「テレビドラマ向きと思います。」夏への扉 キミのいる未来へ じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
テレビドラマ向きと思います。
ハイラインの名作「夏への扉」(私の書架にもランク上位で収納)の日本語版ですが、変な意訳をせずに、素直に舞台を変更しただけなので、スッキリとした映画になっています。それもそのはず、元々舞台劇だったようです。
さて、ストーリーの骨格は元祖とも言える「タイムマシンもの」。過去に戻ってほにゃららら、なんだけど、よくあるパラドックスはあまり関係ありません。いわば、過去に戻ることも、時間軸としての決定づけられた行為という訳です。そこに作品発表当時話題になっていた冷凍保存技術によって、本人の主観では一瞬の間に未来に行くことができる事で、行ったり来たりを可能にしているのです。当時のSFでは、主要なアイデアはひとつかふたつなのです。
映画はとてもスッキリとした作品です。
だから、パラドックスものにありがちなハラハラ感はないですね。
ハリウッド映画なら、派手なアクションやスパイ、裏切り、恋愛などをもっと強調すると思います。そういうことは一切ありませんから、この方面で期待をしては行けません(笑)
山﨑賢人くんは、いつもの声を押し潰したような叫びはしなかったので、自然体に感じました。さすがのイケメン、好演。
璃子役(リッキー)清原果耶さんは、高校生の役でしたが、中学生役なら中学生に高校生役なら高校生に見えるので不思議な女優さんです。涙を目に溜めての演技が素晴らしい。
藤木直人さんは、アンドロイドの役でしたが、無機質な感じを上手く演じていました。もう、アンドロイドにしか見えない。でも、次第に人間らしくなるところが節度があっていい演技でした。
夏菜は巨乳すぎ(笑)
ピート(猫)は誰かが話しかけると、大きな目でそちらを見るので、とても可愛い。
全体的には、映画よりもテレビドラマの方が合っていると思いましたね。理由は映画的スケール感があまり感じられず、少々お金をかけたドラマという感じです。Netflixのドラマだったらもっとスケール感を出してくると思います。これが演出のせいかどうかはわかりませんが。