劇場公開日 2021年6月25日

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「原作より良かった!」夏への扉 キミのいる未来へ 猿実さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原作より良かった!

2021年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ロバート・A・ハインラインの原作は、半世紀以上読まれている時間旅行をテーマにしたSF小説。
BTTFはじめ多くの作品に影響を与えた名作ですが、20世紀半ばの作品なので不自然に感じる部分やちょっと気味悪い部分もありました。

10年以上前、舞台を日本に移して幼いヒロインのリッキィを高校生のガッキー(笑)に変え、私自身がドラマシナリオを書きかけたことがあります。その時に気になった原作の不都合な点や不自然な点が、この映画では見事解消されてました。脚本家(菅野友恵)の才能に脱帽です。

実は、この映画の公開直前にオンデマンドで観た三木監督の『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』で時間の流れの説明にちょっと当惑したので、あまり期待せずに映画館に足を運びました。
しかし、この作品では論理的破綻も最小限に留められていたし、多くの人が感じるタイムパラドックス的矛盾点もちゃんと説明されてました。それに、ところどころに仕掛けられた小さなエピソードや小道具が洒落てます。

キャストはNHK朝ドラオールスターズという感じですが、話題の清原果耶はヒロインにピッタリだし、夏菜の悪女っぷりもなかなかのもの。藤木直人演じる原作には登場しないヒューマノイドのピートも良かったです。

そして極めつけは、この映画のもう一人?の主役。
ネコのピート役のパスタとベーコン(二匹一役)は言うことなし!
クローズアップされたパスタの表情にハートを鷲掴み……いや、肉球掴みです。(笑)

猿実