「 味付けと割り切り」夏への扉 キミのいる未来へ またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
味付けと割り切り
時間系(と打って変換したら痔関係と出た)の名作は多々あれど、本家的なところに手を出して海外で失笑を買う作りにならなければな、と心配していた。いろいろ欠点もあるのだが、自分的には満足することができた。
ハインラインの原作は読んでなくて、つい先日Kindleで半額になったのを読み始めたところ。完読していないが冒頭の婚約者に嵌められるところはわかっていたので、全く知らずに見たとしたらどうだったかな。
主人公とヒロインの関係は日本ドラマ風にアレンジしてあって、どちらも好きな俳優である山﨑賢人と清原果耶にもマッチしていた。二人の年齢差が最後にはまる綺麗なピースになっていて、ここは原作通りなのか映画オリジナルなのかわからないが一番すっきりしたところ。
山﨑賢人は超男前だが素直で真面目な理系の役も過不足なく演じている。清原果耶はすでに誰もが認めるうまさをここでも発揮していてヒロイン感も十分。もともと目をつけていたんだけど、お年頃になってきたので、若者恋愛もののヒロインなんかもやってしまうのかなあ。ちょっとやだなあ。
(雑談:今の朝ドラは最初から清原果耶のアップでの顔芸に頼り過ぎ。こんなところで口をもごもごさせたり目玉をきょろきょろさせるキムタクみたいな小技を定着させてはいけない。そもそも彼女はアップじゃなくても語れる、どちらかといえば草彅剛派で育ててほしい!)
ちょっと気になったのはワル夏菜の過剰演技。この映画の質からしたらもう少し抑えてくれた方がより怖くなったのでは。良い夏菜のところはうまかったのにな。トモロヲ博士も過剰なんだけどオマージュ要素と割り切るか。。。
未来から戻ってきたところで拾われたのが超いい人達で、これが偶然か必然かというところが萌え萌えポイントですかね。あとピートⅡはピートⅢを使っちゃってるんだろうなと、ここはターミネーターループすね。
冒頭のニュースなどで今の世界と違う世界であることを示してるのは今までの日本SFで気を付けていなかったところで、ここはうまいなと自分も思いました。
あと、95年の象徴的に「MDにミスチル」を使ってるんだけど、どうせ長年活躍しているミスチルを使うなら2025年でも活躍してるシーンを入れてほしかったなあ。 なんて。
原作を読了。この映画で自分が気に入っていたいくつかの設定が映画独自のものであったことを認識。特にリコが技術者となって年齢差を埋めた上で冬眠したこと、またその冬眠を主人公が知らなかったことが大きい。