「原題は《柵を飛び越えた人達》でしょうか?」スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話 Bon voyageさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0原題は《柵を飛び越えた人達》でしょうか?

2020年9月19日
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鑑賞方法:映画館

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実話をベースにしているがドキュメントそのものと捉えても過言ではない。日本語タイトルが変だけど一言では言い表せないから仕方がないのかな?原題は《柵を飛び越えた人達(規格外の人達)》。それにしてもスゴい超絶人間愛が溢れていてKOされた。自助ごり押しするならやってみろ❗誰もが匙を投げてたらい回し押し付け合うほどの一人では生きて行くのが困難な人達を街で生きるフツウのド素人達がガシガシ前に進んで共に生きようとしている。無資格の支援者たちも訳ありだ。しかし、これだけ根っこを深く張り逃げない主宰者に訳あり若者もやがて自ら真剣に向き合わざるを得なくなる。自暴自棄になり自己承認の薄い青年が、このとんでもないぐちゃぐちゃな子供に文字通り体当たりで付き合ううちに自分こそが救われていることに気づく。誰かの役に立つ事が自分を生かす道だと言う単純で簡単なことに《腑に落ちる》ことこそが共生社会を構成する第一歩目なんだろう。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、其々信仰は違っても独りぼっちにはしないと昼夜関わる。これが人間愛と言わずなんという。日本の《福祉》の根底を徹底的に構築しなおさないと人間愛は益々消えるだろう。自助の国日本よ。この映画は単なる道徳映画ではないからフランス人独特のユーモアもあり。

Bon voyage