数分モブとして登場した人物が転生先でキャラ変してて非常に混乱した。ただでさえ穴森一穂と浮間莉音が入れ替わっていたり脳を整理しているうちにどんどんキャラが出てきて途中で理解することをあきらめた。一回見ただけでは理解できないだろう。
展開としては、浮間莉音(穴森一穂)と唐木田巫女が自分たちの意思で市街地に繰り出し会話をしてる道中唐木田巫女が心臓病の発作でという方がまだ入り込めたかもしれない。
少なくとも自殺しようとしている奴を引き留めてというのはチープさを感じでしまった。
最後は唐木田巫女に会いたいはずなのに浮間莉音(唐木田巫女)になっていてそれでいいのか?という感じ。人間は見た目ではなく中身だという隠れたメッセージなのか?
浮間莉音の宙ぶらりんの存在は何?という疑問が残る、ご都合主義で登場させられた気がしますね。
パラレルワールドにはどうやら穴森一穂がいないらしい。パラレルワールドから浮間莉音(唐木田巫女)は何のために穴森一穂の世界に来たのか?なぜ唐木田巫女が浮間莉音の姿で現れたのか?
パラレルワールドに行ったからといって何も解決せずに、浮間莉音(唐木田巫女)が言ってたことは本当だったんだねで終わる感じ。考察の余地は残しておいてほしいと思うものの考察出来るほどの情報がない。
本作品がループ説あるみたいですが、個人的には本来1月から12月でループする現実世界に対して13月という"ループから抜けた"パラレルワールドでの話なのではないかという気がします。
メタ的な感想として、主要の3人の顔が綺麗すぎる。こうゆう系の作品は実は美人だけどまだ原石の女の子やパッとしない芋臭い女の子たちが演じることで女子高生感があって作品がリアルになるが、この作品は作り物感が強い。
この女優たちを目当てに見ている人はいいかもしれないが作品を目当てにした場合、ちょっと興ざめしてしまった。