「映画の世界に身を任せて観るのがおすすめ」十二単衣を着た悪魔 kikiさんの映画レビュー(感想・評価)
映画の世界に身を任せて観るのがおすすめ
原作未読です。いろんな要素が詰め込まれていて、
それぞれが消化不良っぽいところは気になります。
源氏物語にトリップする場面はもう少し工夫が欲しかった。
弘徽殿女御は迫力があって美しかったけど、平安時代の女性という
感じはしなかった。梅命婦も重要な役だからもっと演技が達者な
渋い役者さんに演じてほしかった。
でも全体のストーリーとしては面白かったです。
主演の伊藤健太郎君が冴えない若者から、源氏物語の世界に段々馴染んでいきながら
成長していく感じがとても自然で良かったです。特に、色んな場面での目の表情が豊かで
1つとして同じ顔がない。平安装束がよく似合っていて、所作も美しかったです。
黒木監督が間の演技ができる役者と褒めてましたけれど、
彼の演技を観るだけでも、この映画を観る意味はあるかなと思います。
倫子役の沙莉ちゃんが愛らしくて良かったです。
二人のラブストーリーをもう少し見たかったです。
あまり細かいことは考えず、映画の世界に身を任せて観たら
2時間あっという間で、思いがけずラストにかけて涙もホロリと流れました。
雷鳴が轟くシーンなど、映画館ならではの迫力も味わえたので、
映画館で観てよかったと思います。
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