「ある意味、ホラー映画ファン必見!」ファナティック ハリウッドの狂愛者 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味、ホラー映画ファン必見!
『ミザリー』の系統かと思っていたけど、第三者目線もしくはストーカーであるムース本人目線で描かれているという違いがあった。ムース(トラボルタ)は発達障がいなのだろうか、コミュニケーションが苦手で、視線は常に相手の目を見ていない。それでもハリウッド通りでは観光客相手にイギリス警官のパフォーマンスでわずかな金を稼ぐ毎日。
人気俳優ハンター・ダンパーの熱狂的ファンでもあるムースは、サイン会で冷たくあしらわれたことから徐々にストーカー化していくのですが、ダンパーの豪邸が意外にもセキュリティーが甘く、家宅侵入して偏執的な愛情へと変わっていくのだ。
親の浮気を見ないようにと、ヘッドホンをつけてホラー映画鑑賞に浸っていた少年時代。ダンパーもSFやホラーにばかり出演してるみたいで、彼の嗜好にもぴったり当てはまるヒーロー的存在。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド、知らないの?だめじゃん」とか「ジェイミー・リー・カーティスを超えたかな」などと、ダンパーに難問を押し付けたりする。ウケるのが「マニアックは面白かったけど、リメイクはクズだな」といった台詞。そして13金の・・・
映画オタクぶりと偏執愛。ダンパーの洗面所にあった薬や歯ブラシ、台本というものにまで手を付け、最終的には本人を縛り上げる。映画も徐々にホラー的な変貌を遂げ、加害者も被害者もある一線を越えたら狂気に変わるというテーマも伝わってくる。「本当はいい人なんだ」と誰からも言われるくらい、いい人なんだから(トラボルタ本人も)。
ハリウッド通りでは色んなパフォーマンスがあることもわかり、一度は訪れてみたい観光スポットに決定。マリリン・モンローの真似する姉ちゃんにもサインを貰いたいし、トラボルタの自宅にも訪れてみたい。ついでに言えば、パフォーマンスを見るときには財布をすられないようにしなきゃね。