劇場公開日 2020年10月16日

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「なんで鬼は退治されるん?」鬼ガール!! kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0なんで鬼は退治されるん?

2020年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 『ビューティフルドリーマー』を観た後での鑑賞となりましたが、こっちの方が映画愛に溢れてるやん!とビックリしました。BDは映画研究会、こちらは映画部の物語です。映像研といい、今年は映画の部活が多いですね。

 主人公は鬼瓦ももか。代々「鬼」としてツノがある怪力の持ち主の家系。興奮するとツノが生えてくるという設定で、イケメン男子・神宮寺岬に恋する女子高生なのですが、憧れを抱き映画部に入部するも、勉強もスポーツも万能の彼は飽きたためにさっさと映画部を辞めてしまう。幼なじみの蒼月連が探していた幻の脚本「桃連鎖」を見つけたことから、ももかが映画作りに意欲を燃やすというお話。

 てっきり桃太郎や鬼退治がメインになる展開かと思いきや、意外と映画に対する情熱が溢れんばかりの内容となっていました。リュミエール兄弟の話や映画部のポスターたち(かなりマニアック)。そして、映画作りで重要な脚本について。さらに連の父親が映画監督であり、海外を飛び回って忙しいという設定。全編ほぼアフレコによるものであるのも、イタリア映画や中国映画をイメージしたためか、違和感があるけど興味深い。そして映画と舞台とのコラボも面白かったです。

 一番のテーマは人間と鬼との共存だったように思います。鬼というマイノリティに対してどんなイメージを持っているか。退治されなきゃいけないのか。途中からももかが鬼だということを忘れてしまうほど夢中になってしまいましたが、考えさせられるテーマをぶけられた気がします。

 「TRAIN-TRAIN」をはじめとする元ブルーハーツのドラマー梶原徹也のプレイ。特にお寺での和太鼓との競演は凄い!そしてももかの妹りりかの鬼ビートというガールズバンドがまたキュートで良かった。注目の桜田ひよりも終盤の演技が光っていました。メイク係からなぜか俳優となっていたけど・・・

 そんな映画愛に満ちた作品でしたが、吉本新喜劇愛にも満ちていました。ももかの父親・山口智充、先生役の宇都宮まき、そして末成ゆみ!ごめんやして遅れやして、ごめんやっし~と、新喜劇ファンなら大ウケ間違いなし。そしてイソジンさんも新喜劇?

kossy