「福祉のあり方…」スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
福祉のあり方…
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他の施設で入居を拒否された自閉症や、親にまで見捨てられた、問題がある子たちを無認可ながら15年にわたり受け入れ続けるブリュワ、ドロップアウトしてしまった若者の就労支援を続けるマリク、プライベートの時間も削りながら、彼らを突き動かすものは何なんだろう。私には福祉の精神というものが全くなく、周りに福祉系大学に通学していたり、福祉関係の職に従事している友人がいるが、その心持ちは尊敬の念に値するし、それだけにこの映画を冷静に見れなかったかもしれない。ラストの方に描かれたベルを鳴らさず電車に乗れたこと、ヘッドギアを外すこと、共にサッカーをすること、前進するのに物凄い労力と時間が掛かるが、共に喜びを分かち合うこと、その子の自立や、その家族の真の支えになること、これが目指すところであり、喜びなのかもしれない。当然、人間が相手なので、画一的ではなく、ルールに反し、受け入れられない子供たちが出てくる。管理する側の国としては後からトラブルが起きたら、大問題なので、無認可機関を調査はする。しかし、現実は待ったなしで追い付いていない。家族や病院でさえ、彼等のような機関を頼らざるを得ない。後から云々というのを考えている前に大問題が発生している。認可無認可問わず、入居者への虐待などニュースを見るが、なぜそういうことが起きてしまっているのか、その先にある現実を見据えなければならない。実話だけに静かながら、映画はその本質を突いている。ヴァンサン、レダ二人の静かに熱い演技が良かった。
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