劇場公開日 2020年9月4日

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「トラボルタ、迷走中かな…」ファナティック ハリウッドの狂愛者 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5トラボルタ、迷走中かな…

2020年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

ジョニー・デップの「グッバイ、リチャード!」、ジョン・トラボルタの本作と、ハリウッドスターが主演する独立系小品の公開が続く。シニアの域に入った高額ギャラの大物をコスパの点で起用しづらいスタジオ側と、小規模でも新味が感じられる脚本や気の合う監督となら挑戦したい俳優側、それぞれの事情が背景にあるのだろう。

リンプ・ビズキットのフロントマンにして映画監督、フレッド・ダーストは俳優として「Be Cool」でトラボルタと共演した仲。なるほどショービズの光と影を実体験として知る立場で、自ら書いた脚本にそんな要素を盛り込んだそうだが、ムースの内面やストーカー的行為に転じる過程の描写に深みが足りず、トラボルタの熱演も空回り気味だ。

歌って踊れる青春スターからクールなギャング、危険な色気のある悪役と、年齢に応じてふさわしい役柄を得てきたトラボルタだが、2010年代に入ってからは迷走している気がする。

高森 郁哉