劇場公開日 2021年9月23日

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「実在の女性ガンマンをジェンダーレスに描く」カラミティ regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5実在の女性ガンマンをジェンダーレスに描く

2021年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館

楽しい

単純

萌える

モデルとなっている女性ガンマンのマーサ・ジェーン・キャナリーは、色々と都市伝説が錯綜した人物らしいが(彼女が登場する実写映画は色々あるが、個人的には『腰抜け二挺拳銃』のジェーン・ラッセルがベスト)、本作は女性らしさを求められる少女の葛藤と自立を描く成長譚にアレンジしている。
「女性はこうでなければならない」というレッテルを拒み、生きていくためにジーンズを穿き、馬に乗り、髪を切ったジェーンは、周囲から「カラミティ(厄介者)」扱いされる。ジェンダーレスは西部開拓時代のみではなく、もちろん現代にも通じるテーマだ。
前作『ロング・ウェイ・ノース』でも特徴的だった、輪郭線を使わずにベタ塗りかつ平面・絵画的に描かれる作画デザインは本作でも際立つ。前作では白銀の世界が見事だったが、本作では特に自然風景が素晴らしい。
前作よりもアドベンチャー要素を強くし、登場人物たちの意識改革も描く。まさに良質なアニメ。

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